こんにちは、RSsansaiです!

 

今回は名古屋のお客様からご依頼いただいた、かなりヘビーな修理案件をご紹介します。 車両はトヨタ 86 「エンジンから異音がして止まってしまった」とのことで、原因究明と修理をお任せいただきました。

走行距離は3万キロでサーキット走行も頻繁に行っている車両とのことです。

 

このオーナー様、なんと約30年前の学生時代にAE86の整備をご依頼いただいていたお客様なんです。

あの頃の86から、令和の86へ。時代もクルマも変わって、それでもまたこうして頼りにしてもらえる——正直、作業着着たままちょっとしみじみしてしまいました笑。

クルマの仕事をしていて本当によかったと思える瞬間のひとつです。

 

 

話がそれましたが、さっそくリフトに上げて作業していきましょう!

下側からエンジンを目視で点検したところ、タペットカバーに大きな穴を確認しました。

エンジンを降ろして確認していきます。

大きな穴があいてますね・・・

 

■分解して判明した原因①|ロッカーアーム脱落

 

ヘッドを開けると原因が判明しました。

ロッカーアームが脱落し、カムシャフトにもたくさんのキズがついています。

ロッカーアームはピボットの上に乗っているだけの構造で、バルブスプリングのテンションで保持されています。そのスプリングが弱ったり、油圧が低下してピボットが正常な位置を保てなくなり脱落、カムシャフトに巻き込まれながらタペットカバーを突き破りエンジン外へ放出されたと思われます。

 

■分解して判明した原因② コンロッド焼き付き・メタル流れ

 

最初にオイルパン内を調べると金属片がちらばっていて、ストレイナー内もゴミだらけといった状態・・・

さらにエンジンを分解していくとコンロッドの焼き付きと、メタルの溶解が確認されました。

焼き付きのひどい2番のコンロッドメタルは2枚が完全に合体していまっています。

クランクのメタルもこの有様です。

メタルはエンジン内部でクランクシャフトとコンロッドの間に入る薄い金属部品で、油膜によって保護されています。これが溶けているということはエンジン内部の油圧・油膜が失われていたことを意味します。

 

■なぜこうなったのか

 

FA20はサーキット走行で油圧が下がりやすい構造的な弱点を抱えています。

FA20は激しいコーナリングや加減速でオイルパン内でオイルが左右どちらかに偏りやすくオイルストレーナーが空吸いを起こして油圧が低下しエンジンブローが起こりやすくなっています。また、高回転を長時間維持すれば油温上昇による粘度低下も起きます。ハイグリップタイヤでGが高くなるほど、この傾向は顕著です。

 

今回のような損傷パターンは、以下の連鎖で起きたと考えられます。

油圧低下 → 油膜切れ → ロッカーアーム脱落・コンロッドメタル溶解 → エンジンブロー

 

走行距離3万キロでも、サーキット走行が多ければエンジンへの負荷は街乗り数万キロ分では到底きかない——今回はまさにそのケースでした。

 

このあとは、今回の実態をオーナー様に伝え修理の方向性や対策について決めていきます。

どこをどう直したのか、また修理後の仕上がりについては次回の記事でご紹介したいと思います。

 

もし気になることや、ご自身の86・BRZで不安な点があればお気軽にRSsansaiまでご相談ください!