イタリアの映画界の巨匠Luchino Visconti / ルキノ ヴィスコンティ監督

1942年の「郵便配達は二度ベルを鳴らす」はファシスト体制下の社会の底辺でうごめく人々の、反ファシズム性と扇情的な愛の力強さを描いた処女作、
ミラノで生活する貧しい一家を支える、兄弟の愛と挫折と栄光を描いたドラマ。巨匠ルキノ・ヴィスコンティが名優アラン・ドロンを主演に迎えて贈る不朽の名作。
1960年のイタリア南部の移民問題をベースに、家族の崩壊と兄弟愛をドラマチックに描いたヴェネチア映画祭審査員特別賞受賞の「 若者のすべて」は若かりし頃のAlain Delon / アラン ドロンを始め若手実力者俳優が出演していて後藤田一番のお気に入りです。
音楽は「太陽がいっぱい」「ゴッドファーザー」 「道」のNino Rota / ニーノ・ロータ。


1963年の「山猫」はカンヌ映画祭で見事、グランプリを受賞して国際的にも評価される。
1968年の「異邦人」は「甘い生活」、「昨日 今日 明日」 「ひまわり」 「8 1/2」など数々の大作に出演しているイタリア映画界の大御所Marcello Mastroianni /マルチェロ・マストロヤンニ が主演でした。
余談ですが、理由はさておき、一時期Marcello Gotoda/ マルチェロ ゴトウダと呼ばれていた時もあったのです。
1971年「ヴェニスに死す」
1974年の「家族の肖像」
1975年遺作になった「イノセント」

計17本の彼が撮った映画は、永久に世界の人たちに愛され続けています。
いかにもイタリア人女性らしい美しいまなざしのルキノの最愛の妹 / ウベルタが、ルキノの最後をこう語っています。
「 夕方、5時頃でした。ブラームスの交響曲第2番を聴いて、それが終わると私の方を向いて もう、十分だ。疲れた。」
そう言って、1906年に貴族モドローネ公爵Giuseppe Visconti / ジュゼッペ ヴィスコンティの第4子としてミラノで生まれ、1976年ローマでイタリア映画美学を築き上げた巨匠ルキノ ヴィスコンティの魅力ある70年の生涯に幕がおりました。

合掌。