こどもの頃、雑木林の近くなどで、ときどきまるでタマムシのような綺麗な色をした昆虫を見かけました。
その虫は、私が道を歩いていると、なぜか私の前を少しずつ飛び、飛んでは止まるという動作を繰り返すのです。それほど遠くへは行かず、時々止まっては、辺りの様子を窺っているようにも見えました。どうしてその虫は、私の行先を知っているのかと考えたものでした。
後になって、その虫はハンミョウという甲虫であり、「道案内」や「道しるべ」などとも呼ばれている虫であったことが分かりました。漢字では「斑猫」と書かれ、英名ではタイガービートルなどとも呼ばれているとのことでした。
初めて会った虫に道案内をされた不思議な経験は、いまでも時々思い出すことがあります。
