ふぅ。
浴場の近くの、
帳場の前のみんなが集まるソファに、
鼻血を止めるため、
寝っ転がる俺。
「翔ちゃん、大丈夫?」
心配する雅紀は、
一緒に裸のまま俺の看病をしようとするから、
湯冷めするからと、
とにかく
まずは湯船につけて、
俺だけ風呂から出てのぼせを冷ます。
「おおっ。
やられたねぇ。」
仰向けに寝っ転がってる俺の目の前に、
大野さんの顔。
ひょこ。
その隣に、ニノの顔も並ぶ。
「あの、天然。
いきなり一緒に風呂に入ってきたんだろ。」
ぎょろ。
その上から睨みつけるような
潤の顔。
「おまえ。
まぁの裸みて、鼻血出したな。」
「ち、違うっ。
違いますっ。」
ひとまず否定したけど、
うーん。
当たらずとも遠からず。
抱きつかれて、
背中の痣を思わずなぞって、
はふんっていう喘ぎ声に
まいったなんて、
絶対言えやしない。
「ほんと、うちのマスター。
すっごいだろ?
襲うんじゃねぇぞ。」
潤に、
釘を刺されてると、
髪の毛をタオルで拭きながら、
雅紀が走り寄ってくる。
「翔ちゃん?
大丈夫だった?
鼻血止まった?」
か、可愛いけど、
ここではそんなことはここで顔に出したら、
多分みんなに馬鹿にされる。
「あ、雅紀。
大丈夫。
もう部屋に行って寝るからさ。」
言った瞬間に、
「雅紀?」
「雅紀って言った!」
「雅紀って呼ぶのかお前っ。」
3人が口々に叫び、
「雅紀だって。」
雅紀が両頬に手を当てて、
ぽうっと赤くなった。
⭐︎つづく⭐︎