私はある日森に迷ってしまった。
果物を採りに森に来たのだが、いつも行ってる所だからと油断して遅くまで居たら、茂みが動く音がした。振り向くと月明かりが茂みのところに当たり、人が立っていたのだ。
私はそれに驚いてただ逃げてきた…そしたら迷子…。

小林「…寒いし、怖いし…今日ついてない…。」

帰り道なんて分からないから走ってきた方向を恐る恐る歩く。また変な人に会うんじゃないかと思うと怖くて足がすくむ。

小林「大丈夫…いざとなったらナイフで…」

私は手に果物ナイフを持っていた。お腹すいた時にそこらの果物でも切って食べようかなと思っていたから持ってきてよかった。


ガサッ



茂みが動く音がする。


そして誰かがいるような気配がした。

明かりなんてものは無い…月は隠れている。

私は気配がする方にナイフを向け、震えながら相手が動くのを待った。


「…あのーナイフを下ろしてください。私は不信者ではありませんから。」


私は女の人の声で一瞬安心した。
だけどまだ完全に信用はしてないからナイフを下ろせない。

小林「あなたは何者…。」

理佐「…私は狩人の渡邉理佐と言います。先程もあなたを驚かせてしまったものです。あなたのお名前は?」

先程…?
ならさっきの月明かりで照らされていた人は理佐と言う人だったのか。

小林「…私は小林由依…この森を抜けたところにある街に住んでいる果物屋の娘です…。」

理佐「由依さん…驚かせてしまい申し訳ないです…。」

そう言いながら理佐さんは灯りを持って私に近付いてきた。理佐さんの顔を見るととても美人でドキッとしてしまった。

理佐「…美人ですね。」

小林「いえ…理佐さんも美人です…!」

理佐「良かったら街まで送りましょうか?この森には狩りに来ていてよく分かってるので」

小林「ならお言葉に甘えて…!」


私は理佐さんの横を歩きながら考え事をしていた。

何で理佐さんは茂みに隠れていたのだろう。

動物から身を潜めるため?いや隠れていたら逃げるのが遅くなってしまうんじゃ…。
ならなんで…私は月を見上げる。そして逃げてきた時のことを思い出した。

待って…やばい…かも…。

私は月明かりに照らされた人のことを思い出す。
一瞬ではあるがその人からしっぽが見えた気がしたのだ。もし理佐さんが本当に月明かりに照らされていた人ならば…もし月が出たら…。
私は怖かった…だから正直に聞いてしまった。

小林「理佐さんって…変身できたりしますか…?」

理佐「…変身?」

小林「た、例えば狼とか!」


その瞬間理佐さんの歩く足が止まった。


そして月が出てきた。


段々理佐さんの頭には灰色のもふもふの耳、お尻にはも灰色のふもふのしっぽが生えてきた。

理佐「…何で分かったんですか…私が狼だと…。」

小林「逃げる時にしっぽが見えた気がしたんです…でもまさか本当に狼だなんて…。」

理佐「…でもなんであなたは私のことを見て逃げないんですか?よく普通に話せますね…。」

小林「…何故でしょうね…でも食べるならとっくにもう食べてると思うんです…私なら正体がバレた瞬間食べると思うので…。」

理佐さんは歯をギリッと食いしばっていた。

理佐「今から食べますよ…!由依さんのことを…!!」

そう言うとは理佐さんを私を押し倒した。
私は目をつぶる。理佐さんのフーっ!という荒い息遣いが聞こえてくる。
でもいつまでたっても理佐さんは何もしない…すると私の頬に水滴が垂れた気がした。
私が目を開けると理佐さんは泣いていた。

小林「理佐さん…?」

理佐「嫌だァ!!」

すると理佐さんは叫び出した。

私は暴れる理佐さんを抱きしめた。

理佐「もう人なんか食べたくない!!嫌だ嫌だ!!」

小林「落ち着いてください!!」


私は暴れる理佐さんを落ち着かせる。
そして落ち着いたなと思ったら話を聞いた。

小林「…人を食べたくないなら食べないでいいじゃないですか…この森には動物が沢山いるんですし…。」

理佐「…私がこの森の狼の群れにいるためには人を食べることが条件…じゃないと私は孤独なんだ…!動物も私には食べれない…あんな悲しそうな顔嫌なんだ…!」

理佐さんはとても辛そうだった。
なら理佐さんは今まで何を食べていたの…もしかして果物だけ…?
私は抱きしめる理佐さんのお腹を少し触ってみるととても痩せ細っていた。

小林「…独りが嫌ですか…?」

理佐「嫌…!」

小林「なら私の所へ来てください…一緒に暮らしませんか?」

理佐「…何で由依さんは…私を信用しているの…?」

小林「私を食べなかったから…そしてあの暴れ具合相当の何かがあったと思うので心配ですし…」

理佐「っ!!でも一緒には行けません…!」

小林「…!なんで!!」

理佐「…これから私が話す話を聞いて由依さんがいいのなら着いていきます…」

小林「わかりました…。」

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理佐side

まずは私たちの説明をさせて欲しい。

私たちは普段は人間としてこの森に住んでいる。
でも月が出ると人獣になれたり、四足歩行の狼になれる。

昔私は独りではなかったんだ。
とある群れに所属していて動物も普通に食べていた。

志田「理佐、これも食べな?」

理佐「え?でも愛佳のじゃん」

志田「いいから食べなよー理佐痩せすぎなの!」

理佐「そ、そうかなぁ…ならいただきます…。」

群れといっても志田愛佳という狼と組んでいたグループみたいなものだった。
こんな幸せな日常がずっと続けばよかったのにな…。


ある日、数人の狩人が私たちに向けて発砲してきた。

月が出ていて四足歩行の狼になっていたから狙わたんだ。

最初は一緒に逃げていたが、私はバランスを崩して倒れてしまった。
すると狩人は私に向けて銃を放った。


パンっ!


森に銃声が響いた。




志田「ぐっ…!!」

理佐「愛佳!!」

志田「逃げろ!!

狩人たちは私たちが吠えたと思いさらに銃を愛佳に放つ。狩人達からしたら吠えているようにしか聞こえないが、私たちは会話をしていたのに…。


私は必死になって逃げた。


そして狩人達は私を諦めたのか来た道戻っていく。私はその後ろを気付かれないようについていった。するとそこには恐ろしい光景が広がっていた。

愛佳の周りは血の海で、沢山の狩人たちが愛佳を囲んでいたのだ。
そして愛佳を持ち上げ、網の中に入れて持ち運んで行った。

私はその瞬間何かが切れた気がした。

私は愛佳を持ち運んでいる狩人の背後から肩を噛んだそして肩の肉を噛みきった。そしてそれを飲み込む。すると狩人の誰かが私に向かって銃を放った。
私がその場に倒れると、狩人たち逃げて行った。


その日から私は朝昼晩と泣きわめいた。

人の肉を食べてしまった気持ち悪さで毎日嘔吐にも見舞われていた。


そんな状況がしばらく続くととある森からの群れが私のいる森に引っ越してきたのだ。
その群れのリーダーは私のところに来て勧誘をしてきた。独りが嫌で入ろうかと悩んだが入る条件は人を食べること。この群れは人の肉が大好きなのだ。
私はその条件を聞いてすぐに入るのを辞めた。
人を食べるぐらいなら独りの方が良かったと思えるから。

私は群れに入らずさすがに何かを食べないと死にそうだったため動物を食べようとした。
そこら辺にいるリスを食べようと思ったが食べようとすると私は吐いてしまった。


肉を食べることの拒絶反応が出たのだ。


だから私はそこから果物しか食べることが出来なかった。

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理佐「これか私の過去…人を食べたことはある…それでも一緒に住んでもいいんですか?」

すると由依さんは私を強く抱きしめた。

小林「こんなに可哀想なのにほっとけないです…!私のうちに来て!」

理佐「もし私が由依さんを食べそうになったら…?」

小林「理佐さんは食べないと信じてるから、大丈夫。」


私はその優しさに心を打たれた。


理佐「住む…一緒に住む…!」



そして私たちは一緒に住むことになった。

由依さんの親には事情をを全て説明した。
最初は反対をしていたが私は果物屋の仕事を手伝い、その一生懸命な姿を見て由依さんの両親は許してくれた。

私は由依さんと森に来て果物を採っていた。

小林「あの…そろそろ敬語やめませんか…?それと名前も呼び捨てにしませんか…?」

理佐「…なら…由依でいいのかな…?」

小林「…うん!り、理佐!///」

理佐「何で照れてるの?笑」

小林「だって理佐からの呼び捨てはドキドキしちゃうじゃん!」

理佐「何それ笑 期待しちゃうよ?」

小林「…期待しても…いいんだよ…?」


私たちは時が止まった気がした。

私は由依の顔に自分の顔を近づけて行く。
由依は目を閉じで受け入れてくれようとしていた。

小林「…んっ…」

理佐「…はずかし…///」

小林「…そ、そうだね…///」

理佐「…これからは私の恋人と言うことでいいんですよね…?」

小林「うん…」

理佐「よろしくね、由依」

小林「こちらこそ、理佐」

そして仲良く暮らしましたとさ。











菅井「っていうのを文化祭の劇でやりたいんだとどうかな?」

理佐「却下。」

小林「無理。」

菅井「えぇ!?酷い!!」

茜「遅くまで友香が頑張って考えてたのにー!」

理佐「嫌なものは嫌だ!」

小林「私も!!」

理佐 (由依とキスのフリとかドキドキしておかしくなる…///)

小林 (理佐に押し倒されるとか無理…キスのフリもそうだし…心臓が持たない///)

茜 (お互いに勇気がないから助けてあげてるのになー)

菅井 (どうにかしてくっつけないと…!)

菅井「もーいいよ!!そんなに嫌なら…っ!」

茜「あーあー。友香泣いちゃったじゃんー」

理佐「え、あ、ご、ごめん?」

小林「な、ならやるよ!」

菅井「ほんと!?ならよろしくね!これ台本!」

理佐「嘘泣き!?」

小林「騙された!!」

茜「騙された方が悪い!!」

理佐「最低!!でも引き受けたからにはやるしかないか…。」

小林「そうだね…やろう…」

菅井 (これで2人がくっつけば…!!)


文化祭後、菅井の予定通り2人は付き合い始めた。










おまけ

-本番-

理佐side

理佐「何それ笑 期待しちゃうよ?」

小林「期待しても…いいんだよ…?」

そして私は由依の顔を自分の顔を近づけて行く。
そしてキスのフリをして、由依の目が開く。
そして最後まで演じきった。

菅井「2人とも良かったよ!!」

茜「やっぱり理佐と由依は最高!」

理佐「はいはい、ありがと」

小林「理佐ー着替えてこよー?」

理佐「うん」


そして私たちは更衣室に向かった。

更衣室で私たちは2人きりだったため、少し離れたところで会話を続けた。

小林「キスのシーンどうだったんだろうね」

理佐「あー上手く出来てたのかな?」

小林「私は目つぶってたから理佐のテクニックによるよね笑」

理佐「めっちゃ練習したんだよー?カメラ固定して家の人形で何度も試したんだから」

小林「何それ笑 可愛い笑」

理佐「恥ずかしいじゃんー!」


普段は由依にはスキンシップはしないが、テンションが上がっているのか背後から首辺りに腕を回し、ついつい抱きついてしまった。


理佐「あ、ごめん…」

私が我に返り手を離そうとすると、由依は私の手の指を握った。


小林「…このままがいい…」

理佐「わ、わかった…///」

私は由依のオネダリに照れながら、由依を抱きしめ続けた。今思えば由依の今の格好は中々やばかった。
由依は上半身下着1枚。
私はそんなに由依の姿を興奮をしてしまっている。

やばい…私ってホント変態だ…。

小林「…あの、さっ…!」

理佐「な、なに?」

小林「…わ、私ね…理佐のことが好きなの…!!付き合いたいとかの意味で…」

理佐「私もだよ!由依と付き合いたいとかキスとかキス以上の行為とかしたいと思ってる!」

小林「っ!///」

私は我に返り何を言っているんだと自分を責めた。
絶対最後らへん余計だったなと反省をしていると、由依は私の方に顔を向けた。

小林「…更衣室のドア、中からしか鍵掛けれないの…だから外からは鍵をかけてると開けれないの…。」

理佐「それって…!」

小林「鍵閉めてるし…今休憩時間だからうるさいと思うし…。」


私は由依のその言葉を聞いて何かが切れた。

私は由依押し倒した。

理佐「優しくは、出来ないかも…!」

小林「激しくてもいいよ…おいで、狼さん。」

理佐「っ…!いただきます…!」

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その後はお楽しみですよね??
希望があればこれの裏を出すかもしれないです…!