日本は先進国の中でもギャンブル依存症の人が推計で世界一(約320万人)だそうです。
ギャンブル依存症の本を数冊読みましたが、やはり日本はギャンブルが身近に、かつ敷居が低いため依存しやすい環境にあるのだそう。
コロナ禍を契機に公営競技のネット投票が拡充され、投票用資金の対応金融機関もかなりの数になってます。
パチンコ・パチスロこそ遊技人口は減ったと言われてますが、その分がネット投票に移行しているのだと思います。
現に、地方の公営競技はネット売上が伸び、一時は地方の競馬組合や競輪組合等も解散の危機が叫ばれましたが、ここ数年は廃止の動きもなく、黒字経営の団体が多いです。
その上、有名人も加えてライブ配信でより盛り上げる企画も拡充され、より遊技者が増えているとか。
ギャンブル依存症の本を見るとIRをはじめギャンブルに真正面から規制をかけろとかの意見がありますが、個人的には、小遣いの範囲内で遊んでいる人もいるので一括りに規制するのはどうか、と思うところもあります。
そもそも日本は算数はやれど金融教育、すなわちお金の教育をあまり学生時代にやりません。
ギャンブルが原因など、作らなくても済む借金を作ってしまうのは、一つに数字でボリュームを把握するお金のコントロール機能(俗に言う金銭感覚)を喪失している人が多いのかな、と思います。
学校の家庭科の授業ですら、料理や裁縫は教えますが、家計簿の付け方は教えませんし、「お金と人生設計」の分野になると急にFPのような金融資格の勉強レベルにならないと学びませんので、意欲的に学ぼうとする人以外はお金の知識が乏しいまま社会人生活を過ごしています。
チリツモは巨大。
多くの方は、家計簿を作っても作りっぱなしで出費の分析も放置、収支バランスを把握してなかったり、例えば競馬1R(レース)単位で数百円と少額でやってるつもりでも、中央競馬ですと月単位で全192R~288Rありますので積もり積もって数十万円単位を失ってしまいます。
1R各500円だと最高14万4千円
各1000円だと最高28万8千円
連勝系に多く見られる各3000円程度とすると最高86万4千円
競艇だと12R×8場程度がネットで一度に買えますので毎日やったら12R×8場×31日=2976R
各500円だと148万8千円
各1000円だと297万6千円
でもネットの記録ならまだしも紙の投票券だと的中してれば自動発払い機に吸い込まれ、ハズレればその場でゴミ箱に廃棄してるでしょう。お金をゴミ箱に捨ててるとも揶揄されるほど。
なので脳内は収支計算もできず過去の収支など記憶してなく、すぐ次の週末がやってきては散財、それが習慣になってしまうのが依存症たる所以です。
しかも厄介なのはギャンブルはたまに小さな払戻や、少し大きめの払戻があるので、それが脳内で刺激になって焼き付いてしまいます。
例えるなら、野生のハト・ネコなど野生動物は定期的に餌付けすると決まった時間に寄り付くのと似ていて、ギャンブルはこの仕組みに非常に似ています。
固い決着のレースやヒモ荒れなど、決まり方は様々なので予測不能、余計に好奇心を掻き立てられます。
それが今度は記憶の中心になってハズレが続いても「絶対戻せる」という謎の確信に。
統計的に長くとると、ギャンブルは的中したところでトータルで50%返ってくれば良い方だと言われてます。
芸能人で大勝ちしてる人がたまに取り上げられますが、生涯収支で見たら配信外などで大きく使ってると思います。
彼らは彼らで収入の範囲が大きいのであれだけ使えるのです。
つまり負けが確定してるゲームに自ら首を突っ込んでいるので、それを理解してて自分の稼ぎで得た小遣いの範囲内で純粋に勝ち負けのスリルを楽しむために遊んでいる分には問題ないのでは?と思うのです。
ただ借金したり、家族や友人に嘘をついてお金をせびるなど他人の力を使うのは自らを滅ぼすことに繋がるので、家計の管理は重要となるわけです。