少し前の話になるが、社内でレイアウト変更があった。
私の左隣には後輩のO君、O君の隣は空き机でその隣に部内の周辺業務を担当するベテランのおばさん、Mさんがやってきた。
Mさんの荷物がどんどんやってくるのを見て、
「荷物すごい量ですね」と声をかけたら、
「そうなの。捨てられないのよ」とのこと。
机の上の両脇に取り付けたスチール製の棚は「櫛比(しっぴ)」と表現すればいいのか、ドン・キホーテの圧縮陳列さながらに様々な小物がびっしりと隙間なく置かれている。
机を囲むように配置されているキャビネットにももちろん容赦はない。
扉にはお気に入りのカレンダーが次々と磁石で貼り付けられ、キャビネットの上の観葉植物が、卓上カレンダーにボディーガードされるようにコの字に囲まれていた。
数えてみるとカレンダーは全部で16枚。1年間すべての月を一度に表示してもまだ余る。
移動が終わり、気がつけば机とその周辺の空間は、Mさんの持ち物に支配されていた。
それを見たO君は「席というよりエリアですね」
うまい!
その日から我々はそこを「エリアM」と呼ぶことにした。