そして、待ちに待った約束の日。夏真っ盛りの暑い中、車を飛ばして隣県まで向かう。
「ふふーん♪ セックス、セックス〜」
車中、アニソンを聴きながら、あれこれと妄想が膨らむ。いつものごとく、心臓がマシンガンのように鼓動しているのを感じる。ドキドキが止まらない。そして、ロマンティックが止まらない。胸が苦しくなる。
「緊張してきたぞ〜」
顔が分からない相手と会うことは、こんなにも緊張するのだな。相手も同じ気持ちなんだと思うが。だが、期待は禁物。気楽に臨もう。
今回の相手は、僕のナンパ理論を試す、二人目の相手。一人目はハンドテストまでは上手くいったのに、その後チキッてしまったせいで敗北した。
ナンパ理論。ナンパで試せばいいと、皆さんお思いだろう。言いたいことは分かっている。たしかに、ナンパで試さなければ何の意味もない。しかし、まだ不完全であるため、より磨きあげたのちに、ナンパで実践する。これは本当だ。
今日は、理想でいえば、目的のベッドインまで辿り着きたい。だが、理想通りに事が運んだ試しがない。ちゃんと、それまでの過程は踏まなければならない。しかし、その過程が長過ぎてもいけない。一人目がそうだった。普通にデートしてしまい、それが長引いてしまった。
いきなり初日からセックスというわけにはいかないから、今日は食事だけで終わる可能性が高い。最初はそれでいい。
もしかすると、相手との相性が抜群で、いきなり意気投合し、ベッドインということもあり得る。
だが、そんなケミストリーは、めったに起こることではない。ラッキーに期待してはいけない。ケミストリーを感じるような出会いを装い、これが運命の如く、出会うべくして出会ったかのように振る舞う。少し大袈裟かもしれないが。
大事なのは、自分で流れを作ることだ。