うちのごはん 〜麦秋至〜 | 嵐好き・まるの ブログ

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まるです。

Over50の葉担櫻葉erです。
徒然におはなしを書き、投げ込んであります。
基本は読み手。
色々なブログに顔を出しては、叫ばせていただいております。

どうぞよろしくお願いいたします^ ^


今日は七十二侯の、
麦秋至(むぎのときいたる)。

麦嵐(むぎあらし)と呼ばれる
さわやかな夏風が、
金色に実った麦の穂をさわやかに揺らす。

枇杷の木は、
厚ぼったく青緑の葉っぱの上に、
オレンジ色の枇杷の実をたわわに揺らし、
そして、
桜桃(さくらんぼ)もゆっくりと赤くなる。


俺の桜桃も、
可愛らしく熟れて、
俺の帰りを待っててくれるかな?


翔ちゃんの顔を思えば、
帰路を急ぐ足がどんどん速くなる。







軽く残業も入って、
時計を見ると七時。

空も暗くなり始めた。


ついこないだまでだったら、
真っ暗だったのに、
向こうの遠い空は青くてぽっかりと白い雲が浮かんでて。


こっちの空は、
藍に染まる。



うーん。

この蒸し暑さといい、
麦秋といい、

ビールの季節。


うん。
今日は翔ちゃんとビールを飲もうっ。




途中の酒屋で、
エールやらピルスナーやら、
ラガー、スタウト
いろんな種類を買い込んでいく。


食事は、
飲みながら、
つくろうか。

適当にエコバッグに、
食料を詰め込んで、

ノープランのまま、
うちにつく。




「ただいま。」


気合を入れてドアを開ければ
頭をタオルで拭き拭きして出てくる
ほかほかな風呂上がりの翔ちゃん。


くふふ。


一番のおかずが、ここにいる。

でもね。
俺は、
一番美味しいものは後に残しておく主義なのだ。

あまぁく、
美味しくしてから、
一気に食わせてもらうぜ。



「翔ちゃんっ。
今日は飲もっ。

席についてくれる?」


「ん?うん。」



素直な翔ちゃんは、
俺の勢いに負けて席に着く。



ぷしゅ。


まずは軽いピルスナーといきますか。

「かんぱーい!」

二人でかちんと缶をあわすと、
たこ焼き器を引っ張り出して、
机の前に置く。


どぼどぼと、入れたのはオリーブオイル。

なんでも、
アヒージョの始まりだ。


まずは、
タコ。

そして、
ニンニク。

缶詰のアンチョビ。サバ。

その辺のクラッカーと一緒に適当につまんでいく。

その隙に、
叩いたきゅうりを塩昆布と胡麻油で和えたもの。

刻んだ油揚げを、
フライパンで軽く炙って、
青ネギにおかかを乗せて、
醤油をかけたもの。

ちょいとだせば、
どんどん居酒屋風になっていく。


その間にもたこ焼き器のアヒージョは、
えび。
ベーコン。
ブロッコリー、ミニトマト。
と、
つまみを大量に生産していく。


はぁぁ。


気がつくと、
テーブルの上はほとんど空の缶。


そろそろシメですかね。



「翔ちゃん。
まだ食べられる?」



「うーん。ちょっと炭水化物欲しいかも。」


「じゃ、禁断のシメのパスタ。
行きますか!」



「あぁ。太るって知ってるんだけどなぁ。

このニンニクの匂いが、もう誘ってるんだけどぉ。」


翔ちゃんが、
恨めしそうにアヒージョのオリーブオイルを睨む。



「くふふ。
じゃ、一緒に食べますか。」


たこ焼き器を外して、
味の染み込んだ美味しいオリーブオイルを、
フライパンに移す。


あとは、
スライスしたニンニクと、
輪切りにした鷹の爪を熱している間に、


隣のコンロで湯を沸かす。


ホールトマトの缶詰をオリーブオイルに投入して、
みりん、お好み焼きソース、顆粒コンソメ、黒胡椒で味をつけて、
煮詰めている間に、パスタを茹でる。


時間通り茹で上がったパスタを一気にフライパンに投入して、
フライパンを振って全てをあえれば、
極上トマトパスタの出来上がりだ。



「どうぞー。
お好みで、タバスコとか、粉チーズかけてねー。
でも、
これだけでも暴力的に美味しいけど。」




ばく。


一口食べた翔ちゃんの手が止まらない。



「ああ。
これ、なんだ?

この美味しさとまらないじゃないか。

夜の炭水化物は太るから、
一口で止めようと思ったのにぃ。」



「くふふ。
当たり前じゃん。
アヒージョの全部の具の美味しさが、
このオリーブオイルに、
つまってるんだもん。

具なんかなくても、
最高よ。

それにね。
翔ちゃん。


これから、今度は極上の運動。
させてあげるから。

そんなカロリーなんてすぐに消費しちゃうよ。」


パスタを食べながらも、
可愛い翔ちゃんに微笑みかけると、


翔ちゃんの顔が、
トマトパスタの色のように、
真っ赤に染まった。




⭐︎つづく⭐︎








麦秋至。


麦秋です。

秋って言うけど、
今の季節のことなのよん。

ビール。
ビール。
ビールの美味しい季節が
やってきました!


生ビール飲みたいっ!



いまは、
時節柄、
ビアガーデンも、
飲み放題も、
ビール工場の生ビールも
いけないけど。



家飲みで我慢しましょ。

美味しい酒のアテと、
美味しいビールと
美味しい恋人。

最高の夜を♡




 残業後の
電車の中での
書き下ろしです。

わたしも、
多分今日のご飯は、
ビールと酒のアテだな(笑)