・自ら助くる者を…・

世の中にはクスリをやってるとしか思えないヤツが居る…
突然、訪ねてきた清水と云う青年が
以前、隣に住んでいた自殺未遂の青年だと気付くのに少し時間が掛かってしまった…
「あの時はお世話に成りました。お礼が遅れて申し訳ありません」と、
丁寧に挨拶をすると
唐突に彼是と話し始める…
仕方がないので、
部屋に通す事にした。
有無を言わせない感じが
あの女とソックリだ…
強引ながら嫌味を感じない不思議な感覚だ
部屋に入ると
青年は更に唐突に
札束の入った封筒を机に乗せて言う…
「使ってください。」
は?…以外に思い浮かばない…
この青年は何を考えて居る…
俺が困惑していると
「このお金は知人に頂いた真っ当なお金です
僕は命の恩人に貰って欲しい思ってます。
アナタが介護で大変なのは隣に住んでいた時から知ってました…
だから!貰ってください」
と言う…いやいや…
意味が解らない…
とても自殺未遂をした人間の言葉とは思えなかった…
俺が閉口してるのを見て
「人生なんとかして欲しいんです! アナタ今の自分の人生嫌いでしょ…僕に似てるんです!」
「お前の方が人生なんとかせえや!自殺未遂なんかしやがって…」
「僕はアナタに助けて貰ってキッカケだけは貰った」
「何が言いたいねん…」
「[神は自ら助くる者を助く]って言葉があります。自分でなんとかしようとするからなんとか成る道が開けるんですよ…」
「そんなん当たり前やろ!でも…今、なんとも出来んから困ってるんやろ!」
「だから!考えていきましょう!って言ってるんです!僕を助けてくれたアナタなら、まだ前を向いて行けると思います」
「俺にどうしろ!言うねん…」
青年は言葉を続けた
「今、自分を活かす力が無いんなら、誰かの為に生きる事が出来るかも知れない。」と…
確かに、そうかも知れない…
真理も逆理も同時に存在するこの世界なら全ては自分と供に在るのだろう…
考えるまでもない!
と、断ずるのは…
目を背けているだけの
最も厄介な雑念。
愛でも神でも
何でもいい…
全てが大切に成れば
自分を活かす術も
見えてくるハズだから…
ただ、今、自分には
何が出来るだろう…
考え始めている俺が居る…

(つづく)