今の時期車が多い。研修を終えて配属されるころだろうか、
今や家業を継いでしまった僕にとって営業マンは遥か昔の話だが、
今でも営業職の求人は多いことだろう。
新卒で就職できた方々おめでとう。なにより親の世話にならず、自分の足でたちあがったわけだ。
営業職についた方、おめでとう。営業職にはのスキルアップに終わりはない。
積み重ねれば、積み重ねるほどあなたの営業スキルはアップしていく。
人と話すのが苦手だった方、同級生とうまくコミュニケーション取れなかった方にぜひお勧めなのが
営業職である。無我夢中でやることで、実は自分は人と話すことが好きだったことに気づくだろう。
量は質を変える。そして自分自身の自信となり、ひいては性格にも影響を与える。
かつて一日100件と目標をかかげ、飛び込み営業に励んだ。2ヶ月研修を終えて、さあ、意気揚々と
目に付く会社、一軒一軒飛び込んだ。門前払いの嵐にめげずにがんばるが、初日、昼前には
駅のベンチでうずくまった。だめだ。売れるどころか、話さえ聞いてくれない。聞くふりをして
揶揄する事務員やひどいときには罵倒された。そうすると人間不思議なものだ。商品を否定
しているのではなく、自分自身が否定されている。そう思い込み、足取り重く動けなくなってしまった。
精神的、肉体的に猛烈に疲れてしまい、首をうなだれ寝てしまった。20分ほどで
あまりの暑さに目が覚めた。からからの喉をなんとかジュースでうるおし、目の前のクリーニング屋に
飛び込んだ。なんでもいい。俺の話を聞いてくれ。必死の笑顔をつくり、商品を覚えたばかりの小僧がファイルをひろげ、もうなにを言っているかわからない。とにかく覚えたことを一生懸命伝えた。
ちょっとまってな。70ぐらいのおじいさんは奥へいって氷がぎっしりはいったお茶をくれた。
「すごい汗だな。」「で、月いくらでいいんだい?」「わかった。契約書はどれだい?印鑑はいるかい?」
あっけにとられた。あれだけだめだったのに、あっさり5分で契約してくれるという。
後から聞いた話では
「あの時あんたは一生懸命だった。今日の飯をなんとかしよう、そうがんばったわしに昔を
重ねたんだ。最近の若者の目はみんな死んでる。適当にごまかそうとか、うまいこと言おうとか、
でもあんたは違った。今日の糧を得ることに必死だった。そんな若者の目をみたのは久しぶりでうれしかった。」「あんたじゃなきゃあ契約してなかったさ。」
これが私の初めて取れた契約である。いまでもあのお茶の味は忘れない。頭がひざに付いてしまう
ぐらい頭をさげ、感謝した。うれしくて飛び上がった。
人とうまく話せず、目をみれず、いつも下ばかり向いていた私は配属初日、誰もなしえなかった
初日初契約を達成し、ドヤ顔で朝礼で契約発表をしたことを覚えている。
世の中、経理や総務を希望する学生が多いことだろう。しかし、経理や総務はほめられ、賞賛される
ことはない。きっちりやって当たり前の世界である。一つのミスで叱責を受ける。
しかし、営業は別だ。99の失敗を重ね、1の成功をすれば賞賛される。
いかにいい物をつくる技術者がいようが、経理や総務がいかにしっかりとしていようが、
売れなければ会社はなりたたない。営業は会社の花形である。
新入社員の営業マンにはつらいことのほうが多いだろう。しかし、一つの契約は99の苦労を
吹き飛ばす魅力がある。そして99の失敗はすべてあなたの糧となる。いつのまにか、度胸がつき、
堂々とした人格さえ与えてくれる。そう思ってがんばってほしい。
「一生懸命は必ず伝わる。」のだ。