『my classics!』6
Jupiter
実は、僕がはじめて聴いたあーやの曲は、「Jupiter」ではありません。
この曲が世に出るとき、音楽雑誌やサイトなんかでは、ちょっとした話題になっていたのを憶えている。クラシックの「ジュピター」に、歌詞を付けて歌うのだということも知っていた。そして、ホルストの「惑星」は自分のお気に入りの曲のひとつだった。でもね、もう完全に一分も疑わず、この、今度デビューする女の子が歌っているのは、モーツァルトの「ジュピター」に違いないとばかり、思い込んでいたのだった。
なんでそんな勘違いが起こったかというと、ひとつは曲の知名度ということがある。
今でこそ、ジュピターとくればホルストだけど、少なくともあーやがこの曲を世に送り出す前までは、こんなに知名度の高い曲ではなかったのだ、「惑星」は(あくまで世間一般で、という意味において)。
今、「ええ!? そんなことないよ!」と思ったひとは、たぶん三種類しかいない。1.学生時代にブラスバンドをやっていた or 2.テクノ(あるいはシンセサイザー)おたくだった or 3.クラシックおたくだった…
たぶん、クラシック好きなひとの間でさえ、「惑星って曲はもちろん知っているけど、ジュピターと聞いたら、最初に思い浮かぶのはモーツァルト」って感じだったはずだ。
なんでそんなことがはっきり言えるのかというと、当時、実は一生懸命「ジュピター」という語を検索したから。それで出てくる検索結果は、当時は9:1以上の割合でモーツァルトだった。もちろん、モーツァルトのほうは曲全体の表題で、ホルストのほうはひとつの楽章のタイトルという違いもあるとは思うけど、それにしても、だ。
まあ、そのことを抜きにしても、それまでにも「惑星」が好きなんだよね、という話をしても、「お!」という反応を返してくれるのは、前述の3つのカテゴリーに属する人々ばかりだったから、さもありなんと思っていた。
なんでそんなことを調べたかといえば、これはもう恥の告白以外の何物でもないが、ずっと以前に、実はこの曲に歌詞を付けようとしたことがあったから(笑)。「平原綾香のJupiter」を知った今となっては、正直思い出しただけで赤面してしまうような出来のものだった。面目ない。
ただまあ、それくらい思い入れがあった。子供のころからいわゆる表題音楽というのが大好きだった僕は、組曲という形式にたいへんに魅力を感じていた。今も好き。それで中学の音楽の時間に「惑星」を聴かせてもらってからというもの、どうにかこの曲のテイストを再現したいなどとも、思っていた。
働き始めてからだけど、いっそのことこれに歌詞を付けてしまえと思った。大学時代の先輩が、イギリスでは木星に歌詞つけて歌ってるらしいぜと教えてくれたし、懐具合は苦しいながらも、シンセなど手に入れて、なんとか打ち込みも使える状況になってきたこともあり。この坂もまた実に…じゃなくて、この曲のあの部分というのは実に歌ってみたくなる旋律なのだった。
でも、当時、ほかにこの曲に歌詞をつけて歌おうってひとはいるわけがないと、完全に勝手に思い込んでいた。
さきにあげた知名度の件もさることながら、もうひとつはこの曲のあの部分(Andante Maestoso)が三拍子だということによる。三拍子だとちょっと、ポップスには馴染まないだろうなぁと思っていたのだ。四拍子化することがまったく頭をよぎらなかったわけではない。だけど、三拍子を四拍子にするということは、一小節につき一拍分長くなるということで、どうがんばっても間が抜けちゃうだろうなと思った。そこを超えて”聴かせられる”歌唱力が必要だと思った。そんな歌い手はそうそういるもんじゃないと思ったんだけど、いたとはなぁ… しかもデビューで。
そんなこんなで、「ジュピターって曲がリリースされるらしい」という情報に接したとき、僕はネットでいろいろ検索してみたすえに「なぁんだ、やっぱモーツァルトだよ」と(間違った)結論をくだして、それっきりにしておいたのだった。
だから、後々、あーやの「Jupiter」を聴いたときには、心底びっくりした。そして、以前に自分が作った歌詞(一部だけど)は完全に封印せねばと決意をあらたにした(笑)。
ところで、あーやの「Jupiter」の冒頭、ブレス音の後、いきなり歌が始まるバックでは「ヴォーーーーー」というブアツイ、アナログシンセストリングスで幕をあける。オーバーハイムだろうか。もちろん、いまどきなので、 プラグインソフトだとは思うけど、こういう音が好きでたまらない層、というか年代の人々がいる。ええ、僕もそうですとも。中学、高校時代に、楽器屋さんの店先でよだれをたらさんばかりに高価なシンセを眺めていた世代だ(笑)。
冒頭以降、実は他にもアナログシンセっぽい懐かしい音がちりばめられいて、「うぁ、懐かしいなぁ!」という感慨にもひたったりする。でも、わざとですよね、絶対。だって、僕たちの世代はやっぱり、星、宇宙=シンセなんだもん。何せ、往年の銘機にJUPITERってシリーズがあるくらいだから!(笑)
と、いうわけで、『my classics!』の感想を、書き終えました!
聴きごたえがあって、いろいろびっくりしたり、感激したり、楽しかったり… 息ながく、愛されるアルバムになるといいね。
実は、僕がはじめて聴いたあーやの曲は、「Jupiter」ではありません。
この曲が世に出るとき、音楽雑誌やサイトなんかでは、ちょっとした話題になっていたのを憶えている。クラシックの「ジュピター」に、歌詞を付けて歌うのだということも知っていた。そして、ホルストの「惑星」は自分のお気に入りの曲のひとつだった。でもね、もう完全に一分も疑わず、この、今度デビューする女の子が歌っているのは、モーツァルトの「ジュピター」に違いないとばかり、思い込んでいたのだった。
なんでそんな勘違いが起こったかというと、ひとつは曲の知名度ということがある。
今でこそ、ジュピターとくればホルストだけど、少なくともあーやがこの曲を世に送り出す前までは、こんなに知名度の高い曲ではなかったのだ、「惑星」は(あくまで世間一般で、という意味において)。
今、「ええ!? そんなことないよ!」と思ったひとは、たぶん三種類しかいない。1.学生時代にブラスバンドをやっていた or 2.テクノ(あるいはシンセサイザー)おたくだった or 3.クラシックおたくだった…
たぶん、クラシック好きなひとの間でさえ、「惑星って曲はもちろん知っているけど、ジュピターと聞いたら、最初に思い浮かぶのはモーツァルト」って感じだったはずだ。
なんでそんなことがはっきり言えるのかというと、当時、実は一生懸命「ジュピター」という語を検索したから。それで出てくる検索結果は、当時は9:1以上の割合でモーツァルトだった。もちろん、モーツァルトのほうは曲全体の表題で、ホルストのほうはひとつの楽章のタイトルという違いもあるとは思うけど、それにしても、だ。
まあ、そのことを抜きにしても、それまでにも「惑星」が好きなんだよね、という話をしても、「お!」という反応を返してくれるのは、前述の3つのカテゴリーに属する人々ばかりだったから、さもありなんと思っていた。
なんでそんなことを調べたかといえば、これはもう恥の告白以外の何物でもないが、ずっと以前に、実はこの曲に歌詞を付けようとしたことがあったから(笑)。「平原綾香のJupiter」を知った今となっては、正直思い出しただけで赤面してしまうような出来のものだった。面目ない。
ただまあ、それくらい思い入れがあった。子供のころからいわゆる表題音楽というのが大好きだった僕は、組曲という形式にたいへんに魅力を感じていた。今も好き。それで中学の音楽の時間に「惑星」を聴かせてもらってからというもの、どうにかこの曲のテイストを再現したいなどとも、思っていた。
働き始めてからだけど、いっそのことこれに歌詞を付けてしまえと思った。大学時代の先輩が、イギリスでは木星に歌詞つけて歌ってるらしいぜと教えてくれたし、懐具合は苦しいながらも、シンセなど手に入れて、なんとか打ち込みも使える状況になってきたこともあり。この坂もまた実に…じゃなくて、この曲のあの部分というのは実に歌ってみたくなる旋律なのだった。
でも、当時、ほかにこの曲に歌詞をつけて歌おうってひとはいるわけがないと、完全に勝手に思い込んでいた。
さきにあげた知名度の件もさることながら、もうひとつはこの曲のあの部分(Andante Maestoso)が三拍子だということによる。三拍子だとちょっと、ポップスには馴染まないだろうなぁと思っていたのだ。四拍子化することがまったく頭をよぎらなかったわけではない。だけど、三拍子を四拍子にするということは、一小節につき一拍分長くなるということで、どうがんばっても間が抜けちゃうだろうなと思った。そこを超えて”聴かせられる”歌唱力が必要だと思った。そんな歌い手はそうそういるもんじゃないと思ったんだけど、いたとはなぁ… しかもデビューで。
そんなこんなで、「ジュピターって曲がリリースされるらしい」という情報に接したとき、僕はネットでいろいろ検索してみたすえに「なぁんだ、やっぱモーツァルトだよ」と(間違った)結論をくだして、それっきりにしておいたのだった。
だから、後々、あーやの「Jupiter」を聴いたときには、心底びっくりした。そして、以前に自分が作った歌詞(一部だけど)は完全に封印せねばと決意をあらたにした(笑)。
ところで、あーやの「Jupiter」の冒頭、ブレス音の後、いきなり歌が始まるバックでは「ヴォーーーーー」というブアツイ、アナログシンセストリングスで幕をあける。オーバーハイムだろうか。もちろん、いまどきなので、 プラグインソフトだとは思うけど、こういう音が好きでたまらない層、というか年代の人々がいる。ええ、僕もそうですとも。中学、高校時代に、楽器屋さんの店先でよだれをたらさんばかりに高価なシンセを眺めていた世代だ(笑)。
冒頭以降、実は他にもアナログシンセっぽい懐かしい音がちりばめられいて、「うぁ、懐かしいなぁ!」という感慨にもひたったりする。でも、わざとですよね、絶対。だって、僕たちの世代はやっぱり、星、宇宙=シンセなんだもん。何せ、往年の銘機にJUPITERってシリーズがあるくらいだから!(笑)
と、いうわけで、『my classics!』の感想を、書き終えました!
聴きごたえがあって、いろいろびっくりしたり、感激したり、楽しかったり… 息ながく、愛されるアルバムになるといいね。