CMAGモデルを使った子供の成績UPの実践法 第4号 | 西東京市ひばりが丘発 進学塾RoyalRoad 小中高全科目指導

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「成績を伸ばしたい」と願う全ての方へ…。
―「自立した学習とは」・「本当の学力向上とは」

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■自律特性を阻害する不安と緊張

 

今回のテーマとなる「保護者様のお悩み」は…

・成績が悪いと子どもが「もう無理」と言い出すことが多い。そのたびに、親や先生が「まだ大丈夫」と声をかけ、辛うじて勉強を続けさせている。

・子どもの成績がどんどん下がっているのに、子どもは不思議なくらいポジティブである。実際、勉強を怠けているわけではなく、塾以外の時間も机にすわって懸命に努力をしているので、それを見ている親がつらい。

 

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■ 自律特性を阻害する不安と緊張

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自分の気持ちをコントロールする力が未熟だと、頭では理解していても、反抗するものです。ただ、人が憎くて反抗するわけではないのです。人が引いたレールの上をムリに歩かされることがイヤなのです。人は自分の自由が脅かされたり、取り上げられたりすれば、自由を回復しようとして反発するのが当然なのです。

 

だから、反抗を悪いことだと決めつけたり、脅したりすると、余計に不安や緊張を増長させて、悪循環を生じさせてしまうもの。「反抗するな」というのは、「親の足を引っ張るな」「オレの顔に泥を塗るなよ」と言うのと同じくらいのダメージを子どもに与えるのです。

 

子どもを叱って良いのは、子どもが他人に心理的・物理的な侵害を及ぼすときだけ。こどもが他人にちょっかいを出したり、大人の言うことを聞かなかったりなどという場合は、本人が悪いと思ってやっていることなので、叱るのではなく、対話によって解決するのが子どもの助けになります。

 

大人をからかったり、大人の揚げ足をとったりするような適度な反抗は、自己主張の練習のようなものであるから、むしろ歓迎すべきもので、大人は楽しんで付き合ってあげればいいと思います。また、子どもが、上手に課題をこなせると実感できるようになれば、反抗は収まるものなのです。

 

反対に、反抗しない子どもの中には、親や先生に迷惑をかけたくないと思って、自分一人で課題を解決しようとし、かえって大きな不安や緊張を抱え込んでいる子どもがいます。

 

このような子どもは、小さいときから、人に頼らずに行動できることがよしとされる教育を受けてきています。人に頼ることが、まるで人に迷惑をかけているかのような感覚なので、いろいろなことにチャレンジしたくても、いつも不安や緊張が行動を抑制してしまうものなのです。なにかにつけて「ごめんなさい」を連発する子どもは、その典型です。

 

反抗する子どもも、反抗しない子どもも、うまくいかない理由は、その子どもの持つ不安や緊張です。イヤという意思表示をできないままきたから、自分の気持ちに正直になれないのです。つまり、自然体でいられず、不安や緊張を抱え込んでいます。

  

不安や緊張が強ければ、悲観的になりやすく、自分のためになる良い情報を前向きに受け止めることができなくなるのです。「あなたなら大丈夫」と何度言っても、「自分はダメだ」と押し返します。新しい情報を取り入れることができないから、いつも出てくるのは同じ結論です。

 

だから、あきらめる、手を抜く、自分の頭で考えない、という操り人形のような状態にとどまることになります。

  

では、不安や緊張はなぜ生じるのでしょうか。次の図を見て欲しいと思います。

 

「行きたい学校があれば、きちんと勉強するだろう」という理想主義者は、うまくいかないとイライラしたり、必要以上に落ち込んだりしてしまいます。テスト結果に一喜一憂するタイプです。このタイプの人が、いつしか理想を失うのは、満足できる部分を失ってしまうからなのです。

 

しかし、理想主義者は、もともと達成意欲が強い人だともいえます。達成意欲が強い人は、次のような特徴を持ちます。

①自分の努力次第で達成できると信じている(自分の能力を信じている、適度の困難さを好む)。

②自分で責任を持つことを好む。

③自分の行動の結果を知りたがる。

④有能な友達やパートナーを選ぶ。

 

理想主義者が、難しい課題に取り組もうとして挫折を繰り返したりすると、これら①~④の特徴が徐々に失われていくと同時に、イライラしたり落ち込んだりして、あきらめる、手を抜く、自分の頭で考えない、という悪循環に陥ります。

 

一方、「自分で決めたことだから、きっとやるだろう」という義務主義者は、うまくいっていれば安心するが、うまくいかないときは不安を抱えることになるのです。良くない成績をとったときに、親に叱られるのを恐れたり、言い訳をしたりする子どもは典型的です。義務感や恐怖心で行動しているのに、本当にそれがやりたいと言い張る子どももいるが、精力的に勉強しているようにはみえません。

   

理想を追求する過程で、イライラしたり落ち込んだりすることは、だれにでもある。自虐的にならない限りは、理想を持つことは必要です。しかし、義務感で勉強するのは勉強ではないのです。確かに教育は「義務教育」である。しかし、教育を受けさせる「義務」があるのは親であって、子どもにとって教育は「受ける権利」であるはずです。

 

親が子どもに対して、声高に勉強する義務を口にすればするほど、子どもを狂わせます。もちろん、子どもが好き勝手やってよいわけはないです。義務教育という枠組みは必要です。しかし、義務感で勉強したことはすぐ忘れるだけなのです。

 

では、「子どもの不安や緊張を和らげるにはどうしたらよいか。」これを次回のテーマにお話していきます。