今回は、ルイ・アームストロングの歌唱で知られる、
What a wonderful world !
この素晴らしき世界
という日本語訳の題名がありますが、
私の日本語の歌詞の題名は、

【なんて素敵な世界!】

にしました。

歌詞を訳したものを読んで頂ければ、その微妙な違いがお分かり頂けると思います。

【曲が世に出るまでの背景】

ジョージ・デヴィット・ワイスとジョージ・ダグラス(本名ロバート・シール、愛称ボブ・シール)の共同での曲で、ルイ・アームストロングが最初にレコーディングして、彼の最大のヒット曲となった歌です。
時代背景として、1960年代、東西冷戦の激化、ケネディ大統領の誕生から暗殺、第三次世界大戦直前にまで発展しそうになったキューバ危機、そしてベトナム戦争、反戦運動の高まり、黒人差別反対運動の高まりなどが続いて、アメリカと世界が激動とそれによる緊張に包まれる時代の中で作られた作品です。日本でも、安保反対運動などの学生運動が盛んになった頃です。
そんな時代の中で、ジョージ・デヴィット・ワイスとルイ・アームストロングのプロデューサーであったABCレコードのジョージ・ダグラス(ボブ・シール)は、ごくありふれた何気ない平和な日常にこそ、幸せがあるという事を伝えたくて二人で作った歌との事です。
しかし、ABCレコードの社長がこの曲を気に入らず、お蔵入りになってしまいます。
ジョージ・ダグラス(ボブ・シール)からデモテープを聞いたルイ・アームストロングはこの曲のレコーディングを熱望しますが、社長からはやはり拒否されます。
それでも、ルイ・アームストロングはめげずに1967年9月にラスベガスでのライブの後に密かに録音。

そして、レコードの発売に漕ぎ着けますが、社長の方針により、曲の宣伝は一切行われず、アメリカではヒットしませんでした。

ところが、イギリスで火がつき、ヒットチャートに29週間ランキングされ、60万枚を販売、オーストリアでも1位を獲得。ヨーロッパを中心に世界的なヒットになりました。

その後、1987年の映画『グッドモーニング,ベトナム』の劇中歌となり、この曲はアメリカでもヒット。その11年後、グラミー賞の殿堂入り。それ以来、トニー・ベネットやセリーヌ・ディオン、ロッドスチュワートなど様々な歌手がカバーしています。

What awonderful  world

作詞George David Weiss 

作曲Robert Thiele

I see trees of green, red roses too

緑に包まれた木々が赤い薔薇と共に目に留まる

I see them bloom for me and you
それらは君と私の為に生い茂っている様だ

And I think to myself

そして私は心から思う

What a wonderful world
なんて素敵な世界なんだろう


 

I see skies of blue and clouds of white
青い空に白い雲

The bright blessed day, the dark sacred night
光り輝く祝福の日。静まりゆく聖なる夜 

And I think to myself
私は心から思う

What a wonderful world
なんて素敵な世界なんだろう


The colors of the rainbow, so pretty in the sky
鮮やかな素敵な空にかかる七色の虹

Are also on the faces of people going by
行き交う人達の顔も染めていく

I see friends shaking hands
友は握手を交わし

Saying, "How do you do?"
お元気ですか?と挨拶をする

They're really saying
みんな、心の中では

"I love you"
"愛しているよ”と言っているのさ

I hear babies cry and I watch them grow
赤ん坊の産声が聴こえる。私は彼らの成長を見守る

They'll learn much more
みんなは、これから多くのことを学んでいくだろう

 

Than I'll ever know

私よりも、もっと沢山の事を知るだろう

 

And I think to myself
そして心の中で私は思う

What a wonderful world
なんて素敵な世界なんだろう

Yes, I think to myself
そう、私は心から思う

what a wonderful world
なんて素敵な世界なんだろう


Oh Yeah

ほら、ねえ?


【日本語訳】

以下が、私の日本語訳での後です。

私が、生まれて初めて訳した曲でもあります。


※収録2018年1月 六本木サテンドール

なんて素敵な世界!
日本語訳 深川隆成

緑の森 赤い薔薇
二人を包む、この自然
なんて素敵な、この世界
青い空 白い雲
恵の陽射し 聖なる夜
なんて素敵な この世界
七色に輝く 虹の橋
光は降り注ぎ 人々を照らす
お元気ですか? 握手を交わし
共に思う 大切に
新しい命の 産声
二人は育て 時代は巡る
なんて素敵な この世界
そう、なんて素敵な世界なんだろう
ほら、ねえ?

※尚、ルイ・アームストロングが死の前年となる1970年にレコーディングしたWhat awonderful worldには、彼の思いを込めた語りから始まります。

以下、意訳です。

近頃、若いのが私によく聞いてくるんだよ

「なんて素敵な世界って、どういう意味なんですか?」
「世界中で戦争が行われていますよね?」
「それも素敵な世界なんですか?」
「飢饉や環境汚染の問題もありますよね?」
「全く素敵な事ではないですよ」

若いの、心を落ち着かせて、この爺さんの言う事を聴いてくれよ

私には世界がそんなに悪いとは思えない
人間が世界にしていることが悪いのさ
私が伝えたいのは、世界にもう少しチャンスをくれたら
みんなその素晴らしさがわかる様になる
愛、愛なんだよ。それが大切なんだ
もしも、もっとみんながお互いを愛しあえたら
数多くある問題も無くなるだろう
そして世界はとても面白くなるだろう
だからこの年寄りは伝え続けるんだ

※これは、彼の遺言の様にも思えるのです。聴いてみてください。彼の最後のWhat awonderful world