闇のオペレーション 36 | 嵐好き・まるの ブログ

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まるです。

Over50の葉担櫻葉erです。
徒然におはなしを書き、投げ込んであります。
基本は読み手。
色々なブログに顔を出しては、叫ばせていただいております。

どうぞよろしくお願いいたします^ ^


「聞こえたか?尚輝。」


「うん。ばっちりよー。」


ビジネスホテルの部屋を出るなり、
バンに乗り込み、
尚輝に電話する。


「三条さん。
あんた認めたくはないけど、
やっぱりスクープ専門のプンヤさんだけあるねぇ。
画像も、音声もばっちりじゃん。

創さんが、怒りに任せて殴ったところはうまいとこカットしてくれるんでしょ?」

尚輝も嬉しそうに三条に話しかける。



「任せとけよ。
人のインタビュー。
うまいこと、ちょんぎったり、貼り付けたりして、
こっちの意図に沿うようにアレンジするのが、
俺たちの仕事よ。

そんなの、朝飯前よ。」


「くふふ。ありがと。
三条ちゃん。

俺の創さんが、
不利になる証拠だけは残したくないのよね。」


むっとして、
勝手なことを言う尚輝を叱りつける。



「おい。
俺はいつお前のものになったんだ。」



「くふふ。照れない。
照れない。


で。
俺は医局の本郷の部屋に忍び込んで、
PC探せばいいわけね。」


尚輝が嬉しそうに話す。



「そういうことだ。
俺らは、
本郷の家に行って探しに行く。」


当たり前のように話すと、
尚輝が茶々を入れる。



「ねぇ。それって、
不法侵入っていうんじゃないの?」


「ばーか。
お前だって同じだろ?
見つかるんじゃねぇぞ。」



ずっと旧知の中だったように、
三条が尚輝に言い返す。


尚輝も、
嬉しそうに返事を返す。



「わかってるわ。
俺の方が見つかった時のリスクは大きいってね。

すぐに、
終わらせるし、
もし見つからなくても、
本郷が慌ててPCを確認するだろうから、
そっちを張るわ。

三条ちゃん。
きっと、あいつにGPSつけてんだろ?」



「おやおや。
ただのイケメン看護師長さんかと、
思ったら。

いろいろ悪いこと知ってること。


当たり前だろ。
ロープで手首縛り上げた時、
ちゃんとつけてるわ。

そっちに、
様子を教えるから、
よろしくな。」



「OK。」

俺そっちのけで、
作戦を確認した二人は、
満足そうに電話を切る。




「おいおい。
随分と仲良くなったもんだな。」


三条を睨みつけると、



「それは嫉妬ですか?
唐沢先生?」



三条がいつもの食えない笑顔で笑い返す。




「んなわけないだろ。
急に仲良くなったから、
どうしたんだろとおもったんだよ。」


冷たく言い返すと、
三条が饒舌に話し出す。



「どうも、
ナースの笠井くんと、
俺の獲物が一緒のような気がするんでね。


背後にいる巨大な悪をぶっ潰したいっていう心からの野望。


それにね。
唐沢さん。
あんたを見ると、
なんか守ってあげなきゃと思っちゃうんですよ。

自分は孤高の一匹狼気取ってんのに、
実は優しくて、
全ての病めるものに適切な医療を、
なんて浪漫抱えちゃってるお医者さん。

そんな不器用なやつ、
守ってやりたいって思っちゃうのは当たり前でしょ。


だから、
唐沢さん。

これはあんたの敵討ちじゃない。

俺たちの壮大なオペレーションだ。

あいつらにしっかりとやり返して、
正義は勝つことを見せてやりましょ。」


三条はハンドルを握り、
信号を見上げて不敵に笑った。



⭐︎つづく⭐︎