前回のブログで、萬葉集に掲載されている
高市皇子の歌(156首目)を紹介しました。
今一度、確認すると...
高市皇子の歌(三首・通し番号156,157,158)の
前書きには、こんな事が記されています。
「十市皇女の薨ぜじ時に、高市皇子尊の御作りたまひし歌三首」
今回は、156首目を詠んでいた際
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三諸之 神之神須疑
(以下省略)
みもろの 三輪の神杉
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(御衣黄の意訳)
三輪山のご神木の杉を眺めていると
あの口伝えと私の想いが重なる...
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古事記の中つ巻き・崇神天皇の段、
「三輪山に関する説話(口伝)」
を思い出したので、大まかに書いてみます。
*どなたにも言えることですが
訳をする際、少なからず主観が入ります。
気になる方は、古事記で確認してください!
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当時、活玉依毘売という
容姿端麗な女性が
いらっしゃった。
*三輪山の巫女様と考えられるそうです。
(新潮社・古事記P136参照)
そんな彼女を射止めようと
ある男が夜な夜な通ってきた。
彼は、端正な御顔立ちで
振る舞いも素晴らしかった。
暫くして、二人は恋に落ち
共寝を許す仲に...
そして、活玉依毘売は身籠る。
両親は...
夫のいない娘が妊娠したことを
とても不思議に思い、問いただす。
しかし、彼女は彼の素性を何も知らなかった。
両親は娘にある提案をする。
それは...
「麻の糸束に、針を通し、
その男の着物の裾に、さすコト」
である。
つまり、その糸を辿っていけば
男性の素性が分かるというワケである。
夜明け後、その作戦を実行する。
その糸は、大神神社(ご神体は、三輪山)で
留まった。
なっ、なんと!
その男性は、大物主神様だったのです。
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古事記の邪馬台国(P82・52)には
同神は、大年命・饒速日命と言い
物部氏の長である...
とも記載されています。
お読みいただいた方、ありがとうございます✨
先生が、あるyoutube番組(無料・不特定多数者に公開)で
大神神社について解説されていたコトを
思い出しました。
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大物主神=饒速日命...
つまり、三輪山に現れるのは
周知の蛇(巳?当て字ですよね。)ではなくて
龍である。
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この解説を念頭に...
萬葉集・156首目の
未だ解読できていない
この箇所
「已具耳矣自得見監乍共」
を詠んでみると...
「已」に気づきました。
「巳」と数ミリの差ですよね。
「蛇ではないよ!」と
語り掛けられている様な
気がした瞬間、
御衣黄は、古事記を想い出したのですよ。