シリーズ1の最後のほうで、二人のラブシーンを偶然通りかかったアウグストがスマホでとり、ウイルへのひがみからその動画をSNSで世界に向けて発信したことによって国中が大騒ぎになる。だがウイルの顔がはっきり映ってないことから、王室は宮殿でウィルに否定声明を出させる。シリーズ2ではそれに傷ついたシーモンがウィルを責め、二人の間に亀裂が入ってしまう。ちょうどその時、シーモンに好意を寄せる男友達とカラオケに行ったりしていることを知ったウイルはショックを受け、更に動画流出の犯人がアウグストだと知り、それを不問に付そうとしている母親に逆上して怒りをぶつける。
ここで、演出や演技が上手いなと感じるのは、シーモンが王室やウイルの苦しい立場を全く理解できない、ある意味わがままで未熟な少年であることが、そのセリフや表情によく出ていることだ。また上級生から、シーモンは何も分かってない。もっと我々のような身分の高い奴と付き合えと忠告されても、シーモン一筋のウイルは歯牙にもかけず、幼なじみで唯一の女友達に、自分が嘘をついたのだから、シーモンに新しいボーイフレンドができても仕方がないが、耐えられないし死にそうだと嘆くときの涙や表情、シーモンへの深い想いが切ないほどに伝わる演技が胸を打つ。そこにはほんの数か月前までの甘えん坊で問題児だったころの面影はなく、恋人に振られそうでオロオロするウイルの優しくて気弱な姿が映し出されている。最後にヒーレシカ100周年のスピーチで流出動画はシーモンと僕ですと毅然として言い切ってウィルがシーモンに目を向けるシーンでシーズン2は終わる。あまりの人気にシーズン3まで制作され2週間前に配信が開始された。
またしても、語りたいことが残ってしまったので、あと1回続きを書きたい。