「どうする家康」五徳の孤独 | 東海愛知新聞『矢作に住んでみました』バックナンバーはコチラ

「どうする家康」五徳の孤独

 

2023年5月28日放送 第20回「岡崎クーデター」

 

 

武田軍に攻められた岡崎城

 

短い時間の間に、

 

さまざまな人間模様が、浮き彫りとなり

 

数正が言っていたように、膿が出た

 

 

 

大岡弥四郎のいうことはわからんでもないが、

 

この時代、どこの武将に仕えても同じようなことだと思う

 

 

 

徳川軍の場合、特に信長や秀吉に

 

いいようにこき使われたと聞くから

 

家康以上に、家臣たちの精神状態も良くなかったということも

 

あったかもしれんね

 

 

 

それにしても、

 

いい世の中とは、

 

いいもの食べて、いい酒飲んで、いい女抱いて、

 

というのとは、

 

ちょっと違うんじゃねって思うけどね

 

そういうことを一番に主張するのがトップに立ったら

 

また同じ世の中になるんだわ

 

 

 

裏切った上に捕まってしまったから、

 

どうなってもいい心境となって

 

言いたいことをぶちまけたのかもしれんけどね

 

 

 

 

それを、五徳は

 

できる限りのひどい仕打ちを与えて欲しいと言った

 

城内が戦場と化したときは

 

頭に白いものは巻いているものの

 

端の方で俯いて、動けなかった

 

五徳

 

 

 

 

 

 

それを瀬名は言い聞かせようとした

 

 

私も、

 

なんて酷い女だ!

 

なんて酷い嫁なんだ!

 

その時は瀬名と同じ気持ちだった

 

でも

 

一晩たってから考えてみると

 

五徳の孤独がどれだけ大きかったのかということに

 

気がつくようになった

 

恐怖や暴力で人を縛り付けようとする人間の

 

本質は自信のなさである

 

 

 

五徳は9歳で親元から離れ

 

岡崎に嫁いでいるという

 

 

信長の娘というプライドとブランドだけが

 

五徳の生きる全てだった

 

 

 

自分の生まれ育った家柄よりも、格下と言われる一族に嫁ぎ、

 

母親とも離れ離れとなり、

 

五徳は、岡崎にきてから誰にも甘えられず、弱みを見せられず、

 

常に虚勢を張ることで、威厳を保ってきたのだろう

 

 

 

 

あの時は

 

戦場となった城内の、あまりの修羅場を見て

 

恐ろしさに身がすくみ、

 

徳川家に嫁いだ自分を呪い、

 

孤独に苛まれていたのだ

 

 

 

 

 

 

 

しかし、

 

自分の弱い部分は見せたくない

 

怯えている自分に驚き戸惑いつつも

 

弱音は吐けないというプライドに

 

思わず、傲慢なセリフを吐き出す

 

 

 

あんな汚い男どもには触りたくない

 

自分はそんなことをするような、人間ではないのだ

 

お前たちとは立場が違うのだ・・・

 

 

 

しかし、同時に

 

恐ろしくて体の震えが止まらない・・・

 

そんな弱い自分は気づかれたくない・・・

 

 

 

 

本当ならば

 

誰かに、そっと支えられながら柱の影に連れていかれ

 

 

 

大丈夫ですか、

 

あなたのことは私が必ず守りますよ、

 

大丈夫ですよと

 

 

 

心の底から、誰かに大切にしてもらいたかったのに

 

 

 

瀬名のいうことはもっともだった

 

しかし、格下の者のいうことを聞く自分を

 

誰にも見せたくはない

 

 

本当は

 

 

怖くて、心配で、たまらないのに

 

自分をわかってくれる人がいない

 

安心して

 

泣きつける人が

 

甘えられる人が

 

いなかった

 

 

 

 

 

 

実は、

 

こういう女子って、現代にも結構いる

 

 

 

 

若い頃だったら、

 

自分にもこういう面があったような気がする

 

 

 

でもそのうちに

 

そういう若さゆえのプライドが

 

なんと、くだらないんだって

 

気がつく時が来る

 

 

 

五徳と、瀬名と、信康のその後は

 

広く知られた悲劇である

 

 

 

 

そのきっかけを作ったとされる

 

五徳だが

 

再婚は、わざとしなかったのか

 

信長が亡くなり

 

利用価値がなくなったためか

 

長生きをした割には

 

愛する人の影が見えない

 

現在の岡崎城。この時代はまだ天守閣がない屋敷城だね〜

 

 

瀬名には浜松行きを勧めながらも

 

瀬名や家康が、寂しい思いをしているのではと

 

本音で心配する顔も見せたのに

 

思いやる気持ちは汲んでもらえなかった

 

 

 

 

私が五徳の立場だったら

 

瀬名には

 

とっとと浜松に行ってほしい

 

 

 

なんで自分の夫ではなく

 

息子に執着し、嫁の仕事の邪魔をするのか

 

なぜ、夫の愛情を嫁から奪うのか

 

 

 

 

そこから

 

大きな不信感もつもりに積もっていたと思う

 

 

 

 

 

プライドの高さから

 

自分の弱さを、さらけ出せない女は悲劇だ

 

さらけ出しちゃった方が、可愛いのに