6.うたばん(1996~2010

 

石橋貴明と中居のダブル司会で、歌番組の少なくなった時代の貴重な番組だった。当時は途中まではジャニーズ内の共演NGとかはなく、Ⅴ6、TOKIO、KINKIはもちろんのこと、嵐は常連中の常連だった。もちろんジャニーズだけではなく、今はなくなってしまった19とか、懐かしい人から、まさに今も活躍している人がたくさん出ていた。

中でも、嵐と中居の下克上対決は面白くて、テレビ欄に嵐の名前があると、必ず観たものだった。中居が5人に一人ずつ同じ質問をしていき、最後の大野には隣の石橋が中居が怒るような答えを耳打ちして言わせて、中居が怒って大野に飛びかかろうとするのを4人が必死に抑えて、大野は石橋の陰に隠れて涼しい顔で乱闘を見ているというお決まりのパターンだった。1回の出演でそれを3度くらい繰り返すので、中居も息が切れてしまい、「けっこう、これやると生傷が絶えないんだよ。でも、やってくれっていう要望が多いから仕方なくやってるんだよ」と、愚痴ることもあったが、人気を博していた。中居もなんだかんだと言いながらもリキが入っていて、そのためにドンキで買ってきたという水鉄砲を打って大暴れしていたが、途中で壊れてしまい、水浸しになったスタジオに、石橋が転がしたスイカがお尻の下に転がってきて、滑ってそれに座る形で乗っかってしまいひっくり返ったりと、笑い転げるようなシーンが目白押しだった。痛くて腰をさする中居に松本潤が笑いをこらえて「大丈夫ですか?」と駆け寄るシーンもあった。そんな嵐との楽しい共演があって、中居と嵐のメンバーが仲が悪いはずはない。桜井翔が、去年、嵐がずっと中居からお年玉を貰っていると明かしたことからも、よく分かる。

嵐との最後のバトルは、もちろんやらせであるが、中居が大野に、「色々ごめんね、俺も悪かった。これからは仲良くしよう」と握手するが、エンディングで、中居の誕生日ケーキのろうそくを、「せーの」で中居が吹くことになっていたが、その前に、大野が吹き消してしまい、乱闘寸前で番組が終わった。確か、嵐との共演はこれが最後だと記憶している

タッキー&翼とも、「ドミソ侍」という寸劇をして、結局中居が扉に挟まったり、階段から滑り落ちたりと、よくケガをしないと思うようなコントをしていた。それのすべては中居が体を張ってやっていたからこそ面白かった。嵐との下克上対決はユーチューブにも長い間アップされていたが、スマップ解散あたりから削除されてしまった。寂しい限りである。しかし、コントはあくまで添え物で、良質な歌番組であったことは間違いない。

 

2012年に、『うたばん』以来の歌謡番組として『火曜曲』が始まったが中居と江角のコンビがギクシャクしていて、見るほうもあまり楽しめず、やはりというか1年で終わってしまった。

しかし、2012年といえば『ATARU』もやっていたし、オリンピックもあって、中居がTBSのメインキャスター、SMAPが同局のオリンピックテーマ曲「モーメント」を歌ったりと、中居もSMAPもまさに飛ぶ鳥を落とす勢いだった。

SMAP、山下智久、HEY!SEY!JUNP,SEXY ZONE、キスマイによるジャニーズクリスマスメドレーは、人数も多かったし、歌もグループの壁を越えて多彩な組み合わせで歌い、「シェーク」で始まり、最後は「ギンギラギンにさりげなく」をSMAPを先頭に全員で歌って踊り、それが壮観で楽しかったし、忘れられない。何度か見返した。その時はSMAPがあまりにも目立っていたし、SMAP目当てで観ていたし、事務所の内情など知らなかったので何も感じなかったが、今、思えば、すでに嵐との共演はNGだった。

しかし、SMAPは圧倒的な存在感があって、5人居るだけでものすごいオーラがあり、本当に華のあるグループだったことを、今更ながら思わずにはいられない。

       次回はSMAP×SMAPについて