目が覚めたのは、いつの事だろう。
脳死状態だったらしい。血を洗い流し、薬を全部出した。
脳死だから、先生は、臓器提供を話した。
母は、「そんな技術があったら、助けてください!」と叫んだ。
運よく、新しい医療器具が届いて、先生は手をパチンと鳴らし、
「助かるよ。」と、告げた。
そして、何日も昏睡から覚めた。
目がぼやけ、力も入らず、父の顔が見えた。
ごっそり痩せたようにも見えた。
精神科の病棟ではないので、個室を用意してくれた。
それから、コップを握る練習。
目の焦点を合わせる練習を自分した。
幻聴は、その時だけ消えていた。
夜になると、先生が話相手に来てくれる。
体は、床ずれで、真っ赤にちに染まっていた。
トイレはいかず、チューブに繋がれたまま。
食事もせず、点滴。
そして、何故か、腕と鼻の皮膚がくっついて、
ひどい顔になっていた。
何か吹っ切れた気もしていた。
昏睡状態の時、遠くにいる兄も呼び出されていた。
家族が集まったのだ。
なんか気分も優れていた。
でも、精神科の先生と面会した時、すごく怒られた。
それが、あの頃の私には、すごく怖かった。
もう、何も語れなくなった。