Lucky ⭐︎ Man 34 | 嵐好き・まるの ブログ

嵐好き・まるの ブログ

まるです。

Over50の葉担櫻葉erです。
徒然におはなしを書き、投げ込んであります。
基本は読み手。
色々なブログに顔を出しては、叫ばせていただいております。

どうぞよろしくお願いいたします^ ^


「では、第三問。」

じゃ、じゃん。
流れるジングルが、俺をまた焦らせる。

答えられない。
わかってるのに、
押してるのに押し負けてるんだ。


どうしよう。

焦りばかりが募る中、
問読みの人の流暢な声が聞こえる。




「五臓六腑にしみわたる。
この五臓。肝臓、心臓…」



ばし。

ボタンを押せども、ランプはつかない。


司会者がまた、そいつの名前を呼ぶ。




「はい。K大の阿部さん。」





「はい。肺っ!」


まるで駄洒落のように答えた答えは、

「正解です。」

司会者の微笑とともに、
周りから拍手が起こる。



わかってた。
俺だって。

五臓六腑の五臓は、
心臓、腎臓、脾臓、肝臓と肺だ。

この問題が出たら、
臓がつかない 「肺」って答えなきゃいけないんだ。

頭でわかってるのに、
ボタンを押すのが遅れる。


やっぱり、
付け焼き刃の知識だと、
反射的には押せないんだ。


隣の答えた人をちらっと見る。

阿部さん。
背の高いイケメンだ。

頭も良さそうで.
K大だけど、
翔さんのとこのクイズ研究会の人じゃない。


「いいぞー。阿部ちゃんっ。」

向こうのほうで、
応援して手を振ってる人がいる。


あれ?
あの人?
もしかして?


眉の濃い腕組みしたイケメン。
もしかしたら、
あの人かも。


うう。
俺。

このまま地蔵で終わるのかな。


じりじり、焦って、
心臓がどきどきして、
痛くなってくる。


そんな時。


「雅紀。落ち着けっ!」


俺の大好きな人が、
俺を呼んでくれる声がした。



⭐︎つづく⭐︎