りりーです。
妄想の話です。
読んでね。
〜ヤマラバ〜
翔〜
智の心が、
読めない、
だから、どうしても会わなきゃ、
確かめたい、
それだけの感情で、智にメールをして、
智のマンションに急ぐ。
インターホンを鳴らしても、
なかなか返事がなく、
スマホを取り出し、着いたことを伝えると、
「空いてる」
それだけ返事がきて、
ドアをそっと自分で開け、
中に入ると、
いつもなら、玄関で待つ智の姿が見えない。
不安でいっぱいになる。
リビングに進み、
部屋を見渡すと、
隅っこに膝を抱えて丸くなっていた。
なん、、なんだ、、?
「さ、さとし、、?なんでそんなとこにいんの?ふふふ、、」
俺はワザと気にしてない風に、少し笑って声をかけた。
が、智の返事はなく、
今度は顔まで膝にくっ付けた。
俺は側に行き、
頭を添わせて、
「何、、?どうしたの?そんな格好して、、何かあった?話聞くから、、あっち、、いこ、、?」
そう言って脇を抱え、抱き上げるように引きずって、ソファに座らせた。
肩を抱き寄せ、
頭に唇を付けて、
「さとし、、大好きだよ、、」
そう囁くと、
智の肩が、小さく震えだす。
それでも、俺は怯まない。
ギュッと肩を掴み、
震えを止めて、
「俺はね、、何があっても智の味方だし、一生大好きだから、、」
「しょ、、、お、、」
「うん、、」
泣き出す智を抱きしめる。
これでいい、
今日の話はこれ以上進めない、
これで終わりにしよう、
俺は智の顔を上げてキスをしようとした。
すると、智が小さな声で、
「しょ、、くん、、おし、、えて、、」
え、、
んぐっ、、
俺は智の言葉に一瞬凍りついた。
けど、すぐに気を取り直し、
聞こえないふりをした。
「智、、愛してる、、」
そう言ってまた、智の顔を引き寄せようとした。
けれど、
智は身体を硬くして、ピクリとも動かない。
「……ん、、?何?何を知りたい、、?」
「しょ、、くん、、、前に言ってた、もひとりの付き合ってる人って、、だれ、、なの?オイラの、、オイラの、、」
「え、、?」
少し間があった。
「オイラの、、知ってる、、、、、ひと、、?」
そう言いながら、智は俺をしっかり見た。
どうしよう、、
違うと言いたい。
"知らないやつ、"
そう言い切りたい。
けど、
智のあの目で据えられて、
俺はどうしていいか分からなくなった。
〜続く〜