ニコニコで、悪ノ娘のロザンver.があったので、それをベースに物語を書きました。
☆☆☆
むかしむかし、ある所にラフ国という悪逆非道の王国がありました。
その頂点に君臨するのは、顔の幼き王子様でした。
王子様の食事や衣服は、とても豪華で、気心の知れた召使いが傍にいました。
スガエモンという愛馬までいました。
ラフ国の全ては、王子様の物でした。
城のお金が無くなれば、国民から高い税金を取りました。
そのせいで、国民はどんどん貧しくなって行き、王子様に逆らう者がいようものなら、次々に殺してしまいました。
王子様にとって、自分が花ならば、自分以外の者は雑草にでしか過ぎなかったのです。
そんな王子様は、召使いの事が大好きでした。
たとえ同性同士だろうと、王子様には関係ありません。
王子様の恋を批判する者は、殺せばいいのですから。
しかし、召使いは東のインテリ国に出掛けて行く事が、日に日に多くなっていきました。
王子様に反感を買った王宮の者が殺されていく為に、今の大臣達では人手が足りないからです。
召使いは、インテリ国から帰って来た後は直ぐに王子様の所に飛んで行き、王子様を力いっぱい抱きしめました。
召使いは、沢山沢山「ごめん、ごめんな…。」と言いました。
王子様はその時は満足でした。
しかし、次の日召使いがインテリ国に行くと、やはり寂しくて泣いていました。
泣き声を聞きつけた大臣が部屋に飛び込んで来ました。
王子様は、ある名案を思い付きました。
こうすれば、召使いは自分の傍にいれる…。
王子様は、大臣にこう言い放ちました。
「東の国…インテリ国を滅ぼしてや!!」
命令を受けた大臣は、急いで軍を配備しました。
インテリ国の街は焼け、数々の命が失われていきました。
火中の中、何とか帰って来た召使いに王子様は抱き付き、そっと囁きました。
「もう、勝手にどっか行くなや。」
インテリ国を滅ぼした王子様に復讐をすべく、インテリ国の生き残った人々が立ち上がりました。
その怒りは、ラフ国の国民にも広がりました。
王宮を守る為の軍は、インテリ国との戦いの直後で疲れ果て、敵ではありません。
ついに王宮は囲まれて、家臣達も逃げ出しました。
召使いは、こうなったのは自分がインテリ国に行ったからだと責任を感じていました。
「全ては私の責任です。」
そう召使いが言うと、
「俺はもう何もいらない。」
と王子様は泣いて言いました。
召使いは唇をキュッと噛み締め、王子様の手を取りお城を2人で抜け出しました。
召使いにとって、王子様は光。
国民や王宮の人々は王子様を悪だと言うけれど、本当の悪は王子様を泣かす自分だと思っていました。
逃げ続け、たどり着いたのは西の果てでした。
召使いが生まれ育ったピーム国。
ここまでくれば、誰も王子様を知らない為、追っ手は来ません。
王子様は安堵の息を漏らしていましたが、召使いは自分が犯した罪を許せないでいました。
王子様が召使いの方に振り向くと、召使いは俯いていました。
召使いは首に手をやりました。
その手には、キラッと光る物がある事を王子様は見つけました。
その物は…ナイフでした。
召使いは、ナイフを首に当てて、悲しげな表情で、しかしちょっと微笑んでこう言いました。
「すぐ、終わるから。」
言い終えると同時に、召使いはナイフを首に突き刺しました。
王子様の前にいるのは、鮮血を浴びた召使いの姿。
強く握った手の感触も、抱きしめた時の匂いも、照れた時に頭を掻く仕草も、いつもくれた笑顔も、もう、戻って来ないのです。
「うわぁぁぁぁぁ!!」
まだ温もりのある体を抱きしめ、王子様は大声をあげて泣きました。
何もかも無くし、王子様に残ったものは『孤独』でした。
後の人々は、王子様の事を『悪ノ王子』と呼びました。
彼らが、本当の歴史を知るのは、もっと後の事でした…。
☆☆☆☆☆
すみません、何か駄作になってしましました(汗
あ、ちなみにピーム国ってピーマンをカッコ良く言っただけだから(笑)