■村内の格差
 移動中に案内をしてくださっている方がある説明をしてくれました。それはこの村の伝統的な作りの家と最近作られた家の話です。伝統的な家は平屋建ての石造りで壁は灰色、屋根は橙色の年期の入った雰囲気である一方で、最近造られた家は3階建てが平均的だということでした。昔からグイユに住んでおり、そこそこのお金を手に出来てきた人たちは新しい家を買い、一階でe-wasteの分解・分別作業、2,3階で生活を行っているということです。

 なぜ住んでいる家が異なってきているのかを、グイユの人々の仕事や生活を踏まえて説明します。まず、e-wasteの分解・分別によって得られる賃金でありますが、高い方の人で一家族一日60元(日本円で約840円)、低いと一日30元程度だそうです。この差はe-wasteの人から人への流れが関わってきます。当然のことながら、e-wasteに含まれているもの中で価値があり取り出しやすいものは、鉄やアルミニウムなどです。そしてその処理が終わると次に価値があるもの、次に価値があるものと渡り、最後に手に入れる人は最も価値が低いプラスチックだけとなります。つまり、この村の中にも格差があったのです。この格差はどうやらもともとグイユにいた人と周辺からの出稼ぎ労働者として来た人の間にあるようです。そのため自然と元からいた人は平屋建ての一軒家に、外から来た人は3階建ての家に住んでいるようです。
 また、視察した時はは中国の祝日だったこともあり、数多くの子供が手伝いをしている姿が見られました。



 次に生活ですが、最も深刻なのは水です。写真だと分かりにくいのですが、川の水が黒いのです。それは、e-wasteを処理している過程で流出した重金属などが原因であるが、そのような水は飲めるはずがありません。そこで近隣の村から水を汲んで来て売るという商売が発生します。余談でありますが、夏の暑い時期になると、黒い川の中で遊んでいる子供の姿を見られることもあるらしいです。なんともぞっとする話です。

$Resources & 3R Revolution (RRR)のブログ ~循環型社会を目指して~









 



 村周辺の変化
 実はグイユの周辺の村のいくつかでもe-wasteの処理が盛んになってきているのだそうです。見学をしている中で、2,3年前はここは農村だったんだと言われたところが、廃家電の町と化しているところもありました。
 周辺の村の様子は、グイユとさほど変わりません。ただ変わるのは家がボロボロのトタンで出来たような家が多いことです。ここでは、荷物もカメラも何も持たないという条件のもと二人一組で歩かせていただいきました。すると車では見えてこなかった光景が見えてきます。それは、一つ一つの家の中の光景です。家の中で床に座り黙々と解体している姿。一応非合法の意識があるのでしょうか、私たちが作業の様子に歩きながら目を向けると皆が見返してきます。また移動の途中、ほとんどがe-waste関係の車が次々と乱暴な運転で走り去っていきます。余裕が出てきてもっとしっかり見ると、家電のはじめの方のネジをとる作業では、機械を使っていたり、人によってはグローブをしていました。彼らはおそらく金属を分解しているので、それなりにお金に余裕があるのでしょう。
 分けられた金属は本当にきちんと選別されており、目を見張るものがあります。機械ではなかなかここまでの分別は出来ないと思いました。ちなみに、金属だけではなく“plastic職人”もいます。プラスチックを燃やし、臭いをかぎ、プラスチックの種類を分別出来るそうです。その技術には恐れ入ったが、健康への影響を考えると素直に簡単の拍手を送ってはいけない気がして思わず苦笑いをしてしまいました。



$Resources & 3R Revolution (RRR)のブログ ~循環型社会を目指して~


$Resources & 3R Revolution (RRR)のブログ ~循環型社会を目指して~


よろしければプロジェクトHPの方もご覧下さい。
⇒http://rrr.eco-2000.net/index.html
これから数回にわたってe-waste問題の被害が深刻となっている貴嶼(グイユ)で見てきたことを紹介していきます。

e-waste問題とは、使用済みのテレビ、パソコン、冷蔵庫等の電気電子機器であって中古利用されずに分解・リサイクル又は処分されるもの(E-waste)が輸出されており、これらのE-wasteには鉛等の有害物質が含まれているために、輸出先の途上国、特にアジア地域を中心に環境及び健康に悪影響を及ぼしているというものです。


電子廃棄物が世界中から集まっている香港近くの村貴嶼(グイユ)にエコ・リーグRRRプロジェクトのメンバーが2011年9月に訪問した時の記録を書きます。訪問前の私にとっては本やインターネットによる知識のみがある全くの実感のわかない土地でした。

ガイドを担当してくださった方が手配してくださった車に乗ってグイユへと向かいました。グイユの説明をする前にキーワードとなると私が感じたのは家内工業ということです。グイユでは家族単位で家電のリサイクルをしていますが、隣の村は多くの家で下着を作っています。
意外に思う方も多いかと思います。世界中から集まってくるんだから集団でリサイクルを機械的に行っているのではないかと。実際に行ってみてわかりますが、小さな家で家族ぐるみ(子供も含む)でリサイクルを行っています。
町が近づいてくると徐々に金属部品が柵の中や袋に入っていたり室内で何かを仕分けしている光景が見えてきます。車での移動の中、はじめは本当に指摘してもらって気付き振り返り写真を撮らなかったことを後悔するといった具合でした。


Resources & 3R Revolution (RRR)のブログ ~循環型社会を目指して~
グイユ周辺の写真。だんだんこの光景が激しくなっていきます。

それが、村のすぐ近くから村に入るにつれて様子が変わってきます。先ほどまで稀であった光景があたり前になってくるのです。金属部品やプラスチックの入った袋、テレビやラジオなどの家電が当たり前のようにそこら中に積まれ、それらの細かい部品があちらこちらに散乱しています。大きなトラック、小さな荷台を持った車があふれんばかりの家電や基板などを運んでいます。そこまでいくと、よほどひどいことをしているという意識の無い人の心の中には「違法」という意識は無いように思えました。


Resources & 3R Revolution (RRR)のブログ ~循環型社会を目指して~
Resources & 3R Revolution (RRR)のブログ ~循環型社会を目指して~



それから車は進み、町のとある場所で止まりました。人が作業をしているところでは外に出ての写真は当然無理であるし、歩くこともままなりません。そこで、人が周りにいないプラスチックなどを燃やした後の場所に連れて来ていただいきました。外に出られるとの思いから少し気分高く車の外に降ります。しかし、表情は決して晴れませんでした。そこにいるハエの多いこと、煙がまだ立っていたがその煙の臭いのきついこと、それに当り前であるが目の前に広がっているのはゴミの山です。どこか憂鬱な気分になりながら見学をしていると、案内をしてくださっているが声をかけてきた。どうしたのかと思ったら、日本語で書かれた紙などが落ちていました。つまり、これは日本からはるばる捨てられたことを示しています、径路は全く違うが約2日かけて日本から私たちは到着しており、それだけの時間と手間、違法という壁を乗り越えてここまで来ているのです。


Resources & 3R Revolution (RRR)のブログ ~循環型社会を目指して~


車に戻り、車に入ってしまった大量のハエと戦いながら、グイユの中心部の方へ向かいます。もうe-wasteだらけの様子に驚いたりはしない。悲しいことに私自身日本では様々な法律に引っ掛かりそうなことに慣れてしまったようでした。現地の人はもっと長いこと住んでいるのだからやはり慣れてしまったのだと思います。


よろしければプロジェクトHPの方もご覧下さい。
⇒http://rrr.eco-2000.net/index.html

昨日は新メンバーを加えミーティングしました。

とりあえず、決定事項は・・・

4月に早稲田大学理工学部で

小型家電回収のキャンペーンをやります!

(もっと決まったんですが今回は2時間30分と長かったんで
全部はかけません)



これから、忙しくなりそうな予感。




詳細はまたブログでも紹介します!




そろそろ自分以外の人にブログかいてもらいたいなー