大会中、やはり記者のインタビューでは素っ気ない対応だったが、尊敬する丸山監督がいた練習場では終始笑顔が見られた松山。最終日、バーデイ逃しのパットがいくつか見られたが、シャウフレやラームが崩れる波乱が起きる中、ノーボギーは立派としか言いようがない。国を背負うという意識があまりないのではと言われてきたが、最後のほうでパットのとき手が思うように動かなかったと告白しているところをみると、やはり相当なプレッシャーがあったのだろうと思う。オリンピックにゴルフは必要かという考えは今でも変わらないが、いつも2位、3位は見向きもされないメジャーで戦っている松山にとっては、表彰台に立つことができたのは特別な感慨あっただろうし、国歌斉唱、国旗掲揚の際、泣いていたシェフラーを横で見て、改めて金メダルを獲って君が代を聴きたかったと思ったはずだ。

 今回、普段、孤独に戦っている松山にとって良かったのは、丸山をはじめ、中島のキャディーとして帯同していた進藤氏等とチームジャパンとしてオリンピックに臨むことができたこと。きっと楽しかったし嬉しかったに違いない。昨晩は大宴会だったのではないか。

 最終戦のフェデックスカップに向けて、今日からまた一人で頑張らなければならないが、メンタル面も技術面も今回の銅メダルを獲得して上り調子であるはずだ。最後に、おめでとう、有難う、この好調を維持して決戦の地に向かってほしいと言ってあげたいと思う。