さて、大胆な見出しをつけてしまったものだと自分で恥ずかしくもなりますが、これからの時代に必要だと思われることを2016年の段階でまとめておこうと思います。


ディジタル化と(理系なのでデジタル化とは書かないポリシー)いうのはしばしば「良いもの」のように扱われ、その対極の概念にあることが「アナログ」なわけですが、自分はコレに対して少々違和感を感じるのです。

ディジタル化ってのは今まであった情報を離散化することであり、それによって余分な部分をそぎ落とし、高速でのコミュニケーションを可能にする技術だという認識なんだけれども、この定義に戻ればアナログの方が情報の面でリッチなわけです。

つまり、一般的には
ディジタルはアナログの簡易版
な訳ですね。

どんなものでもディジタル化することは良いことだと思うし、決してコレには反対しないんだけれども、そうなってくるとディジタル化できることには何も価値が無くなるという訳ですね。

何でもディジタルにしてしまえば、機械がコンピューターが全て仕事をしてくれるわけです。そうなってくると、人間様がやるべきことは「いかにアナログにやるか」ってことだと思うんですよね。

例えば営業とか。良い商品でも良い営業が居ないとやっぱり売れなかったりもする。

技術系だと「職人」ってヤツも強い。プログラムで作れるものってやはり全て離散的な近似になってしまうので、そこを超える「感覚」とか「経験」みたいなものが生きてくる世界は超アナログゆえに最強。


以前とあるメーカーで仕事していたんですけど、18歳から高卒で30年とか働いている現場のオッサンとかになってくると、

「今日はちょっとそこの窓を3センチ閉めたほうがいいな」

なんて言うんです。そうした途端に製品の製造が安定し、歩留まりがよくなったりするんです。その日の天気とか風向きとかで何となく分かるんだとか。

結局「人間が分かる形」で表現できない限り、機械はそれを真似ることができないので、感覚とか経験みたいなものっていうのは定量化していくべきなんだろうけど、やはり人間がこれからも担っていかなくてはならないものなのかもしれない。


現に、今働いている会社でも「昔は生産できたけど今は職人が居ないから無理」みたいな装置がある。そういうのが世界の標準機だったりもする(原器というか)。

ディジタル時代にはこういうアナログな仕事が重宝されるんだと自分は確信しているんですけどね。

よしなに。