私はとあるアイドルに一目惚れをした。
それは上村莉菜という地下アイドルだ。
関「上村さん!好きです!!」
上村「ありがとー!私もだよ?」
叶わぬ恋だと知っている。
でも諦められないから私は想いを伝え続ける。
今日は個別で数分話せるトーク会があった。
スタッフさんは部屋の外にいるため部屋には私と上村さんの二人きり。私以外の人とこうやってお話してて危なくないのかなって思うけど、アイドルは部屋のドアから一番近いところにいてすぐに逃げれるようになっている。多少の心配はあるが不安は少しは和らいだ。そして等々私の番が来た。
関「上村さん、こんにちは!」
上村「有美子ちゃん!」
関「今日は大事な話しがあって来ました!」
上村「大事な話?」
関「…実は私はとある会社の会長を務めてるんです。だからそれほどの財力はある…人を数人養えるぐらいには…だからアイドルをやめて私と一緒に住みませんか?」
私が上村さんに話したいことはこれだけだった。
信用をして貰えないかもしれないと思い、名刺も一枚あげる。
関「すぐに決めようなんて思わないでください…私は上村さんを救いたいその一心なんです…」
上村さんがアイドルになったのは父親の借金を返すためだとスタッフさんが話していることを聞いてしまった。だから私はこのような行動を決意したのだ。
上村「…ふふっ。有美子ちゃんも面白いね?」
関「…本気ですよ。ネットで調べて貰ったら分かると思います。」
上村「有美子ちゃんが会長を務めてることは知ってるよ?スタッフさんが騒いでたから笑」
関「…なら私の財力も知ってるはず!」
上村「でもね、有美子ちゃんの一個前の人も同じ提案してきた人がいたの。」
私の一個前の人…?
私の前に並んでいたのはボブで茶髪な高校生ぐらいの女の子だったはず。
その子に同じ提案をされた…その子は冗談に決まってるだろう。
上村「井上梨名ちゃんって子なんだけど、井上財閥のご令嬢さん」
関「…」
私は井上さんの親が経営している会社にも仕事で訪れたことがあり、存在はなんとなく知っている。
関「…どちらに養われたいか悩んでるということですか?」
上村「好きな人とじゃないと一緒に住みたくないの。」
それは誰もがそうだ。好きでもない人と一緒に過ごすなんてとてもきついことだと思う。
関「なら私のことを好きにさせて見せますよ。」
そういうと上村さんはニコッと笑って見せた。
上村「これ私の連絡先…頑張って私を好きにさせて?梨名ちゃんに勝ってみて?」
「お時間ですー!」
スタッフさんがドアを開け時間だと伝えに来た。
私は上村さんに頷いてトーク会場を出た。
関「…どんな顔してどんな性格をしているかまず調べないと…」
顔は見ていなかったから井上さんの顔は分からない。そして性格も分からない。井上さんに勝つには井上さんを分析するところから始めないと勝てない。
井上さんの親の会社を改めて調べてみる。
やっぱり社内は豪華でお金は有り余ってそうな匂いがする。親が娘さんへの愛が強いのは会った時に実感しているから井上さんは上村さんに私と同じ話を持ちかけたのだろう。
関「……あ、すみません。」
考え事をしながら歩いていて人と方がぶつかってしまった。私はその人を顔を見た。
関「…その、失礼なのですが…井上梨名さんですか…?」
髪型や身長が私が見た人と完全に似ている。
井上「…そうですけども…何が御用で…?」
まさか会えるなんて…こんなラッキーなことはあるのだろうか。
関「私は関有美子と言います!〇〇会社の会長を務めており、井上さんの親御さんにはお世話になっています!」
井上「…両親のお知り合いさんですか!こんにちは!」
関「こんにちは!」
私は営業スマイルをして、井上さんに怪しまれないようにする。
井上「私に何か御用ですか?」
関「少しお話したいといけないことがありまして…少し長くなるのでカフェにでも行きませんか?」
井上「は、はい!」
ノコノコと私に着いてくる井上さん。
こんなに軽いと変な男に捕まらないか心配になる…まぁ私が女だということが安心なのだろう。
私はカフェに着きアイスコーヒーを頼む。
関「井上さんも好きなの頼んでください」
井上「えぇーと…ならオレンジジュースで!後でお金支払いますね!」
この一瞬で思ったことはいい子だということ。
上村さん明るくて純粋な子が好きだと聞いたことがある…井上さんはタイプかもしれない…。
関「では、お話してもいいですかね?」
井上「はい!なんでしょうか?」
関「井上さんはアイドルの上村莉菜さんのファンですよね?」
井上「…なんで知ってるんですか。」
関「今日のトーク会の私の前に並んでいた人が井上さんにそっくりだったので、もしかしたらなと…」
井上「…そうです。でも両親には内緒にしてください。お願いします。」
関「もちろん。で、話の続きなんですけど、上村さんさんに一緒に住まないかと誘いましたか?私が養うとか言って。」
井上「なんでそんなこと答えないといけないんですか。」
井上さんは眉をしかめて不機嫌そうに返答してきた。
関「実は私も上村さんに井上さんと全く同じことを誘ったんです。そしたら井上さんの話になって…好きにさせてみてと言われましてね…」
井上「…なら私と貴方はライバル。そんなライバルにそんなに下手に出てなんですか?何が目的なんですか?」
関「目的…一度はライバルにあって情報をゲットするのが一番いいじゃないですか?笑」
私は届いたアイスコーヒー飲みながらそう返答する。
井上「申し訳ないですけど上村さんを好きにさせるのは私です。」
関「いやいや私ですよ。」
井上「…年下だからってなめてますよね?」
関「なめてないですよ?でも大の大人が高校生に負けるほど弱くはないです笑」
すると井上さんは立ち上がって私の胸ぐらを掴んできた。
井上「負かしてやるから覚悟しとけよ……です…。」
私は言葉遣いに笑ってしまう。
関「あはははっ!!ご令嬢さんには言い慣れとらん言葉やったね笑 でもお互いタメ口でいこうや?少しは平等になるやろ?笑」
少し興奮してしまって地元の言葉が出てしまった。
井上「ッ!うるさい!!関有美子!あんたには負けない!!」
オレンジジュース代を置いて井上さんはカフェから出ていった。
とてつもない子とライバルになった…。
関「…倒しがいがある…笑」
改めて私は性格が悪いなと実感する。
でもこの性格で相手を倒せれば相手は立ち直れないだろう。そしたら上村さんは私のものになる。
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井上side
関有美子…両親に聞いてみたら〇〇会社の会長さんだということは本当だった。
私の両親もあったことがあるだなんて…美人で性格も良くて仕事もできる…?性格は絶対良くないよあの人。
井上「…どうしよう。あの性格からして何してくるか本当に分からない…早くしないと上村さんさんが…!」
そんなことを思っているととあることを思い出した。
トーク会の時貰った上村さんの連絡先……先手必勝。
井上「………もしもし?」
上村「その声梨名ちゃん?」
井上「そうです!こんばんは!疲れてるのにごめんなさい…」
私が上村さんにかけた時間は21時。トーク会で疲れてるから早めに要件を伝えよう。
上村「大丈夫だよー!」
井上「…あの、良かったらなんですけど、今度のお休みの日デートしませんか?」
上村「…ふふっ、いいよ?」
私は心の中でガッツポーズをする。
上村「有美子ちゃんより先に梨名ちゃんがデートに誘ってくるなんてね…有美子ちゃんより年下なのにやるね笑」
井上「上村さんを取られたくないので。」
上村「かっこいいね…? なら今度の土曜日、デートしよっか」
井上「はい!お疲れの中すみませんでした!おやすみなさい!」
上村「おやすみなさいー」
そう言って電話は終わった。私は終わったらすぐにベットに飛び込んだ。嬉しさや緊張…色々なものがあったから暴れた。
井上「…今は木曜日…お洋服とか髪とか色々としなきゃ…!」
私はデートに向けて準備を始める。
そして、約束のデートの日。
前日に上村さんから電話が来て12時に〇〇駅に集合と伝えられた。でも私は緊張して10分前に着いてしまった。ドキドキしながら上村さんを待つと、目の前から他の人とは違うオーラを放ち、黒くて長い綺麗な髪をなびかせ私に向かってくる人がいた。
私がそんなことを思う相手は一人しかいない。
井上「上村さん!こんにちは!」
上村「こんにちは、梨名ちゃん」
すると上村さんに帽子私に渡してきた。
上村「ここら辺で良く活動するから一応身バレのため被ってて?いつも私が使っている帽子だけどごめんね!」
井上「大丈夫です!」
上村さんが被った帽子を私が被れるなんてなんて最高なんだろうと思ってしまう。
やっぱりアイドルというものは大変だ…プライベートまで気を使わないといかないんだから。
上村「今日は行きたいカフェがあるんだけど、行ってもいい?」
井上「行きましょう!」
私はデートプランは上村さんの行きたいところにしようと思い、上村さんには提案していた。
私は高校生だし大人が好きなデートスポットが分からないからこれが安心だと思った。
そのカフェは中々の人気で、結構な列ができていた。
井上「…結構並びますね…」
上村「このカフェ個室だから周りの目気にしないでゆっくりできるからしかたがないよー」
井上「予約の名前書いてきますから、ここに座っていてください!」
上村「ありがと!」
私は列の前の方に行き予約表に名前を書く。
そして上村さんの方に戻り、席が空くのを待った。
上村「思ったけど、私たちが結婚して苗字変えたらお互いの名前になるよね笑」
井上「確かに!莉菜と梨名ですもんね笑」
上村「それはそれで面白そうだけど笑」
井上「私と結婚したらそんな特典がつきますよ?どうです??」
上村「隙あらば誘ってくるね?」
井上「その誘いを受けてもらう為の説得のデートですから!」
上村「ふふっ、考えとく笑」
なんてくだらない話をしていたら席が空いた。
私たちは個室に行き、目に付いた食べ物や飲み物を頼んだ。そして届いたものを食べたり飲んだりしながらお喋りをする。
井上「上村さん飲んでるのってお酒ですか?」
上村「そうそう!ここのカフェお酒も提供してるんだ!コーヒーカクテルって言って美味しいんだよ!飲む?」
井上「私未成年なのでお酒はダメですよ笑」
上村「そうだった…梨名ちゃん大人っぽいから全然未成年に見えない!笑」
井上「ありがとうございます!」
上村さんと居る時間は本当に楽しくて時が経つのあっという間だった。私たちは一時間ほどそのカフェでくつろいだ。
井上「上村さん?大丈夫ですか?」
上村「大丈夫〜」
上村さんはお酒が弱いのかあっという間に酔いつぶれてしまった。私は上村さんに肩を貸し何とか上村さんを歩かせる。
井上「上村さんの家ってどこですか?」
上村「わかんない~!」
井上「えぇ…取り敢えず私の家に行きましょうか」
私はタクシーを捕まえて上村さんを私の家まで連れていく。両親が仕事で居なくて良かった…。
私は上村さんを私の部屋のベットで寝かせ、水を持ってくる。
井上「上村さん!お水です!」
上村「ありがと~」
上村さんは起き上がって水を飲み、体が重いのかまたベットに沈んだ。そしてヘラヘラと笑い始めた。
上村「梨名ちゃーん!」
井上「どうしたんですか?」
上村「なんでもなーい!」
私の名前を呼んで楽しんでいる上村さんを見て楽しんでいる私。すると上村さんはいきなり私の腕を引っ張って私を隣に寝かせて抱きしめてきた。
井上「えっ!?ちょ!!上村さん!!///」
上村「可愛いね~」
井上「っ…」
その扱い方は私にとってはとても辛い言葉。
恋愛対象ではなく妹みたいなように見られてるということだからだ。他のファンの方に比べたらこんな風に抱き着いてもらったりというのはとても嬉しいことだろう。まるで夢みたいだと思うから。
井上「…ちゃんと休んでください」
私は笑って上村さんを落ち着かせる。
すると上村さんはうんと弱々しく言って眠りについてしまった。
もし私に上村さんを襲える勇気があったならばどうしていたんだろう。襲っていた…いや私はどんなことがあってもそんな勇気を持ち合わせていないんだろうな…。
井上「…あなたの辛い顔より、笑った顔とかが見たいですから…」
私は上村さんを頭を撫でた。
そして上村さんが起きるまで待ち、上村さんが起きると私は駅まで上村さんを送ることにした。
井上「ゆっくり休んでくださいね!」
上村「うん…ごめんね、本当に…」
井上「大丈夫ですよ!話せて楽しかったですし!」
上村「ありがとう…!」
そう言って上村さんは去って行った。
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上村side
まさか酔ってファンの人の前であんなに寝てしまうなんて…頭も痛いし…。
上村「……電話…?」
私はかかってきた電話に出る。
関「もしもし、上村さん。関有美子です。」
上村「有美子ちゃん!どうしたの?」
関「…いや、その…デートのお誘いをしたくて…」
上村「そっか!いつがいい?」
関「…今…空いてますよね?」
上村「えっ…っ!?」
私はいきなり後ろから誰かに抱きつかれた。
関「上村さん。」
電話と背後から同じ声がする。
上村「有美子ちゃん!」
関「こんばんは!いきなり抱きついてすみません!」
上村「全然…!なんで私がここにいるって分かったの?」
関「仕事帰りで駅のお弁当でも買おうかなって思って来てみたら、たまたま居たので笑」
上村「そっか!」
関「上村さんはお仕事ですか?」
上村「梨名ちゃんとデートしてたの」
すると有美子ちゃんはいきなり黙って、また私を抱きしめた。
関「…ここからは私とデートの時間です。井上さんや他の人の名前はNGでお願いしますね?」
私の唇に人差し指を当ててそう言ってきた。
有美子ちゃんは梨名ちゃんとは違って積極的で肉食系なのかな…。
関「私のオススメのバーに来ませんか?」
上村「バー?」
関「はい。お酒とか沢山ありますよ?」
上村「…でもさっき飲んで頭痛くて…」
関「少しだけでいいので…オススメしたいお酒があるんですよ!」
上村「そこまで言うなら少しだけ…」
私は有美子ちゃんに手を引かれるままバーに着いた。
そのバーは隠れ家的なところでとても落ち着いた雰囲気だった。
関「マスターいつもの。そしてこの女性にモーニンググローリーフィズを。」
私たちはカウンターの席に隣で座る。
そしてお酒ができるまでお話をする。
関「さっき他の人の名前はNGでって言ったんですけど…井上さんとのデートはどうでしたか?」
上村「私が行きたいカフェに一緒に行って、、私がそこでお酒飲んで酔っちゃってね…そしたら梨名ちゃんが梨名ちゃんの家に連れてきてくれて寝かしてくれてたの」
関「ふーん…手とかは出されてないんですか?」
上村「特には…?」
関「記憶ないんですか…笑」
上村「全然覚えていないの笑 でもないと思う。梨名ちゃん純粋だし!」
関「確かに笑」
そんなことを話しているとお酒が目の前に出される。
上村「すごい…有美子ちゃんのカクテルはなんて言う名前なの?」
有美子ちゃんに出されているお酒は透明感のある水色…とても綺麗で有美子ちゃんに合ってる気もする。
関「ラズール・リッキーというカクテルですよ」
上村「へー!私のはなんだっけ?」
関「モーニンググローリーフィズです」
上村「…いただきます」
私はそのカクテル恐る恐る飲んでみる。
上村「…まろやかだし少し甘いかも!」
関「ふふっ、お口にあったようで良かったです!」
有美子ちゃんもカクテルを飲む。
私に出してくれたカクテルは美味しくてあっという間に飲み終えてしまう。
関「美味しかったですか?」
上村「美味しかったよ!ありがとう!」
関「いえいえ。あの、もし良かったらなんですけどこのファイルの中身を読んでみてくれませんか?」
有美子ちゃんから差し出された謎のファイル。
ファイルを開いてみると、カクテルの味や特徴などが色々と書かれていた。
上村「へーすごい!あっ、これ有美子ちゃんが飲んでたやつ?」
関「そうですね!私の誕生日のカクテルなんですよ」
上村「…愛情に満ちあふれた王女様…?」
関「カクテルの意味ですね、私ってそんな感じですか?」
上村「うーん…でも養ってくれるとかとても私に愛情を注いでくれてるなって思うよ?」
関「ふふっ、なら良かったです」
ページを進めていくと私のお酒を見つけた。
上村「……これ……」
関「…私の今の気持ち…と言った方がいいんですかね…?」
上村「…好きにならせるために身体の関係を持つの…?」
関「身体の相性も大事だと思いますよ…?」
すると有美子ちゃんは私の腰を抱く。
関「無理にとは言いません…もし良いならばそのファイルを閉じてください。お店を出ますから。」
ダメだと分かっているが身体は求めている。
私はファイルを閉じた。
すると有美子ちゃんは立ち上がり、お会計を始める。
そして私の手を引いて、ホテルに向かっていく。
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関side
私は昨日、好きな人を抱いた。
とても可愛く喘ぐ彼女の姿は今でも覚えている。
そして今、そんな人が隣でぐっすり眠っている。
お腹などには私がつけたキスマークの跡が白い身体についている。
上村「んんッ……?」
関「おはようございます、上村さん」
すると上村さんは起き上がっている私の手を引いて寝転ばせ、私に抱きついた。
上村「…恥ずかしい…///」
関「それはそうですね笑」
上村「有美子ちゃん余裕すぎ…」
関「そうですか?結構緊張してましたよ?」
上村「嘘ー!なんか慣れてる感じがする!上手かったし…///」
関「ありがとうございます!」
私たちは服を着てホテルから出る。
関「じゃ、また今度」
上村「うん…」
私は上村さんと別れて家に帰る。
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井上side
私は昨日の上村さんとのデートが楽しくて帰ったら直ぐに寝てしまった。お腹が空いていて母親が作ってくれた朝ごはんを私は食べ始める。
井上「…なんだ、うるさい…」
近くに置いていたスマホが何度も振動するため私はスマホを除く。するとそこには関という人の名前と「井上さん」「関有美子です」というメッセージが来ていた。
井上「…なんで知ってるの…」
私のL〇NEは家族や両親、そして上村さんにしか伝えてないのに…。
私は「こんにちは」とだけ返して画面を閉じる。
すると沢山振動し始めまたスマホを見てみると、電話がかかってきた。
井上「……もしもし。」
関「おはようございます、井上さん」
井上「おはようございます…なんで私のL〇NE知ってるんですか…」
関「うーん、なんでだと思いますか?」
井上「…上村さんから貰ったんですか…」
関「正解です。実は井上さんとデートが終わったすぐに私とデートしたんですよ、その時にもらいました」
井上「…貰って何がしたかったんですか?私は正直あなたと交換はしたくなかったです」
関「でも追加してくれたなんて優しいですね?笑」
井上「っ…」
関「…見せたいものがあるのでビデオ通話にしましょう」
私はスマホをスピーカーにしてビデオ通話にする。
するとパーカーだけを羽織った関さんの姿が写った。
井上「ちょっと!!なんで服きてないんですか!///」
関「ふふっ…こういうことです」
私は画面を見て驚いた。
なぜ…関さんの隣で裸であろう上村さんが寝てるんだ…。
関「こういうことなので諦めて貰えません?」
絶望しか無かった。
でも…それでも…諦める訳にはいかない。
井上「諦めない。」
私はそう言って電話を切った。
そして私の専属執事に電話をかけた。
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上村side
私は有美子ちゃんとそういう行為をしてしまった。
でもまだ完全に有美子ちゃんが好きって訳ではなくて、どこかに梨名ちゃんがいる。
上村「…決めないと…」
私自身もそろそろアイドルとして限界も感じてきている。だから今回のこの戦いを始めた。
だから飽きられる前に決めないといけない…。
「…上村さん!!」
上村「…梨名ちゃん…?」
梨名ちゃんは車から出て走ってくる。そして梨名ちゃんは私に抱きついてきた。
井上「…関さんには渡したくない…!」
上村「えっ…」
井上「私だって上村さんを気持ちよくできますから!だから!!関さんのところには行かないで…!」
泣きながら私にそう伝えてくる梨名ちゃん。なんで知ってるんだろう…もしかして有美子ちゃんが教えたの…?
私は泣いている梨名ちゃんを慰める。
「…電話切ったと思ったらここにいた。」
上村「…有美子ちゃん…」
関「井上さん、諦めてよ。」
井上「嫌です!関さんになんか上村さんを渡さない!」
二人は睨み合っていた。
多分この状況は私が決めないと終わらない…。
でも私が思いついてる今二人とも幸せになる方法は私の勝手な思いつきだ。
井上「…諦めないなら力で黙らせます。」
関「…そっちがその気なら。」
二人は拳を構えた。
上村「…ま、待って!!」
私は二人の手を握る。
上村「三人で暮らすのはダメなのかな…?」
二人は私を見つめた。
上村「…か、勝手なのは分かってます…でも皆が幸せになるには…!!」
私は声を震わして言った。
すると二人は顔を見合わせ、そして私を抱きしめた。
井上「…上村さんがそれでいいなら…」
関「私も同意見です…でも一緒に暮らしますけど付き合うことは諦めませんから!」
井上「それは私もです!譲りません!!」
二人は優しくて私の勝手な案をすぐに認めてくれた。
私も二人を抱きしめ返す。
上村「二人とも大好き…!」
井上「…私に言いましたね…///」
関「違う。私ですよね…///」
上村「え?二人って言ったよね?」
こんなことが過去にはあった。
今となれば懐かしいな…。
私たちは二年も経ったが何も変わらず一緒に過ごしていた。私は専業主婦となり、有美子ちゃんは変わらず会社の会長、梨名ちゃんは大学生になった。
上村「二人ともー起きてー!」
私はリビングから二階にいる二人に叫ぶ。
すると最初に降りてくるのは梨名ちゃんで、梨名ちゃんは私にバックハグをしてくる。
井上「莉菜ちゃーん…」
上村「おはよ?」
井上「おはよう…まだ眠い…」
上村「頑張って起きて?」
井上「ちゅーして…?」
私は梨名ちゃんの唇にキスをする。
すると梨名ちゃんは顔を洗いに行った。
過ごし始めた時に敬語をやめ、呼び方も下の名前ということを私たちは決めた。
すると有美子ちゃんがフラフラと歩いてくる。
関「莉菜ちゃんー!」
有美子ちゃんは寝起きはテンションが高くて犬みたい。私は突っ込んでくる有美子ちゃんを受け止める。
関「おはよー!」
上村「おはよう!」
すると有美子ちゃんは私の唇にキスをしてくる。
関「好きだよー?」
上村「私も笑」
関「顔洗ってこよー!」
そう言って顔を顔を洗いに行った。
梨名ちゃんも有美子ちゃんも過ごし始めてから仲良くなったようで、今では姉妹みたいな仲になっていた。
関「梨名、タオル取ってー」
井上「はーい…有美子は早く自分でタオル取ってくる癖つけなよー」
関「ごめんごめんー」
私は最初に席に座り二人を待つ。
すると二人も席に着いて、ご飯を食べ始める。
井上「美味しー!莉菜ちゃんの作るご飯最高!」
関「塩加減とかほんと好み!好き!!」
上村「ふふっ、ありがとう!」
二人は隣同士で座っているけどやっぱり顔が良すぎてなんでこんな私に選んでくれたのか本当に謎に思う。でもこれを口にしたら二人に襲われたから口に出せないけど…。
井上「やっぱり莉菜ちゃんは私と付き合うよね!」
関「まさか!私とだよね!」
上村「さあ?笑」
少しおかしな家庭だけど楽しいから別にいいよね!
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Twitterで私の妄想を見てリクエストしてくださった方がいたのでかきました!(妄想してたやつと少しお話が変わってしまってすみません🙇♀️)
リクエストしてくださった方遅くなってしまい申し訳ありません!!
後、コメントやTwitterでリクエストは募集しているので是非リクエストしてください!