年明けから帰国した今日までの約2ヶ月半の間に3回、4カ国5都市を旅して来て、ここから1ヶ月半ほど東京生活となるが、ゆっくりと落ち着ける時間は当分なさそうだ。
北半球の冬の旅は寒さから閉じこもりがちだし、仕事以外ほとんど道草もなく、防寒優先で着込んでいる為からだは縮こまり、いたるところコリコリに固まり悲鳴をあげている。
自分の感性のみでセレクトしたブランド、アイテムがどう評価を受けるか、毎回現地での交渉がうまくいったつかの間の喜びと自信が、帰国後からはサンプルが予定通り届き、短いオーダー締め切りまでの日程で結果が出せるかどうか、各ブランドへの責任感の重圧との戦いで、体力的なキツさからは解放されても、今度は精神的なプレッシャーが待ち受けている。
好きでこの職業を選んだとは言え、人気のあるブランド、売れるブランドを敢えて優先してセレクトしないだけに楽であるはずはない。
年月の経過で消費者のファッションへの意識も随分と変ってしまい、大手企業の巨大なパワーを目の当たりにして、ひとりベッドの上で眠れぬ夜を過ごす事もあるが、最終的な結論は毎回マイスタイルの継続で、己の感性をあくまでも優先してしまう。
一般的にこだわる意識が希薄になり、質より数字優先の今般、以前に比べても温度差は広がり、自分のスタイルが伝わり難くなっているのも事実だが、情報とデータ優先で誰でもがセレクトする、セレクト出来るブランドではバイヤーと一丁前に粋がる必要などないレベルで、自分でなくてもいいように思ってしまう。
誰でもがセレクト出来る中で一番を取るより、誰も関心を示さないセレクトで先駆けて感度を示す方が、遥かにレベルは高い。
特に日本のファッションの世界では売れるものばかりが優先されがちで、自分の目でモノを選ぶ楽しみすら、おざなりになっている。
ほどほどに日本の流行らしきものを取り入れたようなファッションばかりが話題となっているようでは、世も末のような気分になってしまう。
エプリルフールの昨日書き綴った内容ではあったが、現状のファッションのあり方に納得いかず、満開近い桜の花のように無垢で本気だということを正面から伝えたいが為に、本日のアップとさせていただきました。
cheers