母が、実家の片付けをしています。

 
もともと母は、
父が退院した時、寝たきりでも過ごせるスペースを空けるために、入院中から手をつけていました。
結局そのスペースは不要になり、
そもそも亡くなった日にはまだまだモノであふれていたので、間に合っていなかったのですが。
 
 
今は近所の不用品回収業社に月イチで回収に来てもらっているそうです。
正月に帰った時は、随分と台所のモノが無くなっていたことに驚きました。
ひょっとしたら、家の整理や父の遺品整理と同時に、自分が亡くなる時の準備をしているのかもしれません。
 
実家には、私がコツコツと集めた漫画単行本がギッシリ残っています。
10代の頃、今思えば中学時代にはすでに鬱病を発症していたのだと思いますが、当時私の心を慰めたモノは漫画でした。
実家を出る20代半ばまで、買ったり図書館で借りたりしては読み耽りました。
 
 
昨年末、兄から連絡が入り、漫画だけでなく色々と要・不要判断をしてほしい、との事だったので、正月に帰った時、
目と手が届く範囲で、要・不要のメモを貼ってきました。
私の本棚のある部屋はすでに倉庫と化していて、本棚前にも色々と積んであったため、全てを確認することはできませんでした。
その中で、手塚治虫著『きりひと賛歌』の文庫版が目についたので、思わず手に取り、持って帰ってきました。
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時期は忘れましたが、手塚治虫を読み漁った時期があります。
きりひと賛歌
ブッダ
火の鳥
は、特に熱い思いで読み込みました。
熱量は覚えていますが、内容はあまり覚えていません。
あの時期だからこそ、の熱量で読めたのだと思います。
 
あと、高橋葉介の「夢幻紳士シリーズ」や、
藤原薫『おまえが世界をこわしたいなら』『思考少年』
鴨川つばめ『マカロニほうれん荘』、
内崎まさとし『らんぽう』『超人コンプレックス』、
などなども大好きでした。
挙げだすとキリがないのでこの辺にしておきます。
 
 
自分が鬱病である事も知らず、ただただしんどい時期を生き延びるために必要だったモノたちは、今の私にはすでに不要なのだと思います。
母もマイペースで片付けをしているようなので、またしばらく経ったら、要・不要判断をしに実家へ行ってみます。
 
 
要・不要判断が要らなくなるくらいに実家が整理されるのはいつの事になるでしょうか。
その時、母・兄・私、妻や子供たちはどうなっているでしょうか。
 

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