渡英5年目突入

 

子供の教育の事もあり、日本にボチボチ帰える事も考えないとなと…

 

2012 外資系企業(本社英国)に転職

2014 渡英&PhD学生 スタート

2017 PhD 取得&英国本社入社

2018 来年あたり帰るかー?と少し考慮開始

 

オプションとして

・日本のブランチ再入荷

・日本でまた別の企業に転職

 

の二点。英国で3年の労働ビザを貰った訳ですが、年齢も重ねていますので早めに次の一手を打ちたい…

 

必死にPhDの学生の間勉強したのと、学生時代からの遺産を組み合わせてデータ解析とか機械学習のエンジニア・研究者のポジションを探し始めました。

この領域は「数学メイン」「理論メイン」な領域ですので、経験とかの前にある程度の学際的知識が必要です。従って、経験も必要なんですが基本に学生時代とかにクソ勉強したとか研究頑張ったって人しか働けないような理系の醍醐味的な領域。

 

昨今の人工知能ブームによってこのあたりの技術者の争奪戦が世界規模で生じていると聞いています。そして、この流れに乗りたい自分。

 

問題は実務経験。

知識とか理論についてはある程度理解はできていますし、自信はあるんですが、実務が無い事をつかれるとグーの音も出ない。

 

うーん。

とはいえ、実際に自分を転職市場に投じてみると…

意外とオファー来ます(笑) いける。これはいける!多分どこかにはひっかかる。

幾つか魅力的なオファーも来ました。

 

 

そんなウキウキ気分の中、ボス(本社CTO)から四半期レビューで呼び出される。

ドキドキ

(割と自分は英語圏で使えないなと思っており、結構悲しい気持ちでずっと仕事をしてきています)

 

結果、クソ褒められる。

どうも英語は分からないし、プロジェクトの状況も従って把握できないのに、部分的に理解してやった仕事が彼らのツボをとらえたらしい。

まぁ、一応Drなんで! と言いたくなるも話を聞く。

 

どうやら数理的なデータ解析とか、技術にしっかりサイエンスを入れて答えを出してきた仕事がずいぶん評価されていたらしい。ボス曰く過去10年にわたってやれと言ってきた事が、自分が入社した途端に数日でできたからだそうだ。

 

まさにこんな状況:

彼らは足し算しかできなくて、自分が掛け算ができるとする。

自分が入社して100x100を全員の前で見せたら、全員理解できないけど答えを導いた自分に疑いの目と期待の目を向ける。ボスはドクターもお持ちだし、賢いので掛け算のコンセプトをしっている(できなくても)。そこでボスが自分を褒めると周囲も「あいつ、やるな」となる訳だ。

 

 

そしてボスから

・VISA延長する?という 手のひら返し

・いつ帰るの?帰っても英国向けに仕事してね

・今の仕事つまんないっしょ。簡単すぎでしょ。でもこれは君の教育のためにやったんだ。2か月したら部署かえるね。

・日本に仮に帰っても、スーパーアプリケーションエンジニアとして世界中のエンジニアの指導と、アカデミア等での発表、顧客へのソリューション提案をやってほしい。

・そういえば君は「これ」とか「あれ」とかやりたがってたよね。やらせてあげる。

 

と嬉しいお話を頂く。

おいおい。これってちょっと美味しい話じゃないか。

この分だと強気で給与の交渉とかもできちゃうんじゃないの?と期待を持てる。

 

ここで悟る。

やはりエンジニアたるもの「腕」だ。自分は間違っていなかった。

技術系総合職として微妙な仕事ばかりしていた日本の大企業時代。こんなんじゃ自分の価値は上がらないと(お給料は良かったけど)焦って、小さな転覆しそうな小舟に飛び乗った。そこで自分を鍛えなおす日々。少しずつだけど成果が出てきた感じがする。

 

現在の転職は「興味ある」ものだけに絞っている。

自分をマーケットに投下した当初、英語がそれなりに使えるのと、幸い大学名や学位で弾かれることが少ないので、興味の無い仕事で我慢すれば、ギョエっとするような給料はもらえそうである事が分かった。

 

なので、自分の好きな事を優先することにした。

多分ギョエっとする金額の半額くらいにはなるが、それでも年齢を考えれば所謂日系大企業くらいは頂けそうなので、十分と判断。

 

このあたりが英国で貧乏生活を強いられてたくましくなったところだと思う。

十分生きていけるだけのお金があれば、あとはやりたいことをやる。

なので、年収2000万円のオファーが来ても興味が無ければ余裕で断ることができる。

2500万円だと少し考えて断る。3000万円だとビビって即断る。

 

 

特殊技能、他人よりも二つくらい頭とびぬける技術…そういうものがあると、労働市場であるていど我儘になれると分かった。

5年前(日系企業離れる時)と今とでは、オファーの量と質が全然違う。それが自分の労働市場での価値の高まりを示していると思う。

まぁ、それに見合うだけ(見合っていないかも)の辛い経験と努力はしたかなと思いますし、実力もめちゃくちゃつきました。こんな機会を与えてくれた会社に感謝!!

 

やはりここにきて大企業で総合職をやるのはある意味リスクだと思う。

忙しくて自己研鑽もできないし、特に何かスキルが付くわけでも無い。会社がこのまま安泰だったらいいなぁと祈るような毎日。でもやっている仕事に対して明らかに給料・待遇が良いんです。まさに大学受験を頑張った見返りみたいな感じ。

でも、一歩外に出ると何も武器を持たない自分がどうやってジャングルで生き延びるのか。

 

やはり人は手に職。

医者でも、保母さんでも、栄養士でも、トラック運転手でも、服職人…組織が無くても「価値を生み出せる」人間にならないとダメだなって。

 

では、よしなに。

 

まだまだ勉強するぞ。

年内にあと500時間。