どこの病院へ行くべき?
もしも慢性疲労症候群かもしれないと思ったら、病院へ行って診察を受けましょう。最初に受診するのは内科がおすすめです。
慢性疲労症候群の診断が下されるのは、いくつかの検査をしても異常が見つからず原因不明の疲労感だと判明した場合のみ。まずは内科で体調不良の原因を探ることから始めるのが適切です。
慢性疲労症候群の診断に必要な最低限の臨床検査
- 尿検査
- 便潜血検査
- 血液検査(一般的な検査とより精密なものの2種類)
- CRP、赤血球沈降速度(またはシアル酸)
- 甲状腺検査
- 心電図
- 胸部レントゲン
最低でもこれら全ての検査をして、それでも体調不良の原因が見つからなかった時に、初めて「慢性疲労症候群」という病名が付けられます。
これらの検査は個人病院などの小規模な内科でも全てできることがほとんどなので、体調が悪い中時間をかけて遠くの病院へ行ったり、待ち時間が長い総合病院へ行かなくても大丈夫です。
ただし、担当した医師の見解によってはCTスキャンやMRIなどの精密検査をすすめられることもあり、その場合は検査機器のある大きな病院へ行く必要性も出てきます。
こういった複数の検査をしても体調不良の原因が特定できなかった時に初めて「慢性疲労症候群」という病名が付けられます。
また、疲労感や倦怠感のみが強く他に症状がないケースでも、ガンなどの大きな病気が潜んでいる可能性があります。
検査することで他の病気が見つかれば、そちらの治療ができるので、疲れやだるさが長期間続く時は病院へ行ってみましょう。
慢性疲労症候群の治療はどこで受けられるのか?
慢性疲労症候群の診断を受けた場合、どこで治療を受けるのかが次に問題になります。
慢性疲労症候群は日本国内だけでも30万人もの患者がいると言われているにも関わらず、原因不明で治療法も確立されていないことから慢性疲労症候群を病気として認めていない医師もいるそうです。
適切な治療を受けるためには、慢性疲労症候群に対して理解と知識がある医師や病院を探すことが大切です。
いくつかの大病院では慢性疲労症候群の専門外来を設けていることもあります。ただし、専門外来はとても数が少なく、現実的に通えない方がたくさんいます。
お近くに専門外来がない場合は、
- 心療内科
- 精神科
からあたってみてください。
他の診療科よりは慢性疲労症候群を扱うことが多く、適切な治療をしてもらえる可能性が高いです。
最近ではネットからそれぞれの病院の詳しい診療科目を調べることもでき、慢性疲労症候群の治療をしてもらえるかもネット上から確認できます。
慢性疲労症候群の有効な治療法や対処法
慢性疲労症候群は原因もメカニズムもまだまだ研究中の病気で、確実な治療法は見つかっていません。
そんな中で、有効だと考えられている方法が以下のものです。
回復力や免疫力を高める治療
慢性疲労症候群の特徴でもある疲労感や倦怠感の治療には、
- ビタミンC、CoQ10などを使った抗酸化療法
- 漢方薬などを利用した免疫活性化
などの投薬治療が有効とされています。
また、薬を使わない治療として、温熱療法が利用されることもあります。
この治療では体を温めることで、
- 新陳代謝を促す
- 筋肉の緊張をほぐす
- 血流を良くして免疫力を高める
といった効果が期待できます。
それぞれの症状への対症療法
体の痛みなど、それぞれの症状を緩和する薬による治療も行われます。
- 抗うつ薬や抗不安薬など
- 痛みや発熱があれば抗炎症剤や鎮痛剤
- アレルギーがあればその治療
慢性疲労症候群では身体的な疲労だけでなく精神的な疲労も強く、うつ状態や不安感への治療として抗うつ剤や抗不安薬が使われることも珍しくありません。
認知行動療法で疲労をコントロール
認知行動療法とは、自分の行動をよく観察し、症状に対してどんな対処をすればいいのか覚えていく治療法です。
- どんな行動をすると疲れやすいのか
- 事前にどんな準備をしていれば疲労が軽くなるのか
- 疲れた時はどんなことをすると回復が早まるのか
などを、日記やメモに書きとめて確認すれば、全てではなくても体調をコントロールできるようになります。
また、慢性疲労症候群の方は病気を理解されないことから、自分でも「もしかして怠けているだけなのかもしれない」と否定的になってしまうことも多いです。
そのため、症状に対しての認知行動療法だけでなく、疲労を感じる自分をどう評価するかなどの精神的な認知行動療法も行われています。
誤診が多いのはなぜ?慢性疲労症候群と似た症状の病気
慢性疲労症候群は症状に個人差が大きく、また疲労感や身体の痛みなど他の病気でもよく見られる症状が多いため、誤診されてしまうことも少なくありません。
まず、初診の段階で間違われやすいのが風邪などのウイルス感染です。倦怠感や身体の痛みと言ったら、誰でも最初は「風邪かな?」と思ってしまいますよね。
風邪薬や感染症の薬には痛みや疲労を緩和するものがあります。
服薬している間は症状がある程度おさまるので、慢性疲労症候群の発見が遅れたというケースもあるようです。
また、上でも少し触れたように、慢性疲労症候群はまだ比較的新しい疾患であることと原因不明で治療法も発見されていないことから医師に知識が不十分なこともあります。
数か月たっても症状が改善しない場合は、別な治療法を提案してもらうか、セカンドオピニオンを検討してみましょう。
慢性疲労症候群と間違われやすい病気
慢性疲労症候群と間違われやすいのが、以下の病気です。
- 心身症 ストレスが体調不良となって現れる
- 転換性障害(解離性障害) 随意運動(体を動かすこと)と感覚機能(視覚や聴覚などの五感)の働きが不十分になる
- 副腎疲労症候群 ストレスにより副腎の機能が低下し、免疫力や回復力が低下する
- 起立性調節障害(起立性低血圧) 血圧を上手く調節できず、めまいやしびれが起こる
どれもストレスや元々の体質が原因で体調不良が起こる病気です。これらは検査方法や診断が少々複雑なため、間違われやすいと言われています。
この他にも、疲労感や倦怠感に加え体の痛みが現れる糖尿病や関節リウマチと誤診されるケースもあるようですが、これらは血液検査で判明するためそれほど誤診は多くありません。
慢性疲労症候群と似たような病気
また、慢性疲労症候群と同じく、原因不明で身体的な不調が起こる以下のような病気も誤診されやすくなっています。
- 身体化障害(ブリケ症候群) 30歳前に発症するのが特徴で、何年にもわたって体の痛みなどさまざまな症状が続く
- 身体表現性障害 痛み、吐き気、しびれなどの身体的症状が長期間続く
- 疼痛性障害 ひどい痛みが続く
- 自律神経失調症 内分泌系のトラブルにより、さまざまな体調不良や身体の痛みが現れる
- 筋繊維痛症(FMS) 疲労感、筋肉痛、睡眠障害などが続く
どれも原因不明で、さまざまな検査をしても原因がわからなかった時に付けられる病名です。
特に筋繊維痛症は慢性疲労症候群と症状が重なりあう部分も多く、医師の中には2つの病気を同じものとして扱う方もいます。
慢性疲労症候群とうつ病との違い
慢性疲労症候群に似た病気の中でも、誤診されやすいのがうつ病です。
うつ病は気分的問題だけでなく、疲労感や体の痛みなど慢性疲労症候群と同じような症状があり、慢性疲労症候群の患者はうつ病のようにセロトニンの分泌が減っていることが多いため間違われやすいのです。
それぞれの病気の大きな違いは、特徴となる症状です。
うつ病患者は憂鬱な気分が辛いと言いますが、慢性疲労症候群の患者は疲労感や倦怠感が辛いと訴えます。
また、うつ病は喜びや興味が薄れるのに対して、慢性疲労症候群ではそのような症状はあまりないのが違いだと言われています。




