昨年あたりからアナログ・レコード人気が再燃のきざしとよく耳にする。「エッ!ほんとかな。一過性の気の迷いでは」と思っていたら、足繁く通う中古レコード店で、しばしば奇異な光景をを目にするようになった。それがアナログ盤人気を反映したものかは言いがたいが、とにかく若者から年配者、外国人とさまざまな洋楽好きの面々が、両手にかかえきれないほどの数のレ

コードを買い漁る姿を見る。

 

その枚数たるや平積み状態で異様、同好のアナログ盤ファンとしてはどんなものを選んでいるのか気になるので、彼らが購入しょうとしているレコードをさりげなくチラ見して、納得したり、へぇーと思ったりである。なんたって異常な枚数だから、余計な御世話ながら、それ全部聞けるのかと思ったり、なんだね。

 

枚数はともかく、欲しいレコード探しは盤やジャケットの状態と価格が購入の決め手になる。もちろんここでいうレコードは中古のアナログ盤である。ジャケットが白くすれていたり、ステッカーやテープが貼られ、書き込みがあるものはパスしたい。またジャケットの角や深い切り込み傷のあるカット・アウト盤も遠慮したいというのが基本的なレコードの選択条件だ。

 

それともうひとつ、覚えておいて損はないのが中古レコードの価格。アメリカで発行されているプライス・ガイドの価格が目安によい。このプライス・ガイド本は中古レコードの売買が最も盛んな市場のアメリカで発刊されたもので、あちらでは業者とユーザー双方の信頼度が高い。日本国内では店独自で値付けされ、プライス・ガイドも、ユーザーが判断材料にするものがない。

ゆえにお得な買い物をすることもあれば、法外な値段を目にするばあいもありで、手が出ないという経験をしたユーザーもいるはず。だからとくにレアな盤を探す人は、高い、安い、だけでなく、日本国内のレコード店の中古盤価格表示を自己判断する物差しとして利用することをすすめる。

さらに日本盤シングル、あるいはアルバムなら、一部の個人的な例外を除きいくらまでなら納得して購入できるかの目安を決めておくことも必要だ。

高値で買って嬉しさ半分、後悔半分の同好の友人達を随分見てきた。後ろ髪をひかれるが、またの出会いを気長に信じて、その場はパスする決断力も大切である。

(つづく)