近頃、推薦・AO入試による学力低下に対する懸念がますます強くなっているような気がします。
「推薦・AO入試だと受験勉強をしなくていいから学力が低下する、けしからん」といった感情論としか言えない様な声があることも確かですが、推薦・AO入試が学力低下の原因になってしまっていることは目を背けられない事実であることは間違いありません。

しかし、だからといってすぐに制度自体を廃止・縮小することはほぼ不可能。
文部科学省の統計によると、平成20年度の大学入学者の約半分が推薦・AO入試によって合格をしています。
この規模まで拡大してしまっている以上、例えもし推薦・AO入試を廃止するとしても最低10年ほどの期間がかかり、その間にも大学生の学力はどんどん低下していってしまいます。

ゆえに、今後推薦・AO入試が縮小・制度変更・廃止などになろうがならなかろうが、現時点での制度において学力が低下しないような策を打たなければなりません。
「推薦・AO入試にもいい点がたくさんあるから残そうよ」とかいう話ではなく、すぐに無くすことはできないから現実的な打開策をスピーディー(2・3年というスパン)に検討し、実行に移さなければいけないということです。

これくらいのスピード感を持って動くためには、現場レベルの人間がボトムアップで突き動かすしかありません。
われわれのような塾関係者、大学関係者、高校関係者、保護者・・・etc。
今まではどちらかというとマクロな視点で語られることが多かったこの問題、現実的な利害関係などのもうちょっとミクロな視点から検討する必要があると思います。

推薦・AO入試による学力低下を現場レベルで防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか。