昨日のドジャース・カブス戦を観て、つくづく今の日本選手のレベルの高さを感じた。かれこれ20年前、松井がヤンキースに行った翌年、ヤンキース対レイズの開幕戦が日本で行われた。前哨戦の対巨人戦、今回以上とも言えるほど東京ドームは異様な熱気に包まれていた。 満員の観客の視線は松井の一挙手一動に注がれて、松井が第一打席に立つとスタンドから一斉にカメラのフラッシュがたかれ、特にライトスタンドからは「ホームラン井!!!」の大声援が巻き起こった。その1年前、「ファンの皆さんから裏切り者と言われるかもしれないが」とヤンキース移籍に関して笑顔なき記者会見をした松井。そんな周りを思いやる選手はそれまでにいなかった。だからこそ何よりファンが10年間巨人に滅私奉公しながら堂々とではなく申し訳ないという気持ちでFA権を行使して大リーグに行った松井の人柄を理解し誇りに思い応援していたのだ。それが証明されて松井も嬉しかったのではないか。人気者のジータやポサダ等チームの面々も改めて松井の人気の凄さに驚いたようで、ベンチで笑いながらはしゃいでいた。この日ばかりはドームで巨人はアウェイ。しかもファン期待通りのホームラン。絵に描いたような筋書きにスタンドのボルテージはそれこそ言い表すのが難しいほど凄まじいものだった。結局、ヤンキースはもちろん巨人にも勝ち、レイズに3連勝して松井はMVPを獲得して、これ以上ない凱旋帰国となった。今でも時々その時の映像を観ては当時を懐かしんでいる。
さて今年の開幕戦、大谷、鈴木誠也がいて、由伸対今永が先発投手。これは日本へのサービスでもなんでもなく、2人は多分アメリカでも開幕投手になったであろう。これはさらっと言うことではなく凄いことだと言わざるを得ない。日本の野球のレベルの高さはWBCやオリンピックで世界中から認められているが、この小さな島国から次々と出てくる豊富な人材。テニスやゴルフとは歴然とした差がついてしまった。
今日、ドジャースは佐々木朗希が先発と言われている。本当に凄いなと思いながら今晩も野球を観るのだろう。