【京橋ソバット】
1、強き者よ⑧
警官たちの一通りの質問に答えた後、
一人の私服の警官が没収されていた折れ玉を出してきて、
「コレは何や?」と、訊ねてきた。
オレは、「只のチカラ比べの後です。」と、素直さを装いながら答えた。
一瞬の沈黙の後、
警官たちは笑い出した…
私服の警官が他の警官に「お前等、もうエエぞ、後は俺に任せろ!」と言うと、
他の警官たちは、その場を去って行った…
「コレは、単なる、
通過儀礼だよ。
お前は合格だな…」
と、さっきまでの下手な関西弁から標準語に戻して男は続ける…
「千原さんから聴いてる、この総戦線に関わる者たちは色々な場所に居るんだよ!入手飛翔くん。」
混乱していた頭が、
ようやく答えらしきモノを見つけた気分だ…
男は続ける…
「監視役の綾部だ…
口が軽いヤツは、
即、失格! 日常に戻してやるまでだ。
振るいに掛けなければ、真に強き者を集める事は出来ない!
だからこそ、
俺たちみたいな監視役が居る。」
「どんだけ、規模がデカイねん…」
とオレが言うと、
綾部は、
「デカイんじゃない!
コアなだけだ!
今に解る!
城に辿り着くまでは、
順調に勝ちを重ねろ!
お前は、素質が有るかも知れない。」と、言った…
「…シロ…?
城やと?…城って何や?」
「ガッツくな!
いずれ、自分の目で確めろ!」
そう言って綾部は、
折れ玉を二枚渡して来た。
「順調に勝ちを重ねろ!か?」
「その通りだ!
もう帰って良いぞ!
入手飛翔。」
オレは、目の前の折れ玉を掴み取って
外へと出た。
連れて来られた場所は、単なる派出所だった様だ…

今夜、また、この闘いに戻ってくる事に成るだろう…

言われんでも
勝ったる…

静かに明け方の
空気が漂う中で、
オレは、
しばし日常へと帰ってゆく…
/~強き者よ⑨に続く~/