おはようございます。
炭酸水を飲むと異様にトイレが近くなるパーカーです。
なんでだろ?ちょっと気になります。
さて今回は大学時代にお世話になった恩師のお勧め図書をご紹介します。
「こんな精神科医に会いたかった 魂の手紙治療」
(マルク・デ・ヘルト/フェリックス・スぺランス作 野田隆文 訳 2006)
ざっくり説明すると
30年間のうちに10回以上、入退院を繰り返し
「生きていることが無意味」と感じ苦しんでいたフェリックス氏と
精神科医マルク氏の「手紙のやり取りによる治療」の記録です。
なお、手紙と言うやり方を提案したのは
フェリックス氏からの様です。
対人サービスに従事している方はご存知かと思いますが、
文書でのやり取りはかなり難しいです。
まず、時間がかかります。
ニュアンスを文字にするのが難しい。
言葉の意味も人によって違うし、
何よりタイムラグがあるので「テンポ良く物事を進める」には向かないと考えています。
しかしながら「言いたいことを整理して説明できる」
「面と向かって言いにくいことはいいやすい」という利点はあります。
どんな感じなんだろうと思いながら、再度読み直してみました。
<感想>
精神科の治療、対話の極意、醍醐味がここにまとめられてると感じました。
手紙のやり取りですが、
ここでも「相手の事を見た」血の通った治療がなされているように見受けられました。
私は医者ではないのですが、
患者さんやご家族と接する時に大切なことは
①精神疾患のこと、本人の病状をちゃんと本人に説明する。
②家族にもその症状や特性、禁忌を伝えて協力を依頼して行く。
③その人の病気だけではなく、症状悪化の原因になっている事柄にも(興味は無くとも)目は向けておく。
④本人の苦しみについて了解不可の場合であっても、部分的でもいいので理解しようと試みる
上記4点だと思っています。
はっきり言ってここら辺ができない方はいっぱいいます。
フェリックス氏の場合も
ご自身の病気に関する質問、今まで受けてきたの精神科医療への不信、疑問が書かれております。
他に
妄想について赤裸々に描かれていたり、苦労、苦悩、提言などが生々しく書かれています。
「生きることにつかれた。生きることは無意味だ」と絶望していることも多かったです。
因みに、昔の精神科医療はまさに「闇を手探り」でした。
お薬は何がきく、副作用はどうだ、どういう治療がいいのか判らない状況下だったのです。
今では使用に注意すべきだったり、普通使わない強いお薬を、
当時は「効く」と言われ大量に飲まされ、患者さんが苦しい思いをしたという事もあったそうです。
フェリックス氏もその被害者(?)だったそうです。
そこに関して、マルクDrはちゃんと
背景、現状を説明していました。
また、マルクdrに妻から手紙が来ていました。
その手紙にはフェリックス氏の家での様子、妻の不安や疑問が書かれておりました。
ここでも精神疾患、精神科分野の一般的知識の教育や
妻への協力依頼をされておりました。
家族の理解、協力があることは「何よりの武器」になりますね。
精神科あるあるじゃないですけどご家族と話していると
よく「どこまでが病気で、どこまでが本当の○○さん」なのかとよく聞かれます。
病気だから○○になってしまうのか…。それとも性格なのか…。
マルクdrもそうでした。
これに関しては「とても難しい」とマルクdrは答えられていました。
お医者さんの視点でも明確には判り兼ねるものなんですね。
個人的には「○○までが病気だからどうする」というよりも、
すべてひっくるめて、その人をみてで「さあどうするか」だと思います。
病気の特性、いやなこと、辛いことを知ってあげれば、どうすればいいかおのずと見えてくるのではないかと思います。
とはいえ現実的にはいろいろ難しい所もありますが…。
最後にフェリックス氏が話した言葉が印象的でした。
それは
「精神科医療的な地域ケアの必要性。」
つまり「障がいがあっても、社会と折り合いをつけて生きられる」支援と治療が必要ということ。
経験のある方の言葉は重い。
僕ら精神科にかかわるものは当事者さんから学び、一緒にどうしていくか考えて行く必要があると改めて感じました。
因みにフィリックス氏。
今、症状が良くなりデイケアに通い、アート作品をいくつか展示したサイトを設立したり、さまざまにプロジェクトを立ち上げているようです❤
〈まとめ〉
人は自然と「悪い部分」だけで人を見てしまいがちですが、部分ではなく、全体で人を見る。
すべてが混ざり合って1つになっているという事を忘れないようにしたいな。と感じました。
精神科、当事者理解に興味がある方にお勧めです!!
炭酸水を飲むと異様にトイレが近くなるパーカーです。
なんでだろ?ちょっと気になります。
さて今回は大学時代にお世話になった恩師のお勧め図書をご紹介します。
「こんな精神科医に会いたかった 魂の手紙治療」
(マルク・デ・ヘルト/フェリックス・スぺランス作 野田隆文 訳 2006)
ざっくり説明すると
30年間のうちに10回以上、入退院を繰り返し
「生きていることが無意味」と感じ苦しんでいたフェリックス氏と
精神科医マルク氏の「手紙のやり取りによる治療」の記録です。
なお、手紙と言うやり方を提案したのは
フェリックス氏からの様です。
対人サービスに従事している方はご存知かと思いますが、
文書でのやり取りはかなり難しいです。
まず、時間がかかります。
ニュアンスを文字にするのが難しい。
言葉の意味も人によって違うし、
何よりタイムラグがあるので「テンポ良く物事を進める」には向かないと考えています。
しかしながら「言いたいことを整理して説明できる」
「面と向かって言いにくいことはいいやすい」という利点はあります。
どんな感じなんだろうと思いながら、再度読み直してみました。
<感想>
精神科の治療、対話の極意、醍醐味がここにまとめられてると感じました。
手紙のやり取りですが、
ここでも「相手の事を見た」血の通った治療がなされているように見受けられました。
私は医者ではないのですが、
患者さんやご家族と接する時に大切なことは
①精神疾患のこと、本人の病状をちゃんと本人に説明する。
②家族にもその症状や特性、禁忌を伝えて協力を依頼して行く。
③その人の病気だけではなく、症状悪化の原因になっている事柄にも(興味は無くとも)目は向けておく。
④本人の苦しみについて了解不可の場合であっても、部分的でもいいので理解しようと試みる
上記4点だと思っています。
はっきり言ってここら辺ができない方はいっぱいいます。
フェリックス氏の場合も
ご自身の病気に関する質問、今まで受けてきたの精神科医療への不信、疑問が書かれております。
他に
妄想について赤裸々に描かれていたり、苦労、苦悩、提言などが生々しく書かれています。
「生きることにつかれた。生きることは無意味だ」と絶望していることも多かったです。
因みに、昔の精神科医療はまさに「闇を手探り」でした。
お薬は何がきく、副作用はどうだ、どういう治療がいいのか判らない状況下だったのです。
今では使用に注意すべきだったり、普通使わない強いお薬を、
当時は「効く」と言われ大量に飲まされ、患者さんが苦しい思いをしたという事もあったそうです。
フェリックス氏もその被害者(?)だったそうです。
そこに関して、マルクDrはちゃんと
背景、現状を説明していました。
また、マルクdrに妻から手紙が来ていました。
その手紙にはフェリックス氏の家での様子、妻の不安や疑問が書かれておりました。
ここでも精神疾患、精神科分野の一般的知識の教育や
妻への協力依頼をされておりました。
家族の理解、協力があることは「何よりの武器」になりますね。
精神科あるあるじゃないですけどご家族と話していると
よく「どこまでが病気で、どこまでが本当の○○さん」なのかとよく聞かれます。
病気だから○○になってしまうのか…。それとも性格なのか…。
マルクdrもそうでした。
これに関しては「とても難しい」とマルクdrは答えられていました。
お医者さんの視点でも明確には判り兼ねるものなんですね。
個人的には「○○までが病気だからどうする」というよりも、
すべてひっくるめて、その人をみてで「さあどうするか」だと思います。
病気の特性、いやなこと、辛いことを知ってあげれば、どうすればいいかおのずと見えてくるのではないかと思います。
とはいえ現実的にはいろいろ難しい所もありますが…。
最後にフェリックス氏が話した言葉が印象的でした。
それは
「精神科医療的な地域ケアの必要性。」
つまり「障がいがあっても、社会と折り合いをつけて生きられる」支援と治療が必要ということ。
経験のある方の言葉は重い。
僕ら精神科にかかわるものは当事者さんから学び、一緒にどうしていくか考えて行く必要があると改めて感じました。
因みにフィリックス氏。
今、症状が良くなりデイケアに通い、アート作品をいくつか展示したサイトを設立したり、さまざまにプロジェクトを立ち上げているようです❤
〈まとめ〉
人は自然と「悪い部分」だけで人を見てしまいがちですが、部分ではなく、全体で人を見る。
すべてが混ざり合って1つになっているという事を忘れないようにしたいな。と感じました。
精神科、当事者理解に興味がある方にお勧めです!!