世の中に無駄なものなんてない? | ◆◆ ロイの書斎 ◆◆

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頭に浮かんだことをエッセイ風に書き綴っています

会社からの帰り道、突然「題名のない音楽会」でやっていたベートーヴェンの交響曲第5番「運命」を使った実験のことを思い出した。
あの曲は有名な旋律「ダダダダーン」の前に8分休符から始まる。
それがないとあの曲はうまく演奏できない。

一見無駄なように感じる瞬間の無音が、音楽を奏でるために必要だなんて面白い。
そういえば盲腸も無駄な存在のような気がするが、あれがある方が癌になる可能性が少し低くなるという話を聞いたことがある。
世の中に無駄なものなんてないのかもしれない。

そんなことを考えながら本屋に到着、萩尾望都の漫画でレイ・ブラッドベリ原作の作品ばかりを集めたものがあると教えてもらったので、それを探しにきたのだが、普段は立ち寄らない漫画のコーナーをうろうろしていると、突然声をかけられた。
「どうもひさしぶりです」
振り向くと会社の後輩で、今は私と入れ替わりに三田の分室に行っているY君がいた。

両手で「国産名車コレクション」を3箱も抱えている。
「おお、ひさしぶり、なんやそれ?」
「いや~まずいところを見られたな。実は三菱ジープが出たから買ったんですよ」
見られたなって声をかけてきたのはそっちやないか。
相変わらず突っ込みどころ満載の変な奴や。
「3箱も買うなんて大人買いやな」
「へへへ」

こんな漫画を探していると言うと、
「オンラインショッピングのセブンアンドワイで見たら結構揃ってますよ、受け取りと支払いは近くのセブンイレブンでできます」と教えてくれた。

私はネットで買うのが嫌いなのでまだ一度も試したことはなく、逆に本屋に行くことが好きなのでそれほど興味なかったが、セブンアンドワイがかなり気に入っているみたいなので、
「そうか、じゃあ見てみるわ」と言っておいた。
「ところで他に何買ったん」
三菱ジープはわかったが、後の2つが気になる。
まったく同じ色のパッケージだったので、すべてのシリーズが全部同じ色で統一しているのかなと思いながらその下の段を見ると、
まったく同じ三菱ジープ、
さらにその下も
まったく同じ三菱ジープ
色違いなんかじゃない。同色のカーキ色の憎い奴。
こっこれは、無駄~~~~~

「(!_+) お、同じ奴3つも買ったんか?」
「いや~好きなんですよ。今ズズキジムニーに乗ってるんですが、排ガス規制で生産中止にならなかったら絶対これ買ってますよ」
しかし、3つ同じものを買った理由にはなっていない。
「ふ~ん。まあ、これは排ガスも出ないからな」
たぶんこれ以上聞いてもほしかったという答えしか聞けないだろう。
セブンアンドワイはまた調べてみるわと言って別れた。

多分3台の同じミニカーも彼にとっては無駄じゃないのだろう…いや、やっぱり無駄だ。どう考えても無駄だ。
3台も要らんやろ。

帰ってきてからセブンアンドワイで検索してみたらたしかに探している本はあった。
どうしても書店で見つからない時は今度思い切って利用してみよう。

3台のミニカーは無駄だと思ったが、Y君との出会いは無駄ではなかったようだ。

それにしても3台同じミニカーを買うなんて…