理佐「天ちゃん可愛いね」

天「そうですかねー?」

なーんて周りの女の子に可愛いとか言って見てるのは由依だけ。チラチラと由依の方を見てると嫉妬丸出しの表情をしていた。

理佐 (いいねぇ…その顔が好きなんだよ…)

由依が私の事を好きなのは知ってる。
けやかけの相関図で公開告白されたけど、あれは友とかメンバーとしての好きじゃなく、特別な感情の好きだとすぐに分かった。
私も由依のことが特別な感情…恋愛的な意味で好き…だけど、もっといじめたいと思っちゃう…好きな子はいじめたくなるの意味が22歳でようやく理解ができた。



次の日、私はまた由依の嫉妬する顔が見たくて天ちゃんに絡む。

理佐「今度お出かけしない?」

天「え!行きたいです!」

理佐「どこ行きたい?」

天「お姉ちゃんとならどこでも!」

理佐「そっかー」

私は天ちゃんにハグをする。そして由依がいた方向に目を向ける。

理佐 (あれ…?いない…)

さっきまで座っていた由依がいなかった。
御手洗かなーとか思ってしばらく天ちゃんとイチャつきながら待つが由依は帰ってこない。

理佐 (どこ行ったのさー)

天「…ほっぺ膨らませてどうしたんですか?」

理佐「いやなんでもないよ!」

この時は思いもしなかった…後に後悔することになるなんて。

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小林side

私の好きな人は相変わらず他の女の子とイチャイチャしている。多分、理佐は私の気持ちに気付いていて私を弄んでいると思う。
弄ばられてるのに嫉妬しちゃうし、色々と大変だ。

森田「…由依さん。少しいいですか?」

小林「ん?どうしたの?」

森田「…人前では話したくないことなので外に行きませんか?」

小林「…分かった。」

私はひかるちゃんがここまで深刻そうな顔をして私に話しかけてきたのは初めて見た。
楽屋を後にして、ひかるちゃんと外に出る。
冬の昼は暖かいようで寒い…コート着てこれば良かったかも。

小林「で、どうしたの?」

森田「…その…言いづらいんですけど…」

小林「ん?…えっ…。」

私はひかるちゃんに抱きしめられた。

森田「…理佐さんに弄ばれてる由依さんを見たくないんです…なんで由依さんは報われないんですか…!」

ひかるちゃんには私が理佐の事が好きだとバレていたらしい。二期生の中で一番に仲がいいから勘づいてくれたのかな…。
私の胸で泣いているひかるちゃんを抱きしめ返す。

小林「ひかるちゃんは優しいね…私のために泣いてくれてありがとう」

森田「っ…!」

小林「…理佐が私を弄んでのは知ってるの。私自身も気付いてるけど嫉妬とかしちゃうし…」

森田「辛く、ないんですか…」

小林「辛いかも…でもそれでも理佐が好きなんだよね…ほんと私ってダメだなぁ…。」

私は天を仰ぐ。ひかるちゃんに改めて話すと涙が溢れてきそうだった。

森田「…私なら…私なら由依さんを幸せにできます。」

小林「えっ…んっ…」

ひかるちゃんは背伸びをして私の唇にキスをした。

森田「由依さんを振り向かせてみせますから。覚悟していてください。」

そう言ってひかるちゃんは去って行った。
私はその場に座り込む。

小林 (…あんなひかるちゃんの表情初めて見た…かっこよかった、かも…///)

キスをされた照れもあるし、振り向かせてみせると言ってくれた時の表情はイケメンだったと思う。

小林「…はぁ…どんな顔して楽屋戻ったらいいの~!///」

キス逃げされるし、楽屋に戻ったら絶対理佐は私を弄ぶし…。

小林「深呼吸、深呼吸…。」

外の空気を吸って、私は何事も無かったかのように楽屋に戻る。そしてさっきと同じところに座る。
するとひかるちゃんが隣に座り出した。

森田「お隣失礼しますね。」

小林「…う、うん…」

いつも通りに接さないといけないのに先程の記憶がフラッシュバックする。
でもひかるちゃんは平然としてるし…私だけ照れててなんか恥ずかしいな…。

森田「…由依さん。」

小林「…なに?」

森田「意識、してくれてますよね?」

小林「そ、それは…しない方が無理じゃない…?」

森田「ふふっ、ですよね笑 良かったです笑」

あっ…笑い方が少し理佐に似ている気がする。
ちらっと理佐の方を見ると相変わらず天ちゃんとイチャイチャ中…

小林 (っ…やっぱり私は…)

するとひかるちゃんに頬に手を当てられ、目を合わせられる。

森田「…私だけを見てください。今は私との時間ですから」

小林「っ…///」

森田「照れてるんですか?可愛いですね」

その微笑み方に私はドキッとしてしまう。
やばい…気持ちが揺らいでる…。

田村「ひいちゃんー由依さんとイチャついてる途中で申し訳ないけど打ち合わせー

森田「あ、分かった」

そう言ってひかるちゃんは席を立って、保乃ちゃんと打ち合わせに向かった。私はその後ろ姿を見つめていると、ひかるちゃんは首だけ後ろを振り返った。

小林「っ…!ずっる…///

私は照れを隠すために顔を手で隠した。

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森田side

私はアイドルになってから好きな人が出来た。
それは一期生の小林由依さんだった。由依さんの歌声、ダンス、笑顔、全てに惹かれてしまった。
でもそんなに由依さんにはもう好きな人がいた…それは同じ一期生の渡邉理佐さん。
でも理佐さんは由依さんが理佐さんのことを好きなのは知ってるのに、由依さんを弄んでいた。
理佐さんも由依さんが好きなのに弄んで何が楽しいの…。

森田 (由依さん…そんな顔しないでっ…!)

理佐さんが誰かとイチャついてると由依さんは辛そうな顔をしている。多分嫉妬しているのだろう。
そんな顔私ならさせないのに…絶対由依さんを幸せにしてみせるのに。

森田 (…やってやる。理佐さんを後悔させてやる。)

私は席を立ち上がり、由依さんを外に呼び出した。


そして外に着き、言葉にする前に私は由依さんを抱きしめた。

森田「…理佐さんに弄ばれてる由依さんを見たくないんです…なんで由依さん報われないんですか…!」

私は由依さんの立場になったらと考えると泣けてきてしまった。すると由依さんは私を抱きしめてくれる。

優しいね…私のために泣いてくれるなんて…なんて言われたけどそれは由依さんのことが好きだから。

好きな人には甘えさせたいんだ。


森田「辛く、ないんですか…」


辛いに決まってるのに由依さんに聞いてみる。

小林「辛いかも…でもそれでも理佐が好きなんだよね…ほんと私ってダメだなぁ…。」


こんな一途な人を理佐さんは何弄んでるんだ…!


許せない…!!!


森田「…私なら…私なら由依さんを幸せにできます。」

由依さんは私のその言葉に驚いていた。

私はそんな驚いてる由依さんを見ながら、私は由依さんの唇にキスをした。

意識してもらうためにはキスの選択肢しかなかった。
これで嫌われても意識はしてくれるだろう。

森田「由依さんを振り向かせてみせますから。覚悟していてください。」

私は由依さんに決意証明をしてその場から去った。
キスをしてしまった恥ずかしさもあるし、理佐さんの今の状況を今すぐ確認したかった。


楽屋に戻り、保乃と話しながら理佐さんを見る。
相変わらず理佐さんは天ちゃんとイチャついていた。

森田 (…いいんですね…私が由依さん取っちゃいますから…)

すると由依さんが楽屋に戻ってきた。

森田「お隣失礼しますね。」

小林「う、うん…。」

私は由依さんの隣に座る。
これは完全に意識してくれてるのかな…?

森田「意識、してくれてますよね?」

小林「そ、それは…しない方が無理じゃない…?」

あー良かった。意識してくれたんだ…。
私は笑みをこぼす。すると由依さんはしばらく私の顔を見たあと、理佐さんの方をちらっと見た。

森田 (…理佐さんなんか見ないで…)

私は今嫉妬していたと思う。これが由依さんが毎日味わってた気持ち…辛いだろうな…。
私は由依さんの頬に手を当て、私と無理やり目を合わさせた。
 
森田「…私だけを見てください。今は私との時間ですから」

小林「っ…///」

森田「照れてるんですか?可愛いですね」

私は由依さんが可愛くてまた笑みがこぼれてしまう。
早く私のものにしたいな…。

すると保乃に打ち合わせの時間だと呼ばれる。
もう少しこの時間を楽しみたかったけどお仕事だし仕方がないか…。
私は保乃と打ち合わせに向かい歩き出したが、少し由依さんが気になり首だけ後ろを振り向いた。
すると由依さんと目が合い、私は嬉しくなって口パクで好きですと言って、微笑んだ。

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短いですけど、1つで出すと長いので分けてます!