冬の寒さがまだ残っている風が私たちに突き刺さる。
でも太陽が冷えた身体を照らして温めてくれる。


冬「今日で私達も卒業だね」

理佐「そうだね、あっという間だった」

冬「相変わらず理佐のクールさは変わらなかったけどね?」

理佐「それが私の良さだから笑」

冬「まぁそっか笑」

今日でふーちゃんと登校するのも最後…と思っていたけど、大学がまさかの一緒で大学生になっても一緒に登校できるらしい。でも友香と茜とは離れることになってしまった。

冬「思えば友香と茜ってどこの大学行くんだろうね?」

理佐「その話をこの前友香にしてたら友香は家の会社を継ぐみたい」

冬「そうなの!?」

理佐「うん。でも茜は何もわかんない…話そうとすると話をそらされた」

冬「私も一緒…もしかして友香と離れちゃうから悲しいのかな」

理佐「それはありそう」

冬「人の心配もいいけど、小林先生と理佐も離れるんだからね?」

理佐「知ってるよ、でも大丈夫!」


由依とその話をした時に私は由依にとある提案をした。


理佐「…由依。良かったらなんだけど私の家で一緒に住まない?」

由依「…同棲ってこと?」

理佐「うん。私はもうすぐ高校卒業だし由依と離れちゃうからさ…一緒に住んだら一緒に入れる時間も増えるし…///」

一緒に居たいという気持ちを本人に直接話すのはやっぱり恥ずかしい。照れていると由依は私の頭を撫でながら言った。

由依「私も理佐と一緒に居たい。一緒に住もう?」


相変わらず子供扱いなのが気に入らない…同棲したら見返してやるなんて思いながら同棲が決まった。
卒業式の次の日、由依は有給をとったらしいからその日に引越しのお手伝いをすることになった。

冬「小林先生のこと幸せにしてよ?」

理佐「それは任せて!」

冬「なんか腹立つ笑」

こんなくだらない話をしてるとあっという間に学校に着いた。教室に入ると自分の席に座っている茜と友香がいた。


冬「茜と友香おはよー!」

茜「ふーちゃんと理佐おはよ!」

菅井「2人ともおはよう!」

理佐「おはよう」

茜「もう卒業式とか早くない?笑」

冬「ねーほんとあっという間だった…」

菅井「これからはお互いの道に進んでいくんだよね…緊張する…!」

理佐「私とふーちゃんはまだ学生だけど友香はもう社会人になるんだよね、頑張れ」

菅井「ありがとう!頑張るね!」

冬「私たちは決まってるけど、茜は何すんの?何も教えてくれないじゃん!」

ふーちゃんは茜の肩を掴み教えろよーと身体を揺らす。茜は話すから止めてー!と騒いでいた。

茜「私は就職すんの!」

冬「どこに就職するの?美容関係?」

茜「…。」

茜は言おうか悩んでいたが私たちとは逆の方向を向いて衝撃的なことを発した。


茜「…菅井家が経営してる会社に就職する!!!」

友香「えぇ!?」

茜「絶対受かって副社長になって友香のこと支えるから!!」


茜は恥ずかしくなったのか教室を飛び出した。
友香は茜を追いかけた。


冬「茜らしくて逆に驚いたわ笑」

理佐「友香に内緒で入ろうだなんてとんだサプライズだよね」

私たちは二人で話しながら移動まで時間を潰した。

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友香side

あかねんがまさか私が就職する会社に一緒に就職するなんて驚いたけど、聞いた瞬間嬉しかった。
私に何も話さないで入ろうとしてる所は本当にあかねんらしかった。

私は私たちが大好きな場所に行く。この場所に行けるのは最後だなんて悲しいけど記憶には残る。


私は屋上の入口のドアを開けた。


菅井「やっぱりここにいた」

茜「何も躊躇しないで入ってきたね…鍵かかってるとか考えなかったの?」

菅井「私たちになんか会った時絶対ここに来てたからさ…絶対いると思ったから」

茜「…そっか。」


私はあかねんの隣に座りさっきの話をする。


菅井「あかねんが就職するなんて驚いたよ、しかも私も働く会社に…」

茜「…家は近いけどお互い時間合わなくて会える機会も少なくなるじゃん…だから一緒の会社にいれば会えるから。友香を支えることも守ることもできるし!」


私はあかねんのその言葉に感動して泣きそうになった。私はあかねんの手を強く握る。


菅井「昔から支えてくれたり守ってくれたりしてくれてありがとう…!でもここままじゃいつまでたってもあかねんに頼っちゃうよ…?」

茜「いいんだよそれで…だって私はゆっかーの恋人なんだよ?てか頼ってくれないと悲しいよ」

あかねんも私の手を強く握り返してくれる。

菅井「ふふっ、あかねん大好き!」

茜「私もだよ!」

私はいつの間にかあかねんのペースに流されていて言いたいことを言うのを忘れていた。

菅井「そうだ!あかねん!!」

茜「どうしたの?」



私は深呼吸をする。



大丈夫



私なら言える!





菅井「高校卒業したら一緒に住みませんか!」



茜「…えっ」


菅井「…私、高校卒業したら会社の近くに引っ越すの。だから会社以外会える回数は少なくなっちゃうと思うから…」


あかねんの顔を見るのが怖くて下を向いてしまう。


菅井「…私は茜とずっと一緒にいたいの!毎日隣でおはようもおやすみも言いたい!茜に何か辛いことあったらすぐに助けたいから!…だから…!」


すると茜は私を抱きしめた。


茜「…ゆっかー…いや友香、私も友香と暮らしたい…だから同棲しよう!」



菅井「うんっ…!!」




私たちはもうそろ時間だと思い屋上を出た。

そして教室に向かう。


菅井「…さっきから呼んでたけどこれからは茜って呼んでもいい?」

茜「もちろん…私も友香って呼ぶね!」

菅井「うん!!」

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冬「バカップルおかえりー」

茜「ただいまー」

理佐「話はついた?」

菅井「うん!無事に!!」

理佐「ならよかった」




小林「移動するので並んでくださいー!」




由依の合図で私たちは教室から出る。

名前順だとふーちゃんとゆっかーが前後で、少し後ろで私と茜が前後になる。

私たちは体育館の入口で待ち入場まで待機をする。

そして入場をした。お偉いさんの話が始まった。
私は眠気に襲われる。


茜「理佐眠いの?笑」

理佐「…めっちゃ眠い。」

今思うと入学式の時のお偉いさんの話は寝てたんだっけ。そしたらふーちゃんに起こされて…。


懐かしいな。思い出に浸りながら私は卒業式を受けた。



初めはこんな人生終わればいいなんて思ってた。

友達だっていらなかった。


でも今となればそれは全部逆になった。


周りも私も変化した。





小林「皆さん卒業おめでとうございます!これからは大学生として、そして社会人として頑張ってください!」




卒業式が終わり由依の一言が終わり、私たちは高校を卒業した。

4人で話しているといつの間にか周りの生徒はいなくなって行った。教室には私たちと由依だけだった。

冬「さーてと帰りますかね!」

茜「最後ぐらい寄り道して帰んない?4人で!」

菅井「賛成!寄り道とか初めてかも!」

冬「…でもまず理佐は少し小林先生と話してきな!私たち玄関で待ってるから!!」


そう言ってみんな去っていった。


小林「みんなに気使わせたかな?笑」

理佐「お節介ではあるけどね笑」

小林「…理佐ももう卒業かーあっという間だね」

理佐「そうだね…入学してすぐに由依と付き合ったこと今でも驚いてるよ笑」

小林「昔も入れたら何年も経ってるから大丈夫だよ笑」

理佐「…今日仕事終わったら会える?私の家来てよ」

小林「夕方になるかもだけどお邪魔するね、どうせ次の日仕事ないんだし泊まってもいい?」

理佐「わかった!ならご飯の準備しとくね」

小林「うん!」


私は教室から一歩出たところで振り向いて由依を見つめた。そして、



理佐「愛してる!」



そう言って教室を去った。










茜「おっ!話は終わった?」

理佐「うん、待たせてごめんね」

菅井「全然待ってないよ!寄り道ってどこ行くの!!」

冬「そうだなーコンビニ行ってアイスでも買う?笑」

茜「いいねー!」


私たちはコンビニに行ってアイスを買いくだらない話を沢山した。

すると夕焼けがさしてきて私たちは帰ることにした。


茜「暇だったら今度4人で集まろうね!!」

冬「わかったー!!」


私たちはお互いに手を振りその場を去った。



冬「聞いてなかったけど理佐って小林先生とどうするの?離れちゃうから心配じゃない?」

理佐「だから私の家で一緒に住むことになったよ?」

冬「えっ!?なら私も小林先生にすぐ会えるじゃん!」

理佐「まだ諦めてないの?笑」

冬「諦めてるよ!でも私にとってアイドルみたいな存在だから!」

理佐「そっか笑」


私はふーちゃんと別れて自分の家に向かう。


そして公園の前で立ち止まった。



理佐「…へんか公園か…確かに変化したよ」



私はへんか公園を初めて見た時からの自分の変化や周りの変化を思い出しながらまた歩き始めた。















次の日、私たちは引越しの準備を始めた。

由依の車で由依の家まで行き、由依の荷物を車に運び私の家に入れる作業。


作業は長引き気付けばもうお昼だった。



小林「朝早くから作業したけど結構時間かかったね」

理佐「始めたの8時くらいだっけ?確かに長い…」

小林「…まぁでも早起き出来たのがまずすごいことだよ…///」

理佐「ご、ごめんって…」


実は昨日は私の理性が持たず由依を襲ってしまったのだ。

小林「年下に手を出されるなんて…」

理佐「だから言ったじゃん?あまり子供扱いしてると後悔するよって笑」

小林「そうだけどー!」


やっぱり由依といる時間は楽しくて幸せだった。

この時間がこれから毎日あるなんて幸せでしかない。


小林「あっそうだ!理佐、愛してる!」

理佐「いきなりなに!?///」

小林「だって教室から去る時理佐もいきなり言ったじゃん!そのお返し!」

理佐「ううっ…///」


この関係が変化しませんように。




愛おしい由依を抱きしめながら私はそう思った。




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変化⑥まで見てくれた方ありがとうございました!

初のシリーズものでやっぱり慣れないところもあり下手でしたね…でも無事に完走出来て良かったです!

細かいところまでかけば結構な話数は言ってたのですが今回は省略でかきました!

また機会があればシリーズものをやってみたいと思います!