皆さんは「情けは人の為ならず」という言葉を知っていますでしょうか?

少なからず聞いたことはあると思いますがこれを間違った意味で覚えていませんか?


情けをかけてしまってはその人の為にならない、という意味なのか
それとも人に情けをかけておけば巡り巡って自分に返ってくるという意味なのか。

答えは後者です。


先日友人と話していたのですがその友人は前者だと答えていました。「ためならず」の部分が誤解を生み「ためにならない」というような意味で変換されて世間に広がってしまっているのです。


そもそもこれは「情けは人の為「に」ならず」と覚えてしまっている人が多いことが誤用の原因であると言えるでしょう。
ですが、この誤用が間違っている、と否定したい訳ではなくまぁまぁにいい誤用だと思います。


確かに同情で親切にしても本人のためにならないことは確かですし、甘えた根性をビシッと叩き直してあげることも必要だと思うのです。

ですが、そのような共感性があるからこそ、これ程までに誤用が拡がってしまったのでしょう……


一方で本来の意味(親切な行いをするのは結局人のためではなく自分の為)の方はとても利己主義的な発想に聞こえてきます。
人に親切にする時くらい見返りなんて忘れて助けたい。そんな人は少なく、いつかは自分のためになるんだと思って親切にしているのかもしれません。
そう考えてみると随分と何処かいやらしい発想になってしまいそうですね。

世間に受け入れられ誤用の方が広まっていくあたりこういったことわざの意味というのは誤用の方が普及していきやすいのかもしれません。こういった部分から古典から現代文のような言葉の違いが生まれ始めているのかもしれませんね。


物事をひとつの言葉で、ひとつの意味だけで片付けてしまうのではなく多くの視点から多くの観点を見つけ考えていくのも面白いものです。




サワタリ(1月19日)