「なぁー何怒ってんの?」
「……別に。」
「沢尻エリカさんですかねー?」
ブフッと笑う彼。
さっきからもうずっと、この繰り返し。
別に何かされたわけでもないし、
彼にそんなつもりもないのは分かっている。
…いや、分かってやってんのかな?
○○ちゃんは、ぷんぷんしてるんですかねー?」
っっだからぁー!
可愛いんだってば!!
なにその萌え袖。
そんなダボダボの服着ちゃって…
その反面チラッと見えるその手足のゴツゴツした感じとか…
可愛い上に男らしいってなに?!
究極じゃん!!
コホンっ…
「…別に。」
「こりゃ沢尻さん憑依したかな?
おかしいなー、俺は○○ちゃんと一緒に居たはずなのになぁ?」
なんて、首を傾げてる。
もうぅっ、
それも可愛いんだけど。
と、そんなことは口に出さずに、
プイッとそっぽを向く私。
その瞬間、目の前の景色がグラリと変わり、
私は思わず目をぎゅっと結ぶ。
そっと目を開くと、
彼に後ろから抱きしめられて、
彼が着ていたパーカーの中に、私もすっぽりハマっていた。
「やぁーっと捕まえた♡」
「え?」
あれ。
なんか嬉しそうな顔…?
「…もしかして、これをするために、
そんなおっきな服着てたの?」
「で、なんで○○ちゃんはぷりぷりしてたのかな?」
ふぅーん、
無視ですか。
「別に。」
ふふッと優しく笑うと、
私を抱きしめる彼の腕の力が少し強くなる。
「じゃあ、○○の機嫌を取る為に
キスしてもいいかな?」
急に
男らしくなっちゃうとこも。
好き。
「……いいとも」
「タモさんかよっ🤣」
甘い時間。