思えば試合前会見で、松山はナオ君、ナオ君と同組になった16歳の飛ばし屋のことばかり話していた。2日目の朝、中島常幸が「ナオ君に勝ったじゃない」と話しかけると「一応、先輩としての意地を見せておかないとと思いまして」と笑いながら言っていたそうだ。世界ランキング7位の松山が本気で高校生相手に闘志を燃やしていたのが何とも微笑ましい。2日目の18番でティーショットを375ヤード飛ばしイーグル締めして他のの日本人との格の差を見せつけたが、すぐあとにナオがバーデイをとって予選通過を決めたとき、嬉しそうに二言三言声をかけていた姿にジュニアに優しい人なんだなと改めて感じた。
今回、同組になった石川遼は戦闘モードに入ってしまい空回りしたそうだが、松山が石川のプレーに全く興味なしという感じで最後まで一人芝居になっていた。当然と言えば当然だが、三井住友の優勝で意欲満々で松山と対等に渡り合えると思っていたのかもしれないが、高級車と軽自動車ほども違う実力はいかんともしがたいもので、予選は通過したものの40位前後で終戦してちょっと哀れでさえあった。
終わってみれば、来季から本戦入りする無名のムクグリービがコースレコードの22アンダーで優勝して、松山はノリス、バティアとともに18アンダー2位タイ。ショットもパットも良くなかったにもかかわらず、結局この位置にくる松山はやはり凄い。今年最後の試合ということで、両親や親戚を最終日に呼んでいたというが、後半を回りながら、また、最短でも1年は日本の試合に出ないことになるので、大勢のギャラリーの応援や両親の視線をかみしめながらプレーしていたことだろう。木曜日から4日間、テレビに張り付いて応援して、脚も萎えてしまった身ではあるが、松山は十分堪能できるプレーをしてくれて大満足している。またお別れだ。寂しい・・・来年も日本に来てくれるかな?歳も歳だし生きて彼のプレーを観ることができるかな?今日は朝からずっと松山ロスに浸っている。