拘置所に到着しますと
先ず1階の体育館のような天井の高い広大な広場に集められ、
最初にどう処遇するかの分類が行われますが、
これが非常に独特というか、
無目的に集まってきた集団を
手際よくさばくにはこうするのか、と
驚くような手法が取られていました。
毎朝、
数多くの被告人たちが関東各地の留置場から集まってきますから、
ベルトコンベアーのように次々にこなさないと、
すぐに後がつかえてしまいます。
まず護送車から降ろされた20~30人の被告たちは初犯者・再犯者区別なく
他の警察署から来た連中と一緒に、
半円形のドームのような場所に集められ、
壁に洽って設置された狭い電話ボックスのような個室に入り、
自分の番号が呼ばれるまで待ちます。
この個室は通称「びっくり箱」と呼ばれており、
窓がなく被告同士が話をしないように隔離しておく目的で、
医務や面会の待合室にも設置されています。
電話ボックスを狭くして大人一人が入ればもういっぱいくらいの空間で、
そこに作られた木の腰掛けに呼び出されるまで延々と座らされるのですからたまりません。
じっと待っていると、
これから自分はどうなるのか、
いよいよとんでもないところへ来てしまった、
などと不安ばかりが増大していきます。