10、なぜバラエティでそこまで身体を張れるのか

  

内容までは覚えてないが、昔、『スターどっきり㊙報告』という番組で、中居はドッキリにかけられる常連だった。もちろん、裏では文句を言っていたかもしれないが、テレビに映っているときは、「また俺かよ~」と、とふくれた素振りを見せながらも、大成功!と周りに言わせて、笑わせていた。

1度木村拓哉を引っかけた場面を見たが、本気で怒りを爆発させて周りが凍り付いたことがあった。以来、木村のドッキリを観ることはなかった。むしろ、木村のほうが一般人的反応だったろう。芸能人だからといって、そこまでされる理由はない。それが木村のポリシー。それはそれでいいだろう。むしろ、中居のほうがおかしいぐらいだ。やはり中居は、10代からバラエティをやる覚悟があったから何をされても出演NGを出さなかったのだろう

ナイナイとの名物旅でも、時系列までは覚えてないが、豚の群れの中に放り込まれたり、体中に金粉を塗られて渋谷の交差点を走ったり、お風呂の底が抜けて、バスタオル一枚巻いて水中コースターのように滑り落ちたり、氷水の中に何度も落とされたり。

更に自らの聖域ともいえるSMAPのコンサートを岡村にジャックされて、数少ないソロ曲の、「君色想い」を歌われてしまったり、ダンスに入って来られたりと、毎回、枚挙にいとまないほど数々の酷い目に遭っている。やらせの部分もあるし、それだけの報酬も貰っているだろう。

しかし、やはりバラエティに対する強いこだわりがあり、とにかく視聴者を楽しませるためなら体を張ることをまったくいとわないというポリシーがあるのだろう。

大分、昔であるが、ナイナイとの旅の最後に、散々なことをされた挙句の果てに、土手のようなところに放置されて、「俺、今日、ビストロの収録があるのにどうしてくれるんだよ~」と力なく言う回があった。

多分、その日、ビストロの収録のゲストは高橋由伸で、日ごろから親しい彼を笑顔で迎い入れた。その時、由伸が、「中居さん、いつも何も貰えないから、よかったらこれを」と、後ろに隠し持っていたグローブを渡したとき、「何これ、今年の高橋モデル?」「はい、そうです。」「あ~、生きててよかった~」とグローブで顔を覆って座り込んだ。ナイナイとの旅を見ていた人は、中居が笑顔になれてよかったと、思ったに違いない。

 

あと、忘れてはいけないのは今年10回目迎えを迎えた『中居のスポーツ五番勝負』である。地元の親友タケや友人をバスケットやフットサルに呼んだり、少し、私物化している部分もある。去年、タケと「喧嘩している最中だから、最初からは出さない」「あれは、絶対、俺が正しい」「お前は間違ってる、俺が正しい」と言い合いをしていたが、それはそれで、素の中居が垣間見えて、ファンとしては楽しい。

大甘ハンデこそ貰っているが、オリンピック選手等の一流アスリートとの対決を、それこそ寝る暇もないのではというこの忙しい10年、ずっと真剣に続けてきた名物番組である。ソフトボール、野球、競泳、フットサル、バスケットボール、バトミントン、卓球。練習する時間などないだろうに、毎回すべての競技で、体力こそなくて、バスケットやフットサルではすぐ交代するが、まずまずのパフォーマンスを披露している。今年は、10回目で初めてフットサルで勝利して、大喜びした。卓球も上手だし、ソフトボールでも1人だけ、日本代表ピッチャーからヒットを打った。

バトミントンの元オリンピック選手の男性解説者も、去年、自分としては快心のスマッシュを中居に返されたと、中居の反射神経の良さに驚いていた。

次回は後半