3*歳、子持ちのオッサン学生@UKです。

 

さてさて、UKで仕事(学生)をしていると日本国内の友達から

「いいなぁー。勝ち組だなぁー」

などとしばしば言われます。

 

コレに関しては、その心境も理解できます。何となく海外で仕事しちゃってカッコいいな的な。

 

さて、なぜ自分が現在英国で学生をやっていて、しかも滞在費・学費・渡航費・引越し費用等々が全て会社持ちで悠々自適(ではないが)に博士号を取れているか?というと、決して「何となくやっていたらここまで来ました」ということはもちろん決してないんですね。

 

ここまで来るのに、アホみたいな努力及び、経済的損失を伴っているということをまずはお伝えしたいです。(詳細は割愛)

 

では何故、ここまで苦労してグローバルに働きたいか?というところですが…自分自身の正しい評価に基づいて仕事をしないとマズイという気持ちを持っていたからですね。

 

日本という国はとても特殊で、多方面でとても水準が高くて、諸外国からの参入障壁が鬼のように高い国なんです。従って、日本人に生まれたというだけで普通にやっていればいい人生がおくれます。

 

公務員ってのがしばしば叩かれます。その理由の一つはその待遇においては資本主義の原理が働かないからです。決して良いサービスをする必要は無く、無能であっても公務員というだけで職の安全が保証されます。従って、ぬるま湯の中でぬくぬくすごしちゃった公務員さんは民間では考えられないようなコスパ(個人の能力比において)で生きていけるわけです。

※もちろん頑張っている優秀な方も多いですが、やってやるぞ!っていう気概をお持ちの方はやはり民間の方が多いかと…

 

バスの運転手が公務員と民間では年収200万くらい差が出るのが如実にこの実態を表しているかと思います。つまり、公務員だけでなく規制等で堅く守られたインフラ産業、寡占産業では資本主義の上手く原理が働きません。そういう場所に居ると、自分の能力以上の評価・待遇を得ることが出来ます。

 

日本に生まれるということは「日本語」というトンでもない海外勢に対する参入障壁に守られています。つまりそこそこアホでも諸外国では考えられないような待遇で生きていける訳です。

 

自分はこういう規制とか参入障壁に守られて生きて行くことが得策だと思えませんでした。その理由は3つあります。

 

1.個人の能力が向上することに喜びを見出すタイプなので、ぬるま湯はご免こうむりたい

2.壁が規制が壊れたときに超打たれ弱い

3.世の中がよくなるか?では無くて、いかに壁や規制を守るか?に固執してしまう。たとえ、壁や規則が不要になっても「必要だ!」と主張してしまうみっともない大人になりたくない。

 

ということで、日本人であるメリットを取り払った状態がゼロスタートであると思っていたわけです。当然一歩外にでれば「英語」を使うことを求められるでしょうし、年功序列とか新卒一括採用のようなぬるい制度は余り見られなくなります。

 

必要とされるのは「個の力」。

 

とりあえず、日本の外に飛び出さないとこの「日本人バイアス」は解くことが出来ませんでした。決して日本人であるメリットを捨てる必要はありませんが、メリットがメリットで無くなった状態に備えるべきだと私は考えているんです。

 

こういう話をすると「日本はずっとだいじょうぶっしょ」なんて言われます。そうかも知れないし、そうじゃないかも知れません。

 

自分はこういう不確かなものにもたれかかることに非常に不安を覚えます。

 

健康保険に加入しないみたいな感じです。

「まぁ、何とかなるでしょ。何かあったらやばいけど」

という考えが出来ない人間なんですね。

 

 

とまぁ、スタートはそんな感じでグローバル人材目指したわけですが、今となってはそんなのどうでもよくなりました。

 

結局のところ、日本に仕事が無ければアメリカでもイギリスでも自分を雇ってくれる場所があると強く思うことが出来るようになったからだと思います。もちろん、実力もついたってことも有るんでしょうけど。

 

そういう根性を持つことができたのも海外に出た効果かも知れません。

 

さてさて、博士号をとったらアメリカに行けとかドイツに行けとか色々話をもらっています。とりあえず国境を跨いで必要とされる人材になりつつあるので、このままもう少し精進したいと思います。

 

現状はまだ「日本企業・日本の産業」の大きさに助けられて「日本語が話せる」という点にメリットを見出されてお仕事を頂くことが多いので、もっと実力をつけないとダメですね。

 

真のグローバル人は「英語」ができるとかそういうレベルじゃなくて、国境を越えて必要とされる人。ノーベル賞級の人は当然グローバル人材です。ただ自分はそんなに頭が無いので、最低コミュニケーションは取ることができるようになっておかないとという所ですね。

 

 

では、よしなに。