負けたのだから実力不足だったことは間違いない。しかし、今は批判するより敗因を冷静に分析して改善点を探すべきなのではないか。私が高1のときに全国の各学校のバレー部で9人制から6人制に変わった。半世紀以上前、あまりにも昔の話だが、それによって背の低い部員はバレーが大好きであったにもかかわらず泣く泣く退部したことを思うといまだに胸が痛む。バレーで平均身長の低い日本は本当に不利だとつくづく思う。もう知らない人も多いであろう「東洋の魔女」で人気に火のついたバレーボールは男女ともに山あり谷ありの長い歴史がある。ずっと見続けてきた身として、今回の敗因をいくつか挙げるとすると、一つ目はやはりセッター関田とエースの一人である西田の不在。とにかくセッターとアタッカーの息が合っていなかった。まず元気印の西田は必要だった。関田がいなかったのは負けた言い訳にならないという意見が多いが、関田は自由自在に多彩なトスでアタッカーを操るコート上のコンダクターなのだ。彼の不在は大きな敗因の一つだったと思う。二つ目は石川祐希の不調。これはネーションリーグから続いているが肩のケガが影響しているのかスパイクに切れがない。もちろん研究し尽されている部分もあるが、試合終了時にコートに彼がいないというのはやはり異常なことだ。三つ目は各国の若手の急激な成長。日本の数年前のような状況に似ていると思った。

 マスコミは散々石川や高橋をはじめ日本チームを持ち上げていたのに、予選敗退を受けての手のひら返し、慢心だとか調子に乗ってたと批判しているが、あっという間にスターたちを叩き落すお約束のこの風潮。日本という国のマスコミのレベルの低さが情けない。ただ、これが我々国民のレベルなのかなと考えると悲しくなってしまう。

 選手たちは今回つらい想いをしただろうが、これを機にもう一度、出直してほしいしこれからも全力応援していきたい。

 最後に一つだけ。高橋藍の金髪は残念ながら似合っていなかった。