以前ドックラン&カフェを創ったロイ君ママです
今日はロイ君にドックランを創ることになった話の前に少しパテラについてお話しようと思います。
前回の記事でお話ししたように愛犬ロイ君がパピーの頃にパテラグレード1と診断されてから、筋肉量を増やすために、安全にたくさん遊べる場所を探していた私は、出会った一軒家にドッグランをつくる事になるのですが、まずは愛犬の悩みをシェアしたいのでパテラについて書いてみます。
わたしもこの記事を書きながら一緒に学びたいと思います。
皆さんはパテラって知っていますか?
わかっているようでわからない方も多いと思いますがパテラは若齢の小型犬に多い脱臼の症状です。
まず、トイプードルなどの小型犬が抱えるパテラのほとんどは内方脱臼です。
パテラとは膝蓋骨(膝のお皿の骨)が正常な位置(滑車溝、大腿骨の溝)から逸脱し脱臼してしまう病気のこと。
内方脱臼や外方脱臼などと呼ばれています。愛犬の犬種によってどちら見てみましょう。
内方脱臼は、膝蓋骨が内側に向かって外れることを指します。
つまり、膝の中心から離れる方向に脱臼が起こります。
内方脱臼が起こると、犬の膝が内側に傾いてしまい歩行や運動が不安定になります。
トイプードルなどの小型犬のほとんどが内方のようです。
外方脱臼は、犬の膝蓋骨が外側に向かって脱臼することを指します。
外方脱臼はダックスフンドや大型犬で、膝が外側にずれてしまい歩く際に痛みを感じることがあります。
膝蓋骨脱臼(パテラ)の原因
パテラの発症は遺伝的な原因(先天性)がほとんどです。
生まれつきの大腿骨滑車の異常、筋肉のバランスなどといった先天性がほとんどです。
先天性の場合は、若齢でパテラは発症し、両方の後ろ足に症状が出ることも少なくありません。
ケガや事故、咬傷などといった外傷が原因となる事は稀と考えられています。
パテラが起こりやすい犬種
- ポメラニアン
- トイプードル
- ヨークシャテリア
- マルチーズ
- チワワ
若齢の小型犬でパテラ(内方脱臼)が起こります。
初回、2回目のワクチンの頃に症状が出る子もいます。
パテラで痛がらない場合は放置しても大丈夫?
パテラで痛がらずに、後ろ足を伸ばして愛犬が自力で脱臼を直すような行動をしていませんか?
そのような場合、実はパテラを繰り返してクセになっており、今後進行する可能性があるため
放置せずに動物病院を受診するのが推奨されるようです。
パテラが進行すると、関節炎や前十字靭帯断裂などが合併症として起こり、強い痛みを感じるようになるからだそうです。
パテラの初期症状
パテラの初期症状には、以下のような正常とは異なる歩き方や様子が認められます。
- 階段やベットなどの高い場所に登らなくなった
- スキップのようにピョンピョン歩く
- しゃがむように後ろ足を曲げたり、フラフラと歩く
- お姉さん座りをする
- 突然キャンと鳴いて痛そうに足をあげる
- 後ろ足を曲げ伸ばしすると、膝の関節がコキコキと音がする
- 膝をかがめ、X脚(外反膝)、またはガニ股(O脚)になっている
運動中に急に後ろ足を挙げてしまったり、走るとスキップのようになってしまうことがあります。
足の違和感のために運動を嫌がるようになってしまう子もいます。
中には、足の痛みをかばう為に、片足を太ももより外側に出してお姉さん座りをするようになることもあります。
ロイ君の場合、3歳時の診断に至った経緯は、何の症状もなかったところから、ある日片足をあげてキャン!とないてケンケンした所から、たまに外れては自分で入れてという症状が出てしまうようになったからでした。
初めは蛇にでも噛まれたのかとびっくりしましたが、その後ふつうに歩き出すので理由がわからずに困惑してしまいましたが、病院に行くと原因がわかりました。
元々後ろ左足の受け皿が浅く骨が外れやすかったロイ君のお膝、よく考えてみたら小さい頃からお姉さん座りも多かった、なぜ発症に至ったかの要因は様々のようですが、やはりフローリングや階段、ボール遊びのターン時の負荷などがありそうです。
熟練した獣医師による適切な治療や手術を受ける事でパテラの症状が改善しほとんどの症例が昔のように歩く事ができます。
膝蓋骨脱臼(パテラ)の合併症
膝蓋骨が脱臼することで軟骨が損傷し時間の経過とともに進行する変形性関節症や膝の中にある前十字靭帯の損傷や断裂などの2次的な合併症につながり、これまで以上に痛みを強く感じ てしまう場合があります。
触診による脱臼重症度のグレード分類
X線検査
整形外科学的検査で精査が必要と判断した部位のX線検査を行い、関節や骨の状態をより詳細に調べます。
CT検査
骨格の変形が大きい場合には、CT検査により変形を3次元的に評価することがあります。
膝蓋骨脱臼【パテラ】の治療方法
パテラを放っておくとどうなる?
放っておくと関節炎が進行し、将来的にうまく歩けなくなったり、立てなくなったり、靭帯が切れるケースもあります。
パテラは手術をせずに治せますか?
運動療法 軽度のパテラ(グレード1,2)のほとんどの場合は、手術をせずに治療することが可能です。
運動することは、ひざのまわりの筋肉を鍛えるため膝蓋骨が大腿骨の溝から外れるまた、運動で体重を軽くすることによって膝への負担を減らすことも効果的です。
【内科(保存)療法】
関節のサプリメントを使ったり膝の負担になる運動を制限することで膝蓋骨脱臼の悪化や関節炎の進行を遅らせ、病気とうまく付き合って生活することを目標とします。
【外科療法】
障害の強い膝蓋骨脱臼は、物理的な異常により膝が伸ばせないことが問題となる疾患のため、一時的な痛みが問題となっている場合を除いて、痛み止めなどの内科的な管理で症状が改善する疾患ではありません。
状態を改善させるための根本的な治療は、手術による脱臼の整復のみとなります。
そのため、症状が出ている場合や、膝を伸ばす機能の障害が強い場合には、手術による治療が推奨されるようです。
また、若いワンちゃんで重度の脱臼がみられる場合は、放置すると筋肉や骨の異常が進行することがあるため、手術をおすすめすることが多いです。手術によって脱臼を整復して、はずれないようにします。
手術では今後の合併症のリスクを減らすことが期待でき、100%に近い運動機能の回復を期待できるようなので、手術は無いなと決めずにこうして調べてみることも一歩だと思いました。
膝蓋骨脱臼(パテラ)を手術しないとどうなるの?
パテラをそのまま放置していると膝蓋骨が脱臼して元に戻る動作が繰り返されることで、関節の軟骨が摩擦ですり減り関節炎や変形性関節症が進行していきます。
そして、パテラが起こっていない反対側の足にも大きな負担がかかることになるのです。
そうなってしまうと、片方の足だけでなく両方の足に強い痛みや関節炎などの症状が出るため、愛犬の生活の質が大きく低下してしまいます。
またグレード3~4のパテラに関しては、前十字靭帯と呼ばれる膝を支える重要な組織に大きな負担をかけてしまうため、前十字靭帯が損傷や断裂することがあります。
こわいですね。ロイ君のため家の中での階段の登り降りが無いように少し制限できるならしたいと思います。またこのような理由から小型犬を飼う場合は平屋やマンションの方が向いているのではないかと思いました。
またボール遊び中に走って止まってターンの時に足の関節に負担がかかり脱臼しやすくなると教えていただきました。
大好きな遊びを制限してお散歩も1時間だったのに30分に減らされてしまっては非常にかわいそうだと思います。
ただ手術のリスクとして麻酔が怖いなどまだ判断が難しく先延ばしにしがちな事柄だと思います、こうして自分で調べてみると色々と見解があることがわかりました。次回は手術のリスクについて調べてみたいと思います。
ペット保険も考えておくといい?
また、ペット保険をお考えの飼い主さんはパテラ診断前の契約が必要になりますので早めに入っておくことをお勧めします。
5頭1頭の割合で、3歳未満の小型犬に好発しているパテラ。経験上まだ症状のないワンちゃんの飼い主さんもしっかりした情報を得て愛犬を観察することが大切だと感じました。
専門医による治療を受ける場合
片足の手術費用は約34万円〜、両足になると45万円〜
ペット保険利用だと約10万~、両足になると13万円~
ロイ君は70%保証の保険に入っているので、もし手術を受ける場合も負担が少なくて安心です。いざと言う時のために毎月の保険料でこの補償を受けられるなら、愛犬貯金するより良さそうです。
※アイペット損保の場合は補償開始後に獣医師の診断によりはじめて発見された場合に補償対象です。お早めに補償開始することをおすすめします。