ふぁぁん。
はじめてのキスはあまくてふわふわしてて。
唇と唇を合わせただけなのに、
どきどきして、
はふはふしちゃう。
ふわぁ。
ゆっくりと離される唇がつまんなくて、
物足りなくてねだるように、
翔ちゃんを見ると、
「ばか。
そんな目して煽るな。」
真っ赤になって目を逸らされる。
「煽ってないもん。
キスしてきたのは、
翔ちゃんだし。」
翔ちゃんに文句を言うと、
「その上目遣いの顔自体がもうだめなんだって。
俺のこと好きなのが溢れてる。」
「そんなことないもん。」
文句を言ったつもりなのに。
「ああ。
もうっ。
俺がダメなんだよ。
お前が可愛くてキスしたくなっちゃうんだよ。
じゃ、最後にもう一回キスして。
それで。
みんなに報告に行くぞ。」
「うん。」
俺がまた目を閉じると。
ふわぁり。
気持ちいい唇が俺の唇に乗って、
翔ちゃんがぎゅうっと
おれの気持ちよさを体の中に閉じ込めるみたいに、抱きしめてくれた。
⭐︎つづく⭐︎