【名の大事 番外編 #024】

『名の大事』から言えばただ神仏の名を口にするだけでも御利益があります。

典などに記載されてるものもあり、
五秘密菩薩の関係ですと、『秘密三昧大教王経』には金剛薩埵の宝號を誦す事で一切諸仏を供養するのと等しい功徳が得られるとあります。

『南無(なむ)金剛薩埵菩薩(こんごうさったぼさつ)』

他に有名どころでいえば『十言神咒(とことのかじり)』でしょうか。

わたしはアマテラス“オホ顔”ミカミは好きではありません。
ので、オオナムチノミコトで九言神咒としときましょう。

……まぁ、私なんてもんは本来宗教なんぞとは関わってはいけないような信仰心のカケラもない与太郎でして……

私の趣味嗜好が落語や浅草ロック座、歌舞伎等の日本の古典芸能なのですが……、こんなこと云うと方方から怒られそうですが、
私にとってはその枠に神社仏閣がありまして、護摩祈祷を坊さんライヴ、神楽は巫女巫女DANCE、授かりました札はチケットの半券、なぞと申しまして……

さて、
まぁ、そんな与太話はおいときまして、

噺家には階位や僧位を持った師匠がたが数多くいらっしゃいます。寧ろ持ってない方を探す方が大変なぐらいです。

其の理由としては、落語の起源にございます。

落語の起源はあまりにも古く、カポエィラ同様に文献が既に残されてなかった為絶対にこれだと云うのが存在致しません。

しかしながらカポエィラのようにいくつかの説があり、有力な説の1つに神道の教話や仏教の法話からきているという説がございます、故に噺家は階位僧位を持つ方が多いのです。

また、噺家の内でしか伝授されない法や噺家だけの神社仏閣との繋がり、噺家だけに伝わってる秘密がございます。

真打になる前に噺家をやめると、得度だけしてる噺家でも僧侶でもない、でも知識だけはある、寧ろそこらの行者よりいろいろとできる、噺家内だけ(伝統芸能だけ?)の“もの”もわかってますしね。そのような方をよくよくSNS等でみかけます。けっっっっこう多いです。

それにともない、それはロイなんだけどなぁ、ってなことも多々見受けられます。

わたしとしましては、噺家や行者以外は『名』『壽歌壽噺』だけでよろしいかと思います。

咒として唱えていきたいなら『おん ぼろん』だけでよろしいかと思います。

軽い密教ヲタクになりますと、そこには佛眼佛母が必要だよ、とか、いやいや光明真言百万だよ、とか、まぁいろいろとあるのでしょうけど何も考えず『おん ぼろん』だけでよろしいかと。

よくよく調べないと見つかりもしないマニアックな真言やとてつもなく長い陀羅尼、勿論行者や噺家が使うと功徳がありますが、本物は軽く一息で発せる真言です。今際の際にも発することができる一言が本物です。

例えば宝篋印法でも宝篋印陀羅尼なんて使いません。所謂中咒を何度も使います。……中咒でも長いですから例えに使うのは違うか(笑)
でも、宝篋印法では基本中咒です。カポエィラの基本はジンガです。
尚、宝篋印陀羅尼の小咒は『おん ぼろん』です。
尊勝陀羅尼の小咒も熾盛光仏頂も●●一字も『おん ぼろん』

伝授されるような真言もよくよく知られてる真言に、短い句や功徳を回向させる対象の名前を加句する真言がほとんどです。……例外ももろちんボロンとありますが。
尚、尊勝陀羅尼のようにもともと名前(功徳を回向する対象の)が入る真言陀羅尼、これ強力です。

また、どこぞのカルト宗教がお題目と称し某経典の名を唱えるのを主としてるので忌避されがちですし、わたし自身も忌避してますが、
『名の大事』から云えば名を唱えたりする事は確かにこれ一番であり、典の名も例外ではありません。

まぁ、しかしながら、『名の大事』の中に『呼の大事』や『回向の大事』というのもありまして……
それらから見ると、どんなに素晴らしい名であっても呼ぶ者があやしい奴ならそれはおかしくなる、と云うのがありまして……
昔は確かに素晴らしかったのでしょう、でも、今は……うーん

さて、そんなおかしくなった某経典でも中に真言がありまして、一徧唱えると法華経二十八巻全てを唱えたことになる『法華肝心真言』と云うのがあります。

『なまく さまんだ ぼだなん おん あ あー あん あく (あーんく) さるば ぼだ きのう さきしゅびや ぎゃぎゃな ばば あらきしゃに さつりだるま ふんだりきゃ そたらん じゃく うん ばん こく ばさら あらきしゃまん うん そわか』



本当に誰でもできて本気で開運したければ、自分のフルネームのあとに『福聚海無量(ふくじゅかいむりょう)』と付け加え3回唱えるといい。

もろちんボロン、3回以上唱えるならさらに良い。

自分じゃなく開運させたい人の名前でもいい。

『○○○○福聚海無量、○○○○福聚海無量、○○○○福聚海無量』



南無金剛薩埵菩薩
南無さだるまふんだりきゃそたらん
おん ぼろん

合掌












あっ!でも献身な信者の方々はむっとするかもしれませんが古典芸能を愉しむ感覚で護摩祈祷を受けるのもありだと思いますよ。私個人は。



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【五吉原秘密菩薩 口上之儀】

※「常の如し。」はいつも通りの意味なれど、人、時、空、出来事、によりその都度適宜に。
※< >内は祭事、等、特別な、人、時、空、出来事、で行じる。普段の口上之儀では行じない。
※「(某)」には、廻向する対象の、人、時、空、出来事、の名を挿入する。複数の場合は複数名挿入してよい。



●法螺囃子



●先、禮拜

※常の如し。



●次、秡

◆祓神語 三徧
内外清浄(ないげしょうじょう)。六根清浄(ろっこんしょうじょう)。 鿆給清給(はらひたまひきよめたまふ)。



<●次、表白拝詞前口上>

※常の如し。



●次、典

<◆妙法蓮華經如來壽量品第十六>

<◆妙法蓮華經如來神力品第ニ十一>

<◆妙法蓮華經觀世音菩薩普門品第ニ十五>

◆摩訶般若波羅蜜多心經
摩訶般若波羅蜜多心經
觀自在菩薩。行深般若波羅蜜多時。照見五蘊皆空。度一切苦厄。舎利子。色不異空。空不異色。色卽是空。空卽是色。受想行識。亦復如是。舎利子。是諸法空相。不生不滅。不垢不淨。不增不減。是故空中無色。無受想行識。無眼耳鼻舌身意。無色声聲香味觸法。無眼界。乃至無意識界。無無明。亦無無明盡。乃至無老死亦無老死盡。無苦集滅道。無智亦無得。以無所得故。菩提薩埵。依般若波羅蜜多故。心無罣礙。無罣礙故。無有恐怖。遠離一切顚倒夢想。究竟涅槃。三世諸佛。依般若波羅蜜多故。得阿耨多羅三藐三菩提。故知般若波羅蜜多。是大神咒。是大明咒。是無上咒。是無等等咒。能除一切苦。眞實不虛。故説般若波羅蜜多咒。卽説咒曰。
羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提 薩婆訶
般若心經
(
まかはんにゃはらみったしんぎょう
かんじざいぼさつ。
ぎょうじんはんにゃはらみったじ。
しょうけんごうんかいくう。
どいっさいくやく。
しゃりし。
しきふいくう。
くうふいしき。
しきそくぜくう。
くうそくぜしき。
じゅそうぎょうしき。
やくぶにょぜ。
しゃりし。
ぜしょほうくうそう。
ふしょうふめつ。
ふくふじょう。
ふぞうふげん。
ぜこくうちゅうむしき。
むじゅそうぎょうしき。
むげんにびぜっしんに。
むしきしょうこうみそくほう。
むげんかい。
ないしむいしきかい。
むむみょう。
やくむむみょうじん。
ないしむろうしやくむろうしじん。
むくしゅうめつどう。
むちやくむとく。
いむしょとくこ。
ぼだいさった。
えはんにゃはらみったこ。
しんむけいげ。
むけいげこ。
むうくふ。
おんりいっさいてんどうむそう。
くきょうねはん。
さんぜしょぶつ。
えはんにゃはらみったこ。
とくあのくたらさんみゃくさんぼだい。
こちはんにゃはらみった。
ぜだいじんしゅ。
ぜだいみょうしゅ。
ぜむじょうしゅ。
ぜむとうどうしゅ。
のうじょいっさいく。
しんじつふこ。
こせつはんにゃはらみったしゅ。
そくせつしゅわつ。
ぎゃてい ぎゃてい はらぎゃてい はらそうぎゃてい ぼうじ そわか
はんにゃしんぎょう
)



●次、咒

◆根本明王咒 三徧
なも ばぎゃばてい うしゅにしゃ 唵 ろろ そぼろ じんばら ちしゅた しっだ ろしゃに さるば あらた さだにえい そわか

◆日月胎金理智咒 三徧
唵 阿 び ら 吽 けん 阿 あー あん あく あーんく ばん 吽 たらく きりく あく ばさら だと ばん



<◆淫姫星魔羅咒 徧数随意>
※ロイ

◆五秘密菩薩咒(理趣経十七段総咒) 七徧・廿一徧・一魔羅徧(※単位:1マラ=108)
唵 摩訶 そきゃ ばさら さとば じゃく 吽 ばん こく そらた さとばん

<◆本覚咒 徧数随意>
男:不動尊像隠形法(胎蔵界立修法)
唵 きゃら かん まん
(なまく さるば たたぎゃてい びや さるば もけい びや さるば たたらた せんだ まかろしゃな けん ぎゃき ぎゃき さるば びきなん 吽 たらた かん まん)
女:愛染尊像隠形法(金剛界立修法)
なまく さまんだ らが きゃん あん そわか
(唵 吽 だ き 吽 ざ 吽 しっち そわか)

<◆鎮護天女拾貮咒 徧数随意>
唵 だきに ぎゃち ぎゃか“ねい”“えい” そわか

<◆だいこく咒 徧数随意>
唵 摩訶 きゃらや そわか

<◆金剛蔵王大権現咒 徧数随意>
唵 ばさら くしゃ あらんじゃ 吽 そわか



◆ぼろん咒 三徧
唵 ぼろん

◆佛眼咒 三徧
唵 ぼだ ろしゃに そわか



●次、光明真言 三徧
唵 あぼきゃ べいろしゃなう まかぼだら まに はんどま じんばら はらばりたや 吽

<●次、随求陀羅尼>
唵 ばら ばら さんばら さんばら いんだりや びしゅだり 吽 吽 ろろ しゃれい そわか



●次、壽歌壽噺

※常の如し。

なにわづに(難波津に)
さくやこのはな(咲くやこの花)
ふゆごもり(冬ごもり)
いまをはるべと(今は春べと)
さくやこのはな(咲くやこの花)

ひとふたみ(壱弐参)
よいつむななや(肆伍陸漆捌)
ここのたり(玖拾)
ひふみゆらゆら(壱弐参由良由良)
ふるへゆらゆら(布瑠部由良由良)

ふかきとが(ふかきとが)
いまよりのちは(いまよりのちは)
よもあらじ(よもあらじ)
つみあさくさに(つみ浅草に)
まいるみなれば(まいる身なれば)

等、適宜に。



●次、名

※常の如し。

大己貴命(おおなむちのみこと)、
浅草観音(あさくさかんのん)、
鎮護大使者(ちんごだいししゃ)、
新吉原五社稲荷(しんよしわらごしゃいなり)
東方金剛慾菩薩(とうほうこんごうよくぼさつ)、
南方金剛触菩薩(なんぽうこんごうそくぼさつ)、
西方金剛愛菩薩(さいほうこんごうあいぼさつ)、
北方金剛慢菩薩(ほっぽうこんごうまんぼさつ)、
中央金剛王菩薩(ちゅうおうこんごうおうぼさつ)、

等、適宜に。



●次、廻向段

◆佛頂尊勝陀羅尼
なも ばぎゃばてい たれいろきゃ はらちびししゅたや ぼだや ばぎゃばてい たにゃた おん びしゅだや びしゅだや さま さま さまんたばばさ そはらだ ぎゃち ぎゃかな そばはば びしゅでい あびしんじゃと まん そぎゃた ばら ばしゃな あみりたあびせいけい まか まんだら はだい あから あから あゆ さんだらに しゅだや しゅだや ぎゃぎゃな びしゅでい うしゅにしゃ びじゃや びしゅでい さかさら あらしめい さんそじてい さるば たたあぎゃたあばろきゃに しゃたはらみたあ はりふらに さるば たたあぎゃた きりたやあじしゅたなあじしゅちた まか ぼだれい ばさら きゃや そうかたな びしゅでい さるばあばらだ ばや どらぎゃち はりびしゅでい はらちにばりたや あゆく しゅでい さまやあじしゅちてい まに まに まか まに たたたあ ぼた こうち はりしゅでい びそほたあ ぼうじ しゅでい じゃや じゃや びじゃや びじゃや さまら さまら さるば ぼだあじしゅちた しゅでい ばしり ばさら げるべい ばさらん ばばと まま (某) しゃりらん さるば さたばなん しゃ きゃや はりびしゅでい さるば ぎゃち はりしゅでい さるば たたあぎゃたあ ししゃめい さまあしばあさ えんと さるば たたあぎゃた さましばさあ じしゅちてい ぼっじゃ ぼっじゃ びぼっじゃ びぼっじゃ ぼうだや ぼうだや びぼうだや びぼうだや さまんた はりしゅでい さるば たたあぎゃた きりだやあ じしゅたなあじしゅちた まか ぼだれい そわか

◆一切如来心秘密全身舎利寶篋印陀羅尼
なましちりゃ じびきゃなん さるば たたあぎゃたなん おん ぼび はばだ ばり ばしゃり ばしゃたい そろ そろ だら だら さるば たたあぎゃた だと だり はどまん はばち じゃや ばり ぼだり さんまら たたあぎゃた だるま しゃきゃら はらばりたな ばしり ぼうじ まんだりょうぎゃらりょうぎりてい さるば たたあぎゃたあ じしゅちてい ぼうだや ぼうだや ぼうじ ぼうじ ぼっじゃ ぼっじゃ さんぼうだに さんぼうだや しゃら しゃら しゃらんど さるばあばらだに さるば はんば びぎゃてい ころ ころ さるば しゅきゃ びぎゃてい さるば たたあぎゃた きりだや ばさらに さんばら さんばら さるば たたあぎゃた ぐきゃ だあらじ ぼじり ぼてい そぼでい さるば たたあぎゃたあ じしゅちた だと げるべい そわか さまやあじしゅちてい そわか さるば たたあぎゃた きりだや だと ぼだり そわか そはらちしゅちた そとべい たたあぎゃたあ じしゅちてい ころ ころ うん うん そわか おん さるばたたあぎゃた うしゅにしゃ だと ぼだらに さるば たたあぎゃたん さだと びぼしたあ じしゅちてい うん うん そわか

◆千手千眼觀世音菩薩廣大圓滿無礙大悲心陀羅尼
なも あらたんなたらやあや なも ありゃあばろきていしんばらや ぼうじさたばや まかさたばや まかきゃろにきゃや おん さるば らばえい しゅたんなたしゃ なもしきりたば いもう ありゃあばろうきていしばら りょうだば なもならきんじ けいり まか ばたしゃめい さるば あたずしゅぼう あぜいよう さるば さたな まばぎゃ まばどず たにゃた おん あばろけい ろきゃてい きゃらてい いけいり まか ぼうじさたば さるば さるば まら まら まけい まけいり だよう くろ くろ きゃらぼう どろ どろ ばじゃやてい まかばじゃやてい だら だら じりに しんばらや しゃら しゃら まま (某) ばっまら ぼくていれい いけい いけい しっだ しっだ あらさん はらしゃり ばしゃばさん はらしゃや ころ ころ まら ころ ころ けいり さら さら しっり しっり そろ そろ ぼうじや ぼうじや ぼうだや ぼうだや みていりや ならきんじ だりしにな はやまな そわか しっだや そわか まかしっだや そわか しっだゆげいしんばらや そわか ならきんじ そわか まらなら そわか しっらそうかぼきゃや そわか しゃば まか かしったや そわか しゃきゃらかしったや そわか はんだま かしったや そわか なら きんじ ばぎゃらや そわか まばり しょうぎゃらや そわか なも あらたんなたらやあや なも ありゃあばろきていしばらや そわか しっでんと まんだら はだや そわか



●次、總廻向文詞後口上

(上句)

○○○○(※送出)、恐(かしこ)み恐(かしこ)みも白(まお)さく。功徳(くどく)を○○○○(※受入)(の(※別に願意や供養と挿入する場合は此処に挿入)の為)に廻向(えこう)し、守給(まもりたまえ)幸給(さきはえたまえ)。と、恐(かしこ)み恐(かしこ)みも白(まお)す。

(並びに、○○○○、恐み恐みも白さく。功徳を○○○○に廻向し、守給幸給。と、恐み恐みも白す。)

(下句)



●次、禮拜

※前の如し。



●法螺囃子