ナナマルサンバツ。
漫画にもなった。
7回正解したものが勝者で、
3回間違えると失格になるという早押しクイズのことだ。
クイズにもいろいろ種類がある。
◯✖️クイズ。
ボードクイズ。
一問多答クイズ。
その中でも、
速さと知識と閃きを競う早押しクイズほど、
シンプルかつ奥深いものはない。
ふぅ。
大きく息を吸い込んで、
赤いキノコ型のボタンに手を置く。
クイズは、
見ている方には、
ただの知ってる知ってないの知識量を問うものに見えるかもしれないが、
実はその中に駆け引きがある。
特にこの
ナナマルサンバツについては、
いつボタンを押すか。
長文クイズなのか、短文クイズなのか。
確定ポイントはどこなのか。
相手の出題の意図が読めない以上、
ダイブのように、
ハッタリをかけてのチャレンジを、
失格になるまでの二回のうち、
どこで押すか。
勝負をどこでかけるか。
わかったから、
ボタンを押す。
それでは、
間に合わないのだ。
翔さん。
ううん。
K大のクイズ研究会代表の櫻井翔さんに
教えてもらったことを、
ゆっくりと思いだす。
「では、第一問。」
じゃ、じゃんっ。
問読みの人の声の後に、
ジングルが流れる。
俺は、
息を止めて、
どんなクイズが流れるのかを待った。
⭐︎つづく⭐︎